2017/01/14
『外国人介護士』
特別授業を行いました
ゲスト講師
蔵本孝治先生
(東京都介護福祉士会
国際協力委員会 副委員長)
福祉のミライを第一線で活躍する
さまざまな分野の実務家から学ぶ全15回のオープン科目
「総合福祉セミナー」
第12回目は、
蔵本孝治先生(東京都介護福祉士会
国際協力委員会 副委員長)による
『外国人介護士』
をテーマに特別講義を行いました。
【授業のねらい】
・21世紀の世界高齢化の状況把握をし、
学問だけでなく介護実践が
世界とつながっていく時代になることを理解する。
・「外国人介護職と共に働く」
異なる多様な文化や
価値観を理解し、援助・協働の視点を学ぶ。
これまで海外から学ぶ介護でしたが、
これからは
“外国人介護士と協働する介護”
に変わっていきます。
【世界で高齢化が進んでいる】
10年後には
日本はもちろんのこと
今までは高齢化社会でなかった地域においても
世界規模で高齢化が進んでいくからです。
特に日本は高齢化が進むスピードが
非常に速いと言われてきましたが、
同じくらいのスピードで世界の高齢化も進んでいきます。
21世紀の終わりには
地球上の20%の人は
65歳以上になるとも言われています。
21世紀は
“高齢化の世紀”
なのです。
高齢化の世紀だからこそ、
医療・介護のニーズ/マーケットが
世界規模に拡大します。
そして
介護分野での国際貢献や事業展開、
介護人材の確保は課題となるので、
介護従事者は世界を移動することになります。
まさに
“日本の介護は世界とつながる”
そんな時代がきています。
【海外事業の展開】
国境を越える介護福祉士。
日本人介護職は海外で、
外国人介護職は日本で活躍できます。
利用者の国籍も多彩で
日本で暮らす外国人もいますし、
海外で暮らす日本人もいます。
実際に日本にも外国人専用の
老人ホームのような施設もあります。
母国語しか話すことが
出来ない人も中には多くいますので、
言葉が通じる介護職が身近にいることは
利用者の安心につながります。
また青年海外協力隊などや
日系人老人ホームなど
外国でも活躍できる場が広がっています。
介護労働の市場が
無い国からある国へ。
経済連携協定(EPA)などで
来日してくる労働者もいます。
【外国人の現状】
国家試験合格率は
日本人と同等レベルにまで
向上しています。
しかし、そのまま日本で働くわけではなく、
母国に帰ってしまっている、
というのが現状です。
今は資格取得後の定着が
課題となっています。
職員、利用者・そのご家族にとっても
外国人は大いに受けいれられているという
アンケート結果もあります。
つまり、
外国人であっても
充分に日本で活躍できる力を
つけているのです。
しかし
“外国人介護職受け入れ”に対しては
まだまだ考え方に違いがあるのも事実です。
(日本)
厚労省・・・介護人材不足のためではなく、国際交流や経済連携の一環。
外務省/経済産業省・・・貿易促進や経済連携のため。
一部政治家・・・労働力として期待。
受入施設・・・将来的に人材充足に向けてテスト的に受け入れ。
職能団体・・・日本人介護職の待遇低下を心配。
(インドネシア・フィリピン・ベトナムなど)
政府・・・仕送りを期待。
候補者・・・家族支援。日本の先進的な介護を学びたい。
職能団体・・・フィリピン看護協会は反対。(国内の看護師の減少を危惧)
『郷に入ったら郷にしたがえ』
ではなく
『相互理解やパートナーシップ』
が
『相互変革や介護の進化』となり
“新しい介護”
が生まれます。
【より良く協働するために】
協働していくためには
いくつかのポイントがあると考えられます。
●トップが部下に丸投げしない
●職員全員が受け入れ意識を共有する
●関わる人すべてが利益を共有する
●得意・不得意を活かした役割分担を考える
●外国人スタッフの成長を信じ、促進する
●従来の方法にこだわらず、柔軟に
●説得よりも、価値観にそってお互いが納得する
以上のことができれば
協働し、介護の世界を
共により良くしていくことができます。
文化や価値観を知ることで、
傷付けたり、不快な気持ちにさせることもなくなり、
お互いが気持ちよく働くことができます。
【グループワーク】
◆インドネシア人の介護福祉士(イスラム教)が
ぶつかった問題について意見を出し合います◆
〔問題〕ジルバブ(髪を隠すスカーフ)は利用者に
恐怖や不安を与えるか?
↓学生の意見↓
・不安に思うかもしれないし、思わないかもしれない。
日本人でも新しく入った人は怖いと思われるかもしれないし、
不安に感じられるかもしれない。
・ジルバブは個性だと思う。
お祈りのために時間をとるのはどうか?
・迷惑をかけると思う。
勤務時間や休み時間を調整するのはどうだろうか。
など多くの意見が出されました。
想像ではなく、実際どう思うか
アンケートをとったり、
調べてみる必要があります。
思い込みで差別したりしてはなりません。
利用者が嫌がるから、、、
これは
自分が「嫌」と感じていることから
利用者目線に変換している
という場合も多くあります。
“外国人介護職と
協働していく世界”
日本だけではなく、
海外の人と意見を交換しながら
固定観念にとらわれない
介護の姿勢が必用となります。
これからの介護を支えていく学生にとって
大変有意義な講義となりました。
蔵本先生、
ありがとうございました。
【講師紹介】
蔵本孝治先生
(東京都介護福祉士会 国際協力委員会 副委員長)
【1992~1993年】
大学在学中、障害者福祉作業所ボランティア、
在宅障害者の介護(有償ボランティア)を行う。
【1994~2000年】
NPOで在宅障害者の介護事業、相談業務、
団体の運営業務に従事
【2000年】
介護福祉士、介護支援専門員資格取得
【2000~2004年】
障害者相談支援事業を行う団体で構成する
全国ネットワーク組織で、
研修・調査研究業務に従事
【2004~2009年】
社会福祉法人のホームヘルパー事業所において
サービス提供責任者
【2009~2010年】
社団法人において、
EPA(経済連携協定)で来日した
インドネシア看護士・介護福祉士候補者への
支援事業に従事
【2011~2014年】
在日外国人向けホームヘルパー養成スクールにて非常勤講師。
杉並区要介護認定調査員。
在宅介護事業(訪問介護、通所介護など)を
行う企業での社員研修。
社会福祉士取得。
東京都介護福祉士会 国際協力委員会所属。
日本福祉教育専門学校
介護福祉学科 (介護福祉士)
http://www.nippku.ac.jp/faculty/13/
ソーシャル・ケア学科(社会福祉士・介護福祉士)
http://www.nippku.ac.jp/faculty/12/
入学を希望される方、ご興味がある方、
まずはぜひ資料をご請求ください。
<資料請求はこちらから>
http://www.nippku.ac.jp/form/request/
※入学希望学科は「ご希望の学科(コース)」を選択してください。
合格者数全国1位。
1年制の最短コースで社会福祉士国家資格を取得できます。
合格者数全国1位。
土日休みの「週休2日制」で、16:30から無理なく通えます。
合格者数全国1位。
18:10授業開始のため、働きながら学校に通えます。
合格率100%。
高等教育無償化対象校。資格取得に向けた学費サポートがあり。