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2023/05/19

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【コラム】自閉スペクトラム症とは

こんにちは。日本福祉教育専門学校です。 今回は「自閉スペクトラム症」への対応や支援についてお話しします。 1、「自閉スペクトラム症」のおもな特性 ①対人関係を調整することが苦手  人に関する関心が弱いため、他人との関わり方やコミュニケーションの取り方に独特のスタイルがみられます。相手の気持ちや状況という曖昧なことを理解するの苦手で、臨機応変な対人関係を築くことが難しいため誤解されてしまいがちです。  <特徴的な行動>  ・あやしても目が合わない  ・手と振ってバイバイするときに、手のひらを自分に向ける。  ・親の後追いしない  ・相手の気持ちをくみ取ることができない(空気が読めない)  ・双方向の対人関係がうまくとれない  ・普通の会話をしているつもりが相手を不愉快にさせてしまう  ・仕事に就いても融通が利かない、もしくは面接が苦手 など ②こだわりが強い  自閉スペクトラム症の子どもは幼少期から特定のものごとやルールに強いこだわりがみられ、好き嫌いは極端です。自分の関心、自分のやり方、自分のぺースを維持することを最優先にしたい志向が強くあります。  <特徴的な行動>  ・同じ行動を延々と繰り返す  ・何かの手順、物の並べ方に強いこだわりがあり、いつもと同じでないと気が済まない  ・特定のものごとに強い興味や情熱を持つが、範囲は狭い  ・興味のあることは優秀な結果を出すが、興味のないことは手を付けない  ・集中しすぎて周囲がみえなくなる  ・スケジュール管理がうまくできない ③周囲が気にしないようなちょっとした物音に過敏に反応する ④寒い日に薄着をするなど感覚に偏りがある ⑤体の動かし方が不器用で、運動がぎこちなく苦手 2、「自閉スペクトラム症」の療育(治療教育)  自閉スペクトラム症の治療の基本は「療育」です。  一人ひとりの状態や特性に合わせた療育のプログラムは、本人の力を引き出して、できることを少しずつ増やしていくことで生活上の困難を減らす助けとなります。 ①相談窓口  ・市町村の保健センター  ・子育て支援センター  ・児童相談所  ・発達障害情報・支援センター  ・発達障害教育推進センター など ②療育を提供している機関  ・地域の療育センターなどの公的施設  ・病院やクリニックなどに併設された施設や民間施設  ・児童発達支援センター  ・児童発達支援事業所  ・放課後デイサービス事業所 など 3、学校での合理的配慮  自閉スペクトラム症の子どもは得意なことや苦手なことが一人ひとり違っており、知的な発達に遅れがある子もいれば、情緒不安な子、あるいは他の障害を持っている子もいます。 そのため、自閉スペクトラム症の子どもが充実した学校生活を送るためには、「合理的配慮」や「特別支援教育」を受けることがあります。 <学校・学級の種類> ・通常学級 一般的な学級で、1クラス40名以下で編成。支援が必要な子どもには地域によって異なりますが、介助員が付くことがあります。 ・特別支援学級 特別な支援を必要とする子どものための学級で、通常の小学校内に設置されています。 通常、人数が少なく原則は8名以下、一人ひとりの課題に合った教育を受けることができます。 ・特別支援学校 視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・病弱・知的障害のある子どものための学校です。 通常学級に加えて、子どもの自立に向けた指導を行う授業があり、一人ひとりの特性に応じた支援が提供をします。ただし、学校数が少なく、通学に時間がかかります。 ・通級指導教育 普段は通常学級で学びながら、週に1~2回程度で通級指導教室に通って、自分の課題にあった授業を受けることができます。通級指導学校が自校に設置してされていない場合は、他校通級に通うこともあります。 4、ライフステージに応じた支援  自閉スペクトラム症の方への支援は、成長に合わせて、ライフステージに応じて支援を途切れることなく継続することが望まれます。 ・幼少期 本人の意欲を育むために失敗しにくく成功体験を得やすいような環境を整える。 ・思春期以降 本人主体の活動を増やして、干渉することは極力控え相談に乗る。 早期療育によって特徴が軽減される方もいますが、年齢とともにそれまで気にならなかった別の特徴が強くなるケースもあります。ですので、長期的視野に立った切れ目のない支援が必要です。  それぞれのライフステージに求められる支援のあり方は一人ひとりは異なりますので、主治医や支援者と協力しながら、そのライフステージで優先すべき支援を組み立てていくことが必要です。

2022/05/23

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これって五月病?誰しもが起こりうる5月の心身の不調について

こんにちは。日本福祉教育専門学校です。 入学やクラス替え、就職、転職、部署の移動など環境の変化が多い4月。 気を張って過ごし、大型連休で一息ついたものの休み明けの登校や出社でいつもより体が重い、やる気がおきないなど経験したことありませんか。 それってもしかしたら五月病かもしれません。五月病の原因や対処方法をお伝えします。 五月病とは? 5月の連休明けの時期に起こる心身の不調を「五月病」と総称し一般的に広く知られています。 「五月病」は医学的な病名ではなく、環境の変化による一時的な不調を指します。環境に慣れてくると症状は改善しますが、症状が続いたり、生活に支障をきたすほどひどくなると「うつ病」や「適応障害」と診断されるケースもありますので軽視はできません。 五月病はどんな症状? 五月病は身体的な不調やメンタルの不調があり、この症状が出たら五月病とは言い切れませんが、目安として下記のような症状が挙げられます。 主な症状は? 身体的な不調 倦怠感がある食欲がない眠れない頭痛めまい集中力が途切れる メンタルの不調 不安や緊張感が続く仕事や勉強のやる気が起きなくなる憂鬱でネガティブ思考になってしまう楽しめない 原因は環境の変化や人間関係の悩み 慣れ親しんだ生活から一変し新しい生活スタイル、職場に慣れることは誰しも時間がかかりますよね。 新しい環境での業務になかなか慣れなかったり、人間関係の構築がうまくいかないなどの不安感からストレスになり不調が生じてしまいます。 また、異動や転職前に描いていた通りにいかず、現実に直面しストレスに感じてしまうことも原因として挙げられます。 まじめで一生懸命な人は要注意 真面目で一生懸命な人ほど責任感が強く抱え込んでしまうことがあります。新しい環境で緊張状態が続いていたからこそ、連休に入り燃え尽きてしまったなど気持ちが低下してしまいます。 五月病になりやすい人の特徴とは? 責任感が強く、1人で抱え込みがちな人仕事熱心な人完璧主義な人几帳面な人他人に気を遣いすぎてしまう人悩みを一人で抱えこんでしまう人 対処法 環境に慣れることで改善されることがありますが、日々の生活習慣の見直しやストレス解消法を取り入れることで、心身の不調を改善することが大切です。 バランスのとれた食生活 精神を安定させる神経伝達物質のセロトニンを分泌は食事面からサポートすることもできます。 肉や魚、卵や大豆製品などを摂ることでセロトニンの分泌を助けます。 またビタミン、脂質、炭水化物などをバランスよく摂ることで脳内へ栄養が回り、疲労回復ややる気がでてきます。 太陽の光を浴びる 朝、太陽の光を浴び生活リズムを整えることも大切です。また日光を浴びることでセロトニンの分泌を増やすことができます。 散歩や趣味などリフレッシュ法を取り入れる 散歩や通勤時の階段の利用など軽い運動は気分転換になります。 また、趣味を楽しむこともセロトニンの分泌を促しますのでストレス状態が和らぎます。日々の生活に楽しみを取り入れるといいでしょう。 周囲の人へ相談する 一人で抱えてこんでしまうと不安は大きくなるばかり。信頼できる家族や友人とのコミュニケーションを通して、気持ちを軽くすることも大切です。 ストレス社会の今、五月病は誰しも起こる可能性はありますが、放っておくと「うつ病」や「適応障害」など深刻化してしまう場合もあります。 規則正しい生活やバランスの良い食事などから少しずつ改善されることもありますが、なかなか改善されなかったり、症状がひどくなった場合は、放っておかずに医療機関に相談することが大切です。

2020/08/07

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精神保健福祉士に興味のある方へ―就職先とは―

新型コロナウイルス感染症の予防によって、私たちの生活様式が新しいものになりました。 「コロナショック」と言われるなか、私たちの仕事観・会社感への影響も出ているでしょう。 契約社員や派遣社員、アルバイトの契約をはじめとして雇用状況が厳しくなり、今後失業者が急増する可能性があるとも言われています。 そして、雇用情勢が悪化すると、自殺者が増えてしまったり。こうした望まない社会的損失を私たちは考え、社会的な対策を防いでいかなくてはなりません。 このような社会の変化の中で、いま、注目されているのが『精神保健福祉士』という国家資格です。 コロナ禍を受けて、多く人がこれまでのよりも緊張感の高い生活を送っているなかで、“人々を支え、自分自身もやりがいを感じる仕事に就きたい“、このような転職を希望する社会人が就活をする大学4年生に注目されつつある国家資格です。 今回は、心の寄り添う医療系国家資格『精神保健福祉士』について、そのおもな就職先を説明します。 1、精神保健福祉士の仕事内容とは? 精神保健福祉士は、精神面に障害のある方を対象に生活面での支援を行うのは主な仕事です。Psychiatric Social Workerを略して、「PSW」と呼ばれており、精神障害者に特化して相相談援助や社会資源を提供する専門職であり、国家資格です。   具体的にどのような役割があるでしょうか。 障害のある方を密接に関わりのあることと言えば、医療費と生活費です。 ご自身はもちろんですが、そのご家族にとっても医療費は大きな負担です。そして、障害を抱えた方が世帯主だった場合には生活費の捻出も困難を強いられるでしょう。 厚生労働省が代表例としてあげている精神障害者は、統合失調症、てんかん、依存症、気分障害、高次脳機能障害などがあります。いずれも症状が悪化すると仕事を続けることが困難になりやすく、休養をとりながら治療をしていくケースが多いです。 障害者ご本人の医療費や生活費として活用できる公的支援制度を斡旋するのも、精神保健福祉士の仕事のひとつです。 もちろん、できる限り社会復帰を支援して、本来の自立した仕事ができるようにサポートしていくという重要な役割もあります。社会復帰に向けて、日常生活に必要な訓練や会話の練習など直接精神障害者の方と向き合うことも欠かせない仕事です。 さらに、再び社会に出て働くための支援や、就職を果たした後も仕事に定着できるまでのサポートなどもおこないます。 精神保健福祉士がこのように多岐に渡る仕事を担うことになった背景には、2006年に施行された「障害者自立支援法」と、2012年に施行された「障害者総合支援法」があります。 この2つの法律がきっかけで、それまで入院医療が中心だった精神障害者の方が、地域での生活へと変化していきました。 これまで病院で生活していた精神障害のある方が地域で生活するとなると、専門知識を有する支援者が必要となります。そこで、精神保健福祉士が、精神障害をお持ちの方と社会がつながりを持てるように導く役割をしていくことになったという背景があります。 2、精神保健福祉士と社会福祉士との違いは? 社会福祉士も、精神保健福祉士と同じく国家資格のひとつです。 心身に障害を抱えるさまざまな事情から通常の生活を送ることが困難な方を支援することがおもな仕事です。 社会福祉士が支援するのは、障害を抱えて社会参加や自宅での生活が難しい方だけではありません。突発的な災害や失業といった何らかの働けない事情を抱えて生活が困難になった方への支援も社会福祉士の仕事です。また、不登校や虐待など子育てに関する問題も対応することもあります。 社会福祉士は、社会の中で何らかの支援を必要としている方やその家族の相談を受けて、その方の状況に合った適切な紹介や申請をおこなって、自立した生活になるように支援をする専門職です。 精神保健福祉士との違いは、その対象者です。 精神保健福祉士が支援をするのは精神に障害を抱えた方で、対象となる人が限定されているという点が違います。それだけ専門性が高く、専門領域が特化していると言えるでしょう。 なかには、社会福祉士の国家資格を持ちながら、さらに精神保健福祉士の国家資格を取得する人もいます。社会福祉士の国家資格で全般の相談援助はできますが、さらに精神保健福祉士の国家資格を取得することで、精神面に障害を抱えている方に対しても特化した支援をおこなうことが可能となります。 3、精神保健福祉士の就職先 ①病院 精神保健福祉士としてまず挙げられる就職先が病院です。 精神科の専門病院、総合病院の精神科、心療内科クリニックなど、さまざまな形態の医療機関が挙げられます。いずれも地域を支える拠点です。 医師と連携して精神障害のある方の生活に関わる情報を把握し、社会復帰に向けて生活を支えていきます。 精神科病院では、集団精神療法や認知行動療法、グループワーク、リハビリ、デイケアといった業務をおこなっています。また、在宅生活に関わる相談では訪問業務をおこなうこともあります。  ②福祉施設 病院の次に挙げられるのは、福祉施設です。 おもな福祉施設として、就労継続支援事業所、地域活動支援センターなどの精神障害者福祉施設の現場です。これらの福祉施設では、利用である精神障害者の方に対して、就労に関するトレーニングや職場への定着、電話や対面による相談など、日常生活に関わるさまざまなサービスを提供していきます。 それ以外にも、地域への情報発信や精神障害者の方の居場所づくり、関係機関相互の連携の中心となることでネットワークを活用できるハブ機能を果たしたりもしています。 精神障害者の方やそのご家族がよりよい生活を過ごせるように支援します。 ③養護施設 福祉施設だけでなく、養護施設も精神保健福祉士の就職先です。 生活支援サービス分野のなかでも、グループホームやケアホーム、生活保護法で設置されている救護施設、児童福祉法で設置されている児童養護施設などがあります。 また、保護者がいなかったり、虐待などの環境上養護を必要とする児童に対して、相談援助や自立に向けての援助、衣食住への健康管理や作業訓練などのリハビリなど、地域で生活できるようになるための指導をおこないます。 ④行政機関 精神保健福祉士は医療機関だけでなく、行政機関でも活躍することはできます。 行政機関としておもには、市役所区役所、保健所、精神保健福祉センター、福祉事務所などがあります。コロナ禍でテレビ画面でもよく精神保健福祉士センターの電話番号が案内されていますが、これらで心の問題について専門的な相談と援助などの相談業務をおこなっている専門職が、まさに精神保健福祉士です。 また、精神障害者への偏見をなくすための地域住民への啓蒙活動やボランティア活動、患者会や家族会を発足する仕事などもしています。  ⑤司法施設 2003年に「心身喪失等の状態で重大な他害行為を行った精神障がい者の医療及び観察に関する法律」が制定されました。この法律は、精神障害が原因で善悪の判断がつけられずに重大は犯罪を犯してしまった人を対象とする法律です。 精神保健福祉士は、法律に基づく指定された医療機関で医療チームの一員としてや、保護観察所などの施設で精神保健参与員や社会復帰調整官としての役割を果たしています。 ⑥企業・教育機関 企業では、ソーシャルワーカーとして職場でのストレスやうつ病のケアや、理解を深めるためのプログラムやシステムを作る仕事をしています。 教育機関では、小学校や中学校ではスクールソーシャルワーカーとして子どものケアや、いじめ、不登校などの学校で起きるさまざまな問題の解決ができるようにすることも担っています。 精神保健福祉士の活躍の場として今後さらに期待ができる就職先と言えるでしょう。   このように精神保健福祉士の活躍の場は多岐に渡っています。 そして、少子化や高齢化が進んだり、ストレス社会、さらにはコロナ禍による社会不安など、精神保健福祉士が必要とされる場面は広がっていくでしょう。 精神保健福祉士に興味をお持ちの方は、どのような形で貢献し、人々と関わっていきたいかとしっかりと定めるとよいでしょう。 ご自身の一生できる職業として、精神保健福祉士の国家資格取得にチェレンジすることも素敵なキャリアプランです。  >精神保健福祉士のことをもっと知りたい こちら