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【総合福祉セミナー】「福祉ロボット」特別授業を行いました 長田奉公先生(日本福祉力検定協会 企画室室長)

2016/12/21

長田奉公先生(日本福祉力検定協会企画室室長)を

 

ゲストにお迎えして『福祉ロボット』を

 

テーマに特別授業を行いました

 

福祉のミライを第一線で活躍する

さまざまな分野の実務家から学ぶ全15回のオープン科目

「総合福祉セミナー」

 

第10回目は、

長田奉公先生(日本福祉力検定協会企画室室長)による

『福祉ロボット』

をテーマに特別講義を行いました。

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講演を行う長田先生

 

 

◆ロボット介護機器が期待される背景◆

 

少子高齢化、生産人口の減少、

単純・過重労働の人手不足などが

生産性の停滞、

成長の大きな足かせとなっています。

 

これを

ロボットの効果的な活用によって

解決することが期待されています。

 

特に、今までロボットの活用されてこなかった、

中小の製造業、農業・建設・防災、

それに

医療・介護の現場といった分野への

活用が求められています。

 

少子高齢化と並んで老朽化した

インフラの早急な改修工事も危急な課題です。

 

東京オリンピックの開かれる2020年には、

高齢者1人を2人で支えなくてはならなくなります。

 

◆ロボットの分類◆

今までの産業用ロボットは人と

隔離した環境で仕事をしていました。

 

人との分離が法律で決められていました。

 

次世代ロボットは

人と協働して作業を行います。

 

産業用ロボットとは別にサービスロボットが

導入されるようになります。

 

産業用ロボットはモノを対象としていましたが、

サービスロボットでは人を対象とします。

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学生も先生の話に惹きつけられます!

 

◆介護ロボットの課題◆

社会全体で

高齢化率が大幅に上昇します

 

特に団塊の世代が高齢者になる、

2012年から2014年には毎年100万人以上

高齢者が増加します。

 

必要となる介護要員は、

10年後は

おおよそ今の倍の数が必要となります。

 

さらに、

介護従事者の7割が腰痛を抱えるという

現場の負担軽減も必要です。

 

これらの課題を解消するために

介護ロボットの導入が期待されています。

 

介護職員の数は横ばいか、

微増が予想されていますが、

介護職員自体の高齢化も進んでいます。

 

一方、

介護・福祉を目指す若い人は

年々減少しています。

 

ロボットの導入が進めば、

介護現場の様々な負担が軽減され、

若い人にとって、

介護福祉士という仕事が

希望を持てる仕事になり

介護・福祉を目指す若者も増えてくると思われます。

 

◆ロボット機器が求められる介護現場◆

 

経済産業省と厚生労働省は施設へのアンケートで

開発すべき介護ロボットの8分野を選定しました。

 

・移乗(装着型・非装着型)

・移動(屋内型・屋外型)

・排泄

・入浴

・見守り(施設介護型・在宅介護型)

などです。

 

介護現場で職員の負担となる作業を

介護ロボットが行うことになれば、

現場の課題解消につながります。

 

現在、これらの8分野で活躍する

ロボットの研究開発が進められていて、

実際に使用されているものも多くあります。

 

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自助具を実際に見せていただきました!

 

◆介護ロボットの導入と現場◆

 

今、最も導入されている介護ロボットは

コミュニケーション・ロボット

といわれるものです。

 

人の言葉をある程度理解できたり、

顔を認識したりできるもので、

施設などで入居者の話し相手をしたり、

体操や踊りなどの

レクレーションのリーダーをしたりしています。

 

理由は導入が比較的容易で、

専門的知識がなくても扱いやすためです。

 

しかし、

残念ながらロボットは

1.3%の施設にしか導入されていません。

 

理由として安全性の問題が挙げられます。

介護ロボットなどの生活支援ロボットの安全性に関しては

2015年に国際規格が制定され、

機器としての安全性は保障されるようになりました。

 

ロボットは絶対安全かといった話をよく聞きますが、

これは安全ではなく、

安心か?

尋ねていることを意味します。

 

安全の反対は危険ですが、安心の反対は不安です。

不安を取り除くには、ロボットを手際く操作することです。

 

しっかりと訓練して

ロボットの使用に慣れて、

手際よく操作できることが、

安全・安心につながります。

 

◆ロボットの価格は適正か◆

介護ロボットの多くは高額です。

厚生労働省は10万円台を目指していますが、

ロボットには本体価格だけでなく、

保守料や保険料、訓練のための費用が掛かります。

 

福祉用具が介護保険で貸与、

医療機器は健康保険で賄われますように、

介護ロボットも保険等の適用が望まれています。

 

◆介護ロボットに対する想い◆

介護される側も介護する側も、

60%〜65%の人は

介護ロボットの利用を望んでいます。

 

では、なぜ介護ロボットが導入されないのでしょうか?

 

介護ロボットの導入には、

介護を受ける本人が、

ロボットを使えばどういったことができるのか、

介護され側と介護する側とで議論をする必要があります。

 

日本では議論することに慣れていなくて、

介護する側の押し付けが多い。

 

介護従事者はロボットに関する知識や技能が必要です。

 

◆サービスインテグレータの登場◆

介護ロボットなどの生活支援ロボットでは、

ユーザはデマンド(欲求)はありますが、

ソリューションを提供できるニーズ(要求)にはなっていません。

 

ユーザの欲求を吸い上げ、

サービスソリューションへと変換し、

サービスを俯瞰しながら、

複数企業をコーディネートする

サービスインテグレータが必要になります。

 

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学生の真剣な表情

 

これは、介護ロボットを使用しながら、

介護を担っていく人たちの大変重要な部分となります

 

例えば、数人の要介護者が

LiftWareを使用して食事をする場合、

誤飲による肺炎などを防ぐために

嚥下チェッカーを組みわせるといったように、

いく種類かの機器を組み合わせた

ソリューションを考える必要があります。

 

◆介護と共に社会は変わっていく◆

政府の政策も施設介護から

在宅介護へと変わっています。

 

しかし、在宅介護を担う、ヘルパーさんなどの

訪問介護要員は増えていませんが、

要員の高齢化は進んでいます。

 

訪問介護の事業者は小さなところが多いので、

ロボットなどの介護機器の導入は期待できません。

 

そうすれば、家族への負担が増えてきます。

 

その結果、介護離職といった事態にもなります。

核家族化が進んだ今日では

親と子供が離れて

生活することが多くなっています。

 

企業にはネットワーク利用して

在宅と出勤を組み合わせ、

親の介護を支援するところも出てきています。

 

認知症の最も大きな原因は

運動不足と言われています。

 

高齢になっても外出し、

社会との接触を保つことが重要です。

 

高齢者の外出を支援する自動運転車や、

駅などのバリアフリー化を進めて、

ユニバーサルデザイン社会が望まれています。

 

◆これからの介護◆

 

最初に述べたように

介護要員は

増えていないのに、

今いる要員は

高齢化しています。

 

そのため介護離職をせざるを得ない

状況が進んでおり、

家族の負担は増える一方です。

 

日本福祉力検定協会ではロボットのある生活に

慣れ親しむための取り組みや、

ロボットの社会実装のための研究を行っています。

 

高校出前授業や介護ロボット講座など、

若い人や一般の人向けにロボットに

馴染んでもらうための活動に取り組んでいます。

 

これからの介護現場を担っていく学生にとって

ミライを見据えた非常に有意義な講義を

していただきました。

 

長田先生、ありがとうございました。

 

◆可能性を見た瞬間◆

最後に長田先生からこんなお話がありました。

 

ある高校の文化祭で

福祉を学ぶ生徒が

ペッパー(コミュニケーションロボット)と共に

プレゼンテーションを行いました。

 

発達障害をもった学生で

始めの練習のうちは顔を下に向け、

恥ずかしそうに発表を行っていましたが、

ペッパーと練習を重ね、

いざ本番、、、

 

来客の前で見事に前を向いて

発表を行うことができました。

 

ロボットに

できることはなんだろう、、、

 

こう考えていた長田先生は

この瞬間に

ロボットが持っている

新たな可能性を垣間見たそうです。

 

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貴重なお話、ありがとうございました!

 

ロボットと同じように、

私たち“人”が持つ可能性も

これからどんどん拡がり続けていきます。

 

その可能性を拡げる先駆者となり

未来の介護現場で活躍するみなさんを

これからも教職員一同サポートしていきます。

 

日本福祉教育専門学校

ソーシャル・ケア学科(社会福祉士・介護福祉士)

http://www.nippku.ac.jp/faculty/12/

介護福祉学科 (介護福祉士)

http://www.nippku.ac.jp/faculty/13/

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