日本福祉教育専門学校

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【コラム】高まるスクールソーシャルワーカーの価値(後編)|社会福祉士

2019/07/10

こんにちは。

日本福祉教育専門学校 入試・広報課です。

 

「高まるスクールソーシャルワーカーの価値(前編)」

スクールソーシャルワーカーは、

日常生活を送る上で問題を抱えた子ども(とその家族)を、

「社会資源」と繋げることで、子どもが安心して育つことのできる

環境を整えていく、児童福祉の専門職とお伝えしました。

 

今回は、スクールソーシャルワーカーの役割が

子どもの困りごとを解決するということに留まらず、

生きやすい地域をつくっていくダイナミズムさがあることをご案内します。

 

イメージ:カウンセリング

 

3.) スクールカウンセラーとの違い

スクールソーシャルワーカーとよく混同される職種に、

スクールカウンセラーがあります。

 

スクールソーシャルワーカーが、環境面のサポートを行うのに対し、

スクールカウンセラーは、心理面のケアを行います。

 

カウンセリングは、話をじっくり聞きながら

その子や保護者の本音を引き出し原因を探り、

自身の気持ちや感情をよく理解して

心の問題を整理できるようになることを手伝います。

 

一方、ソーシャルワークは、悩みや困りごとを整理して、

どうやったらそれが解決できるのか

具体的かつ現実的な取り組みを行います。

 

特に医療や福祉サービスなどの「社会資源」に繋いでいくことに重きをおいているため、

アプローチに大きな違いがあります。

 

子どもの様子だけ、保護者の対応だけ、学校での過ごし方だけではわからないこともあります。

スクールソーシャルワーカーは、子ども、家族、教師たちの話を聞いて全体を把握し、

様々な視点から、いろいろな人の力を借りながら働きかけを行います。

 

困っている子どもがいたら、教師や保護者も一人で抱えこまずに話し合う環境をつくり

“チーム学校”や地域の基盤をつくっていく仕事です。

 

そうして、子どもや保護者がもともと持っている力を引き出し

その子がその子らしくいられるために、勇気づけ、支えていくのです。

 

イメージ:サポート

 

4.) ソーシャルアクション

スクールソーシャルワーカーは、

今ある福祉制度や社会資源をいろいろ組み合わせたり、

繋ぎ合わせたりしながら状況改善を図りますが、

その過程で、不足している福祉制度や社会資源に気づくことがあります。

 

例えば、不登校の子どものための学びの手段としてフリースクールはありますが、

学費が安くないため、貧困家庭には手が出ません。

 

そこで、地域情報を収集したりネットワークを駆使したりして、

地域のさまざまな人的資源や場所に働きかけを行い「無料塾」を開設する、

という取り組みを行うこともスクールソーシャルワーカーの役割です。

 

このように、社会資源を”新しく作る”ことを目指し社会に働きかけることを

ソーシャルアクション (社会活動法)」といいます。

 

スクールソーシャルワーカーには、

子どもにとって必要なこと、あったらいいなということをつくっていき、

同じような相談者を生まないこと、生活をしやすくするように社会を変えていくことも求められているのです。

 

支援が必要な子どもやその家族は

往々にして、福祉制度について十分な情報が伝わっていないため、

どこに相談したらいいのかわからない、という状況に置かれていますが、

さらには、支援を求めること自体も困難な状態に置かれているという実態もあります。

 

どのように福祉制度を変えられるか、そしてどうすれば使いやすくできるか

これもスクールソーシャルワーカーが取り組む課題であり、つまりは、

スクールソーシャルワーカーの支援対象は「社会」でもあるということです。

 

イメージ:幸せ男女と子供用の靴

 

5.) スクールソーシャルワーカーのこれから

スクールソーシャルワーカーの配置に関しては、各自治体によってさまざまです。

 

・単独校型:特定の学校に配置され、毎週決まった日に必ずその学校に来る

拠点校型:拠点校に配置され、近隣校も巡回して相談に応じたり支援を行ったりする

・派遣型:教育委員会や教育事務所などに所属し、学校からの要請に応じ随時派遣される

・巡回型:教育委員会や教育事務所などに所属し、担当学校を数校持ち、それぞれの学校の状況に応じて定期訪問する

 

平成28年に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」や

厚労省の「ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト」には

スクールソーシャルワーカーの活用を推進することが盛り込まれています。

 

また、文科省では、平成31年(令和元年)度末までに、

スクールソーシャルワーカーを約10,000人(全中学校区に1人)配置するという目標を立てています。

 

こうした施策により、スクールソーシャルワーカーの常勤化が進むことが期待されています。

 

日本では、学校教育とソーシャルワークは管轄省庁が異なるということもあり、

国際的にもスクールソーシャルワークの取り組みが遅れていました。

 

人びとの孤立が浸透し、お互いの関係構築が困難になり、

そのことにより虐待を始め数々の問題が生じているという現実を前に、

深刻かつ複雑な問題に対処する学校現場の教師の取り組みを支援するという側面でも

スクールソーシャルワーカーの存在価値の高さに、時代が追いついてきたとも言えるでしょう。

 

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