誤解されやすい病気「失語症」とは?

1、「失語症」の特徴とは

脳卒中の発作のあとに、「話すことができない」「ろれつがまわらない」などの言語障害がおこることがあるのは、よく知られています。

脳卒中による言語障害の代表的なものに「失語症」が挙げられます。

「失語症」という言葉を聞くと、話すことができない状態と思われがちですが、これは誤解です。

「失語症」には次のような特徴があります。

・言葉が浮かばない(頭の中の引き出しから出せない、探せない)
・ことばが理解できない
・文章が理解できない、書けない
・声帯や口唇・舌の機能に問題がない

なお、失語症以外でも言語障害はありますが、それぞれ原因が違うので、リハビリ方法も異なってきます。

・ストレスや神経障害で声帯などがうまく動かずに声に異常が生じる「音声障害」
・同じ言葉や最初の言葉を繰り返してしまう「吃音(きつおん)」
・脳卒中などで口唇や舌が動かしにくくなる「運動障害性構音障害」

失語症は声帯や口唇など声を出す機能そのものに障害はないということがポイントです。

2、いろいろなタイプの「失語症」

失語症にはいろいろなパターンがあります。

運動性失語(ブローカ失語)

左脳の比較的前の部分に障害が起きた場合には、聞いていて言葉を理解することは比較的よくできるものの、言い違いが多かったり、文の構造うまく組み立てられず単語や短文でぎこちない話し方になる失語症。

感覚性失語(ウェルニッケ失語)

脳の比較的後ろの部分に障害が起きた場合には、なめらかに話せるものの、言い間違いが多く意味の通らない言葉を話す失語症。

脳の損傷が広範囲に及んだ場合には、「運動性失語」と「感覚性失語」が併発する場合もあります。

さらに、

健忘失語

聞いて理解することはできるけれど物の名前が出てこないために回りくどい話し方になる失語症。

全失語

聞く・話す・読む・書くのすべての言語機能に重大な障害が起きる失語症などもあります。

「全失語」では、右半身のマヒが伴うことが多く、ことばのリハビリに時間が要するほかに、様々なリハビリテーションが必要になります。

「失語症」は、一般的にリハビリ期間が長期にわたることが多いです。

発症後できるだけ早期に言語聴覚士が能力を評価し、はい・いいえなどの意思手段を確立することで、家族や周囲の人とのコミュニケーションを取りやすくすることができます。

そのため、体調の回復度合いを確認しながら、リハビリを始めることが重要です。

失語症のリハビリは、言語聴覚士(ST)が担当します。

言語聴覚士は、患者様に「標準失語症検査」という検査をおこない、その結果をもとにリハビリ内容を決定します。

※こちらの記事は入学検討者向けに掲載しているため、簡易的な説明となっております。
転載・流用はご遠慮ください。

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