【教員コラム】デフリンピックに学ぶ「コミュニケートする」ということ―「伝える」を支える言語聴覚士の仕事― | 言語聴覚療法学科
こんにちは!日本福祉教育専門学校です。
今回は、言語聴覚療法学科・専任教員 小林先生のコラム①をご紹介いたします。
デフリンピックを知っていますか?

「デフ(deaf)」とは、聞こえに困難があることを指します。聞こえない・聞こえにくいアスリートの出場する国際大会が、「デフリンピック」です。
今年で100周年を迎えるこの大会は、2025年11月15日「東京2025デフリンピック」として初めて日本で開催されます。
スタート合図にランプを使うなど、聴覚を視覚で補う工夫がされていますが、そこには限界もあります。
たとえばテニスでは、選手は視覚と直感をことさら磨くことが求められます。さらにダブルスでは、パートナーを信頼し合い、感じ合い、連携して動くことが必要です。
こうしたデフアスリートたちの見せてくれる、研ぎ澄まされた特別な感覚と絆には、感嘆せずにはいられません。
私は言語聴覚療法学科の教員として、「聞こえ」や「ことば」について学生と学んでいます。デフリンピック開催が、聴覚障害への理解を深め、言語聴覚士の役割にも関心が広がるきっかけになることを願っています。
コミュニケーションとは、思いを分かち合うこと
「コミュニケーション」の語源は、ラテン語で「共有する」「分かち合う」という意味に由来します。
それは単に情報伝達ということにとどまらず、お互いの意思や気持ちを伝え合い、理解し合い、共有するということが根底にあります。

デフアスリート達の連携プレーの数々に、コミュニケートするということがどういうことなのか、改めて気づかされます。それは、相手を思いやるということ。自分が発信するだけでなく、相手の発信を待つということ。そして、思いを分かち合うということ。
私が授業で大切にしているのは、学生たちが自由に思いを発信できる場をつくることです。
「ちょっと言ってみようかな」「私はこう考えるんだけど」「あなたはどう感じますか」
そんな一人ひとりのつぶやきや問いかけ、あるいは「聴く」ということからはじまる対話と分かち合いを、学生たちと一緒に育んでいます。それは、相手を理解したいと願うことであり、言語聴覚士として患者さんと向き合うときにも忘れてはならない姿勢です
言語聴覚士は“伝える力”を支える専門職
言語聴覚士は、ことばによるコミュニケーションに困難を抱える方を支援する専門職です。対象は聴覚障害、失語症や高次脳機能障害、ことばの発達の遅れ、音声障害や構音障害など多岐に渡ります。
聴覚障害がある方に対しては、聴覚検査、補聴器や人工内耳の調整、聴覚訓練、コミュニケーション支援、またご家族への助言など、包括的なサポートを行います。
言語聴覚士の活躍の場は、病院などの医療機関の他、介護・福祉施設や教育機関など幅広く、長期的に働ける仕事です。患者さんの社会復帰や生活の質向上に貢献できること、またご家族と喜びを笑顔で分かち合っている姿を見られることは、とても嬉しくやりがいを感じられます。
学校での専門的な学びと、未来への挑戦
デフリンピックに出場するには、「聞こえない・聞こえにくい」ことが条件のひとつです。
そのため選手は聴覚検査を受けますが、その検査を行うのも言語聴覚士の役目です。
当校では、一年次から多くの演習を通じて、実際に機器を操作しながら学習を進めています。
将来、臨床現場に出たとき、全員が確実に実施できる力を身につけることを目標としています。

聞こえを調べる検査にも、純音聴力検査、ティンパノメトリー、耳小骨筋反射検査、語音聴力検査など色々な種類があり、それぞれに目的や実施方法が異なります。
専門家である言語聴覚士になるために、在学中に勉強することは多いですが、専門的な学びの中で仲間と目標に向かい挑戦していく日々は、きっとかけがえのない時間となるでしょう。
私たち教員は、学生一人ひとりの挑戦を全力でサポートしていきます
言語聴覚士に興味を持ってくれた皆さんへ
「人と関わることが好き」「聴覚検査をやってみたい」「言語聴覚士っておもしろそう」
きっかけは、なんでも構いません。大事なのは、どれだけ夢中になれるかどうかです。
聴覚障害や言語聴覚士について「もっと知りたい」と思われた方は、ぜひオープンキャンパスにいらしてみませんか。
知らなかった世界をちょっと覗いてみると、新たな発見が得られます。さらに一歩足を踏み入れてみると、そこにはもっと豊かで夢中になれる世界が広がっているかもしれません。
(執筆:言語聴覚療法学科 教員 小林)
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