【教員コラム】社会福祉士の新カリキュラムの特徴について|社会福祉士養成科(夜間部)

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。

本日は、社会福祉士養成科(夜間部)学科長 片桐先生のコラム⑦をご紹介いたします。

〇社会福祉士の新カリキュラムの特徴について

社会福祉士は、2025年2月の国家試験から「新しいカリキュラム」に対応した国家試験になることはご存じの方も多いかと思います。

ただし、今後は旧カリキュラムという選択肢はないのですから、「現行の新しいカリキュラムの特徴なんか知ったところで・・・」と思われる方もいるかもしれません。

ただ、ちょっと待ってください。

前回のコラムでは、(「社会福祉」とは異なる)「教育分野」という異分野が「スクールソーシャルワーカー」という形で社会福祉士を採用している、その背景について説明しました。

今、私たちは社会の在り様が大きく変動している、そんな時代の転換期に生きています。

そんな時代において、「今ここ」で社会福祉士が使えるかどうか、そんな狭い観点では、この資格の有用性は見えてきません。

「今ここ」のみならず、「未来」において使えるのかどうか、そんな観点をもってこの資格を眼差す必要があります。

今回の新カリキュラムへの変更を、社会福祉士の「未来」を見据えたものと捉えて、その特徴を説明してみましょう。

まず、社会福祉士養成の通学課程のオープンキャンパスで示す、現行カリキュラム(=新カリキュラム)の必須科目の資料を提示してみましょう。

実は、旧カリキュラムと現行カリキュラムで、科目名だけを見るとすべてが変わったのですが、

科目の「名称」が変わっただけで、内実はあまり変わっていないものがほとんどです。

(ただ、「あまり」変わっていないだけで、科目ごとに未来に向けた細かい変更をしてはいますが、長くなるので略します。)

大きく変わったことを敢えてまとめると、「未来に向けて新しい科目を1科目増やした(=「刑事司法と福祉」)」「未来に向けて現場実習を増やした(180時間⇒240時間)」の二点になります。

1987年に成立した社会福祉士資格ですが、実は今回のカリキュラム改定は2回目なのです。

1回目の改定(2010年1月の社会福祉士国家試験から)では、今回の改定以上の大幅な変更がありました。

その一例として、「保健医療サービス」という科目(=現行の「保健医療と福祉」)が増えたことがあげられます。

なぜこの科目が増えたのでしょうか。

そもそも「医療」と「福祉」は別物と考えられてきました。

両方とも厚生労働省の管轄ではあるのですが、「医療」の機能は「病院」(=主に民間が経営)というハコで、「福祉」の機能は「施設」(=行政が直接運営)というハコで満たされるもの、という発想が前提にあったからです。

ところが、社会の変動とともに、2000年ごろからこれらをハコで完結させることができなくなってきます。

そこで、「医療」と「福祉」その両方の機能を、ハコではなく、「地域」(=行政と民間が共同で運営)で満たすことにしました。

そんな仕組みに変えるからこそ、他領域(=多領域)が繫がっていかなければならなくなったのです。

だからこそ、「福祉」に携わる者であっても、「医療」を最低限学ぶ必要性が出てきたのです。

一方、今回の改定では、「刑事司法と福祉」という科目が増えました。

ただし、業界人から見ると、これは1回目の改定の方向性と同じなのです。

未来に向け、学ぶ「他領域」を増やしただけです。

「刑事司法」もまた「刑務所」「裁判所」といったハコだけで考えていては、社会の変化に対応できない。

そんな今、「刑事司法」(=法務省管轄)と「福祉」(=厚生労働省管轄)がダイナミックに繋がることが模索されています。

この科目ができたのはそんな背景があってのことです。

2つ目の改定内容である「現場実習の時間数の増加」も、全く同じように考えることができます。

従来の「1か所実習」から「2か所での実習」を前提にするための改定です。

なぜなら、ソーシャルワーカーに他領域(=多領域)を繫ぐ役割が求められる時代において、従来の1か所だけの実習では足りない、という判断がなされたからです。

ただし、この点については、「実習が2か所になった→負担が増えた」という単純な批判も業界人としてよく聞きます。

しかし、だからこそ、2か所実習を意義づける見方・考え方を学生にしっかり伝えられるような、そんなソーシャルワーク教育がより一層求められています。

(現場を知る教員からその意義を直接聞くことのできる「通学課程」の意義はここにもあります。)

ということで、次回は、社会福祉士の実習に関する当科の想いについて、語ってみたいと思います。

(執筆/片桐先生:社会福祉士・夜間部学科長)

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