【教員コラム】福祉未経験者は、本当に「未経験」なのか|社会福祉士養成科(夜間部)
【教員コラム】福祉未経験者は、本当に「未経験」なのか

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。
今回は、社会福祉士養成科(夜間部)・専任教員 片桐先生のコラム⑩をご紹介いたします。
「福祉の仕事はしたことがありません」
入学を考えている方から、よく聞く言葉です。
営業をしてきました。
会社で人事を担当しています。
IT業界で働いています。
学校の教員です。
金融関係の仕事をしています。
だから、「福祉は未経験です」と。

確かに、福祉施設や相談機関で働いた経験はないかもしれません。
でも私は、「本当に未経験なのかな」と思うことがあります。
たとえば営業の仕事。
相手が何を求めているのかを聞く。
うまく言葉になっていない要望をつかむ。
社内の事情と相手の希望を調整する。
これ、少しソーシャルワークに似ています。
人事の仕事ならどうでしょう。
本人の希望がある。一方で、会社の事情もある。
上司や同僚との関係もある。制度もある。
その間に立って考える。
これも、どこか似ています。
もちろん、営業や人事を経験していれば、そのまま社会福祉士の仕事ができる、という話ではありません。
むしろ、ここからが大事です。
似ているからこそ、違いを学ぶ必要があります。
商品を売るためにニーズを聞くことと、その人の生活を支えるために話を聞くことは、同じではありません。
会社の中で人と組織を調整することと、本人の権利を守りながら、制度や地域、家族、さまざまな機関との関係を調整することも、同じではありません。
では、何が同じで、何が違うのか。
そこを考えられるようになることが、社会福祉を学ぶ意味の一つだと思っています。
夜間部には、いろいろな仕事をしてきた人が集まります。
だから授業をしていると、ときどき面白いことが起こります。
同じ事例を考えているのに、行政で働いてきた人と、企業で働いてきた人と、子育てをしてきた人では、見ているところが違うのです。

誰かにとっての「当たり前」が、別の誰かにはまったく当たり前ではない。
それも、この「夜の教室」で学ぶ面白さです。
福祉の仕事をしたことがない。
それは、社会福祉を学ぶうえで「何も持っていない」という意味ではありません。
むしろ、これまで何をしてきたのか。
そこから、社会福祉の学びは始まるのかもしれません。
(執筆/片桐先生:社会福祉士・夜間部学科長)
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