「会うだけで心が落ち着き安心できる存在」でありたい。卒業生が語る社会福祉士の仕事|社会福祉士養成科(夜間部)

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。

今回は、社会福祉士養成科(夜間部)・専任教員白川先生のコラム⑥をご紹介いたします。

「会うだけで心が落ち着き安心できる存在」でありたい ― 夜間部卒業生の講演会から ―

2026年10月10日(土)、社会福祉士養成科(夜間部)の「実習指導」の授業で、卒業生による講演会を開催しました。

「実習指導」は、実習目標や実習日誌の書き方を学ぶほか、学生同士で実習の進捗状況を共有したり、実習報告会を行ったりする授業です。

今回は、その授業の一環として初めて卒業生を招き、福祉の現場での経験や、社会福祉士として大切にしていることについてお話しいただきました。

講師を務めたのは、都内の社会福祉法人で施設管理者として活躍する卒業生のSさん(50代)です。

Sさんは、以前から「将来、子どもでも女性でも障害者でも高齢者でも、誰でも集える場所を作りたい」という目標を持っていました。

人生の折り返し地点を過ぎ、社会貢献につながる仕事がしたいと考え、社会福祉士の資格取得を目指して本校の夜間部に入学されました。

地域の人々とともに、安心して暮らせる街をつくる

現在、Sさんは社会福祉協議会から委託を受けて地域支援事業を行う法人に勤務し、施設管理者を務めています。

地域住民からのさまざまな相談に対応するほか、移動手段の確保に向けて行政や住民が話し合う場を設けるなど、地域のネットワークづくりに取り組んでいます。
Sさんが目指しているのは、「世代を超えてつながりのある安心できる街」をつくることです。

そのために大切にしているのが、支援する側だけで何かを進めるのではなく、地域の方々と一緒に取り組むという姿勢です。

例えば、高齢のひきこもりの方を支援した際には、ごみがたまってしまった部屋を、ご本人と一緒に清掃したそうです。

Sさんは、支援する人とされる人という関係だけではなく、「私たちはみんな一緒」という意識を持つことが大切だと語りました。

また、地域の防災イベントでは、これまで地域活動に参加したことのない方々にも関わってもらえるよう工夫したそうです。

単に「防災イベントに来てください」と呼びかけるのではなく、PTAを通じて保護者の方々に炊き出しのお手伝いをお願いすることで、少しずつ参加の輪を広げていきました。

こうした具体的なエピソードから、地域の人々との関係づくりや、一人ひとりが参加しやすい環境をつくることの大切さが伝わってきました。

福祉未経験でも、決してゼロからのスタートではない

日々の支援の中では、どのように関わるべきか迷うこともあるとSさんは話します。

積極的に関わった方がよいのか、それとも一歩引いて見守るべきなのか。

判断に迷ったときには、「何のための支援なのか」という原点に立ち戻り、今どのように行動すべきかを考えるようにしているそうです。

また、Sさん自身も福祉未経験からのスタートでした。

就職活動の際には、これまでの人生で考えてきたことを面接担当者に率直に伝え、採用につながったといいます。

入職当初は不安もあったそうですが、Sさんは学生たちに次のようなメッセージを送りました。

「福祉は人と人とをつなぐ仕事であり、最終的には人柄が重視されます。これまでの社会人としての経験や学校で学んだ福祉のものの見方があり、福祉の経験がなくても私たちはゼロからのスタートではありません」

これまでの仕事や人生で培ってきた経験も、福祉の現場で生かすことができる。 社会人経験を経て社会福祉士を目指す学生にとっても、心強い言葉となりました

「会うだけで心が落ち着き安心できる存在」

講演会当日、Sさんは本校在学中に使用していた教科書を持参してくださいました。

その教科書には、ソーシャルワーカーについて「会うだけで心が落ち着き安心できる存在」という一文が記されていました。

Sさんは、この言葉を今も大切にしており、ご自身も勤務する施設も、利用者の方々にとって心が落ち着き安心できる存在でありたいと話してくださいました。

地域の方々と一緒に取り組むこと。支援に迷ったときには原点に立ち戻ること。そして、目の前の人にとって安心できる存在であろうとすること。

今回の講演で紹介された数々の経験には、Sさんが大切にしているソーシャルワーカーとしての姿勢が表れていました。

福祉未経験から社会福祉士を目指し、現在は地域を支える仕事に携わっている卒業生の言葉は、学生たちがこれから実習や福祉の現場に向き合ううえでも、大切な学びとなる内容でした。

※地域支援事業とは、介護保険法に基づき、高齢者が介護を必要とする状態になることを予防し、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう支援するための仕組みです。

(文:社会福祉士養成科 夜間部 専任教員 白川 耕一〈社会福祉士〉)

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