社会福祉士と精神保健福祉士の違いについて|通信教育事業部
こんにちは!
日本福祉教育専門学校 通信教育事業部です。
本日は、社会福祉士養成科(夜間部)・学科長 片桐先生のコラムをご紹介いたします。
・社会福祉士と精神保健福祉士の違いについて
この二つの資格の違いは、社会福祉士に興味関心を持った、そんな方々から最もよく聞かれる質問の1つです。
この二つの資格を英訳してみましょう。
一般に、社会福祉士は「ソーシャルワーカー」
精神保健福祉士は「メンタルヘルス・ソーシャルワーカー」
と、訳されます。
そう!
実はどちらも「ソーシャルワーカー」。
つまり「ソーシャルワーク」をする人であることには変わりがないのです。
ただ、後者には「メンタルヘルス」が頭にくっつくだけ。
ということは???
「メンタルヘルス」がくっつく分、同じ「ソーシャルワーク」をする人でも、後者は前者よりも領域が「メンタルヘルス」に特化している、ということになります。
「領域」が特化しているとは?それだけ「スペシャル」だということです。
「スペシャル」という言葉は、日常会話では「すごい!」という意味で使われますが、「資格」の話では、それとは異なる意味で使われます。
「スペシャル」とは「ジェネラル」ではない、という意味です。
「ジェネラル」とは、「スペシャル」よりも「全般的、全体的に見渡す」こと。
一方で、「スペシャル」とは「ジェネラル」よりも、「領域を限定して、専門的に見渡す」ことです。
「んー、もっと具体的に説明してほしいなぁ」と思ったあなたへ。
じゃあ、この二つの資格のカリキュラムの違いで、具体的に説明してみましょう。
この二つの資格は、どちらも「ソーシャルワーク」をする人のことですから、「共通」の科目がとても多い。
例えば、「障害者福祉」は両者の共通科目です。
「障害」という考え方が一昔前より大いに拡大してることぐらいは何となく想像がつくことでしょう。
ですから、「障害」という考え方に向き合うことは、今や「ソーシャルワーク」の大前提。
だから共通科目なのです。
一方で、この二つの資格で、それぞれ異なる「専門」の科目もあります。
さて。ソーシャルワークを、とりあえずここでは「どんな人でも生きやすい社会を目指す活動」と定義してみましょう。
すると、そんな活動を今の時代にやるのであれば、「高齢者」や「児童」を対象にしないわけにはいかない。
それもまた、昨今のニュースを見聞きしていればわかるでしょう。
また、それらを包み込む「家庭」のあり方も含め、考えないわけにはいきません。
ですから、「ジェネラル」な社会福祉士には、「高齢者福祉」「児童・家庭福祉」なる科目があります。
一方で、精神保健福祉士の「専門」の教科書には、「精神医学と精神医療」「現代の精神保健の課題と支援」なんてタイトルがついてますね。
社会福祉士にくらべ、「スペシャル」な精神保健福祉士は、「障害者福祉」という科目は共通しつつも、その中でも「精神障害」に特化したうえで、これらの科目を学ぶんです。
なんとなくわかってきましたか?
続いて…
・両者の資格を前提にした職場の違い について説明したいと思います。
精神保健福祉士は社会福祉士に比べると「スペシャル」な資格です。
ですから、領域は(社会福祉士に比べて)特化されます。
「精神障害」周辺という領域に、です。
ですから、精神保健福祉士の職場は、かつては精神科病院か、退院後の通所施設に限定されていました。
ただし、精神保健福祉士資格ができた20数年前と異なり、今では働く「つらさ」を感じる人、いわんや生きる「つらさ」を感じる人が「珍しい」とは誰も思わなくなりました。
それゆえ、そんな感覚をもつ人すべてを「精神障害者」と一括りにしたところで何の解決にもなりません。
そこで、サイキアトリック(Psychiatric:精神医学の)ソーシャルワーカーと英訳していた精神保健福祉士は、メンタルヘルス・ソーシャルワーカーと(資格名を変えずに)英訳を変えて、働くことや生きることに「つらさ」を感じる人すべてを対象にできるような、そんな資格へ変えようとしています。
言い方を変えれば、今の精神保健福祉士はかつての精神保健福祉士よりは「ジェネラル」な資格になりつつあります。
そんな今の精神保健福祉士よりもさらに「ジェネラル」な社会福祉士は、原因を問わず、あらゆる「つらさ」を対象とします。
そうである以上、あらゆる領域を横断し、あらゆる制度をフル活用しながら、あらゆる人が生きやすい、そんな社会を目指すのです。
さて、社会福祉士の職場といっても、きわめて幅広い領域を横断していることについて、その由縁も含めわかっていただけたでしょうか。
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