【SLHT研究会】『吃音の基礎知識と幼児期の対応について』──11月SLHT研究会レポート|言語聴覚療法学科

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。
本校では、言語聴覚士として現場で働く卒業生が学びを深め、ネットワークを広げる場として、
「SLHT研究会(Speech Language Hearing Therapy)」を定期的に開催しています。

卒業年次や経験年数に関わらず、さまざまな領域で活躍する卒業生が集まり、実践的な知識の共有や再学習の機会となるこの研究会は、母校ならではの“つながり”を感じられる場になっています。

11月30日に行われたSLHT研究会では、言語聴覚療法学科 学科長・馬目雪枝先生による、「吃音の基礎知識と幼児期の対応について」をテーマとした講義が行われました。

当日は26名が参加。授業前は談笑するなど、和やかな雰囲気が広がっていました。

吃音とはどんな症状なのか

講義の初めは、「吃音(どもり)」の基礎理解からスタート。
言いたい言葉が思い浮かんでいるにもかかわらず、スムーズに声として出せない現象を指し、幼少期に発症し小学生以降も続く「発達性吃音」が一般的であることを学びました。

授業では繰り返し症状の実例音声が再生され、参加者の皆さんはうなずきながら真剣に耳を傾けていました。

吃音の代表的な症状として、

  • 繰り返し(例:ぼ、ぼ、ぼく)
  • 引き伸ばし(例:あーーーーしたの)
  • ブロック(声が出ず、間が止まる状態)

といった特徴が紹介されました。

特に幼児期の吃音は波があり、症状が強く出る時期と全く出ない時期が見られることもあると説明され、学生たちからは驚きの表情も見られました。

吃音は治る?原因と経過を知る

次に吃音の要因や経過について学習。
遺伝的要素や脳内活動の違いが関係していること、環境要因が直接の原因ではないことが解説されました。

幼児期の吃音はおよそ70〜80%が自然に改善する可能性があること、また相談や治療を開始するタイミングについても具体的に示されました。

「4〜5歳頃まで様子を見るのか、それとも介入するか」
保護者や支援者が迷いやすいポイントに踏み込み、現場を意識する学びとなりました。

家庭と支援者ができる関わりとは

吃音のある幼児に対するかかわり方についても深く学びました。

家庭では

  • 短い文で話しかける
  • 「今ここ」にあるものを話題にする
  • 質問攻めにしない

といった言語環境調整の重要性が紹介されました。

また、言語聴覚士が用いる支援モデルとして、DCM(Demands & Capacities Model) が説明され、発話能力と要求のバランスを評価しながら支援を行う視点が提示されました。

さらに、「話している途中で先回りして言葉を補うべき?」「周囲の子どもへの接し方は?」といった現場で起こりやすい疑問への考え方も共有され、参加者の皆さんはメモを取りながら理解を深めていました。

今回の講義を通して、吃音についての知識だけでなく、吃音と向き合う際に、子どもの思いや安心感を大切にすることが重要な視点として示されました。

向き合うべき視点を体感できる、貴重な学びの時間となりました。引き続き、本校では専門性と実践力を育む学びを発信していきます!

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【SLHT研究会】現場に活かす学びを、母校で──8月SLHT研究会レポート|言語聴覚療法学科

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