【座談会】「今が一番若い、だから一歩踏み出す」子育てしながらでも取り残されない環境
「学びたいけれど、育児との両立が心配」。そんな不安から、学び直しをためらう方もいるかもしれません。今回は、育児と両立しながら通学する社会福祉士養成学科 昼間部の3名に、入学のきっかけや不安、勉強の工夫、家庭との向き合い方についてお話を伺いました。

プロフィール

17年間にわたり金融機関の営業職として勤務。業務で高齢者対応する中で、福祉への関心が高まり社会福祉士を志す。現在は2人の子どもを育てながら勉強中。

病棟勤務を経て、福祉の必要性を実感。医療と福祉の両面から関われる存在を目指し、資格取得に挑戦中。1歳の子どもを育てながら学んでいる。

3人の子どもの育児をきっかけに、子どもたちの生きづらさに関心を持つように。地域イベントで福祉職の方の話を聞き、「支援する側になりたい」と入学を決意。
※インタビュー当時の情報です
「支援の視野を広げたい」その思いがきっかけに
ー皆さんが社会福祉士を目指すようになったきっかけを教えてください。

私は銀行で17年間営業をしていました。高齢のお客様から資産相談を受けるなかで、相続や認知症、身寄りのない方の今後など、福祉的な課題に触れることが度々ありました。銀行ではできる対応に限界があり、最終的には「行政に相談してください」とお伝えするしかないことが多く、「もっと福祉的な広い視点から支援できたら」と感じたことがきっかけです。年齢的な迷いもありましたが、40代なら「まだ先は長い」と思い、進学を決意しました。

私は看護師として退院する患者さんを見送る中で、医療ソーシャルワーカーの方と連携する機会が多かったことがきっかけです。自分は医療的な視点で退院後のことを考えていたのですが、ソーシャルワーカーの方は「この人はどう生きたいのか」「どんな施設ならもっと輝けるか」まで踏まえて支援されていて、とても印象的でした。医療と福祉は切り離せない関係だと思いますし、私自身もそうした視点を経験として身につけたいと感じ、入学を決めました。

私は3人の子育てをしながら、長年専業主婦でした。当初は再就職の意欲はあまりなかったのですが、たまたま子どもと地域のイベントに参加したときに、福祉の仕事をしている方とお話しする機会があって。その方が「困っている子どもや家庭を地域で支える」という活動をされていて、すごく印象に残ったんです。自分自身も子育てする中で、子どもを取り巻く出来事に関心があったので、「こういう形で関われたらいいな」と思ったことがきっかけです。下の子が小学校に入ったタイミングで、「今なら時間をつくれる」と思って動き始めました。

隙間時間、朝の時間を活用。
時間がないからこその勉強の工夫
ー入学前に学校生活で不安を感じた点はありますか?

一番の不安は、やはり勉強でした。社会人として長く働いてきましたが、勉強からは長く離れていたので、集中力や暗記力に不安がありました。特にこの年齢から、毎日継続して学び続けられるのか気になっていました。でも実際に授業を受けてみると、「この時期にはここまで終わらせよう」といったように、具体的な学習の目標や進め方を示してくれるため、見通しを持って勉強に取り組めています。

私も勉強面が大きな不安でした。看護師として大学では理論を学んできましたが、育児中で、しかも出産直後だったので、覚えられるか不安な気持ちが強かったです。ただ、この学校では「ここは国試に出る」「ここは覚えておくべき」といった要点をしっかり伝えてくれるので、限られた時間の中でも効率よく学べている実感があります。授業の内容も無駄がなくて、すごく助かっています。

私はブランクが長かったので、勉強についていけるかどうかがとても心配でした。専業主婦だったので、毎日机に向かうという習慣もなく、何から始めればいいのかも分かりませんでした。でも授業の進め方が丁寧で、要点もはっきりしているので、自然と学びのペースがつかめるようになりました。今では、必要な部分を絞って復習できるようになってきたと思います。
ー勉強するうえで工夫していることがあれば教えてください。

平日は授業が午後4時過ぎまであるので、帰宅して子どものお迎えや夕食の支度をしていると、夜9時か10時までは自分の時間が全く取れません。勉強するのはだいたいその後の2時間くらいです。時間が限られているので、隙間時間を大切にしています。リビングに勉強道具を置いておき、こどもたちがテレビを観ているときなど15分でも30分でも活用するようにしています。

私も似たようなスケジュールです。夜9時ごろから2時間くらいが勉強の時間です。私はリビングだと家族から話しかけられるので、集中できる環境が欲しくて、家の中に専用の勉強机を用意しました。そこに行くと自然と「勉強モード」に切り替えられるので、効率が上がったように思います。

私は子どもがまだ1歳で夜の勉強は難しいので、保育園に朝早く預けて、1限がない日でも学校の図書館で勉強しています。早朝は静かで集中しやすく、短時間でも効率よく取り組めます。同じようにママ学生の中には、朝早く学校に来て勉強する方や、お昼休みを活用している方もいますし、家庭の状況に応じていろいろ工夫されているなと感じます。

「誰も取り残さない」支え合える環境
ー学校の取り組みやサポート体制で助かったと感じることはありますか?

入学してすぐに、担任の先生が「このクラスはママが多いから」と、ママ学生向けの懇親会を開いてくださいました。何歳の子どもがいるのか、どういう生活をしているのかを共有できて、すぐに安心感が生まれました。授業を休んだときも、担任の先生から「この日は資料を取りに来てくださいね」「分からないところがあれば聞いてくださいね」とメールをいただくことも多く、気にかけてもらっていることが伝わってきます。

学校に早く来て勉強している方が多くて、分からないところをその場で聞けるのもありがたいです。図書館は静かで集中しやすく、先生方も声をかけやすい雰囲気なので、相談もしやすい環境だと感じています。

私は入学前に「昼間部で本当にやっていけるか、夜間部の方がよいのでは」と迷った時期があったのですが、その時に先生が、昨年の先輩ママとZoomで話せる機会を作ってくれました。自分と似た境遇の方からリアルな話を聞けたことで、自分にもできるかもしれないと思えました。入学前からそうした支援があったのは、本当にありがたかったです。
ークラスの雰囲気はいかがですか?

ママ同士のつながりができたことで、普段から情報共有がしやすくなりました。1歳〜高校生まで幅広い年代の子どもを持つ方々がいるので、「今こういうことに悩んでいる」と言うと、「うちはこうしたらよかったよ」とアドバイスをもらえるのも心強いです。

ママだけでなく、さまざまな年齢層の方と関われることも、学校に通うからこその魅力ですよね。子育て中の方もいれば、社会人経験が長い方もいて、話すだけで学びが多いです。

20代前半の学生や子育てが一段落した方など、本当にさまざまな人がいます。でも皆さん話しやすくて、自然と支え合える雰囲気があると感じます。授業を休んでも「ここ見ておいた方がいいよ」と声をかけてもらえたりして、誰も取り残されない環境があるのもありがたいですね。

一番若い今だからこそ、一歩踏み出せた
学校での学びが、家族も変えるきっかけに
ー学ぶ中で、家族との関係や日常の中で変化を感じることはありましたか?

0歳の息子を保育園に預けての入学でしたが、このタイミングで決断してよかったと思っています。保育園に通う中で、息子自身もできることが増えてきたと感じていますし、夫も育児に主体的に関わる時間が増えました。二人で工夫しながら分担して息子を見ているので、夫と息子が自然と2人で過ごす時間も増えて、父として子育てへの関心が以前より高まったように感じます。私が通学していることで、家庭全体のバランスも少しずつ変わり、協力しながら進んでいるという実感があります。

学生という立場になってからは、子どもたちの気持ちもよく分かるようになりました。帰宅後にすぐ「宿題しなさい」と言っていた自分が、今は「少し休みたい気持ちもあるよね」と寄り添えるようになりましたね。また、勉強の方法について子どもと話すことや、逆に教えてもらうことも増え、子どもとの共通の話題も増えましたね。

子どもたちとの日常会話の中で、「今日はこんな授業だったよ」「先生がこういう話をしていたよ」と伝える機会が増えました。そこから社会の話題に広がることもあって、学びを通して子どもと一緒に考える時間が増えたと感じています。今は大変なことも多いですが、それでもこうして学べる環境にいること自体がありがたく、家族に対する感謝の気持ちが強くなりました。福祉の知識だけでなく、人としても成長していける1年になりそうだと感じています。
ー入学を検討されている方へメッセージをお願いします。

子育てと学びの両立は簡単なことではありませんが、今が一番若いと思って決断しました。やってみて初めて分かることも多く、実際に通い始めた今は、家族や学校のサポートに支えられて「なんとかやっていける」と思えています。
今後は、訪問看護の現場で経験を積みながら、福祉の視点も生かしていきたいと考えています。いずれは訪問看護ステーションを立ち上げることが目標です。子育て中でも、一歩踏み出せば道は開けると思います。

最初は、「今さら学び直すなんて」とためらいがありました。でも、もし65歳まで働くとしたら、今から25年あります。むしろここからが、次の人生をどう生きるかを考える時間なんだと気づきました。学校にはサポート体制も整っていますし、同じような立場のクラスメイトもたくさんいます。迷っているなら、思い切って飛び込んでみてほしいです。

私は専業主婦からの再スタートで、最初は不安もありましたが、通ってみると同じように子育て中の方がたくさんいて、「自分だけじゃない」と思える環境に救われています。決して余裕のある毎日ではありませんが、子どもたちにも頑張る姿を見せることができていますし、自分自身にとっても大切な経験になっています。少しでも気持ちがあるなら、挑戦してみてほしいです。


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