言語聴覚士による訪問リハビリテーションとは
言語聴覚士は、訪問リハビリテーションを行うことがあります。訪問リハビリテーションでは、どのような仕事を行うのでしょうか。仕事内容について見ていく前に、訪問リハビリテーションの概要について知っておく必要がありますので、まずは概要について説明した後、対象となる患者さんについて、それから言語聴覚士が行う業務について紹介します。
目次
訪問リハビリテーションとは
訪問リハビリテーションとは、在宅生活を送られている方のために、自宅へ訪問してリハビリテーションを行うことです。訪問リハビリテーションが必要となる患者さんには、様々な種類のリハビリテーションが必要になります。つまり、言語聴覚士のできるサービスだけでなく、そのほかのリハビリテーションが必要になることもあります。具体的には、食事や着替え、トイレなどのリハビリから、患者さんのご家族に対する介助方法の指導に至るまで、様々なサービスが求められます。そのため、言語聴覚士のみならず、理学療法士や作業療法士、看護師などとチームを組んで訪問リハビリテーションに当たることが少なくありません。
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訪問リハビリテーションを受けるための2つの条件
訪問リハビリテーションが受けたいと言えば、誰でも受けられるわけではありません。訪問リハビリテーションの対象となるのには2つの条件があります。
- 主治医が訪問リハビリテーションの必要性を認めた方
- 要介護認定となっている方(65歳以降)
ただし、40~64歳は下記の16種類の特定疾病 を持っている方に限ります。
1:がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)
2:関節リウマチ
3:筋萎縮性側索硬化症
4:後縦靱帯骨化症
5:骨折を伴う骨粗鬆症
6:初老期における認知症
7:進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病
8:脊髄小脳変性症
9:脊柱管狭窄症
10:早老症
11:多系統萎縮症
12:糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症
13:脳血管疾患
14:閉塞性動脈硬化症
15:慢性閉塞性肺疾患
16:両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
条件を満たす患者さんに対して、主治医の指示のもとに訪問リハビリテーションを行っていきます。対象となる患者さんがどういった状態にあるのかはなんとなく理解できましたか? 続いては訪問した際に言語聴覚士が行う仕事内容について見ていきましょう。
訪問リハビリテーションでの言語聴覚士の仕事内容
訪問リハビリテーションでの言語聴覚士の仕事内容としては、言語訓練や構音訓練、嚥下訓練など多岐にわたります。患者さんの症状に合わせて、必要となる訓練を行います。
具体的には以下のように訓練をしていきます。
■ 失語症の方に対して脳の損傷によって話す・聞く・読む・書くことが困難になっている失語症の方に対しては、物の名前を言う練習や読み書きの練習などをします。また、日常的に介護する方に対して、質問をクローズド(YESかNOで答えられるもの)にするといったように、患者さんとのコミュニケーションの取り方についての提案・指導も行います。
■ 構音障害の方に対して舌や口などが麻痺して、ろれつが回らずに発音がはっきりとしない構音障害の方に対しては、口周りの筋肉を鍛えるための運動をさせたり、発音しにくい音を練習させたりします。また、こちらも日常的に介護する方に対して、患者さんと話をするときにはテレビやラジオを小さくするなど、聞き取りやすい環境を作るといったように、コミュニケーションの取り方についての提案・指導も行います。
以上、言語聴覚士における訪問リハビリテーションについてお伝えしました。訪問リハビリテーションをする際には理学療法士や作業療法士、看護師といった訪問のチームの中でのコミュニケーションが大切になります。これから言語聴覚士を目指す方は、このように病院外での仕事もあるということを知っておくとよいでしょう。
なお、訪問リハビリテーションの業務を安全に行うには5年や10年の医療機関での臨床経験がどうしても必要です。将来、訪問リハビリテーションに従事したい方は、養成校の卒業時には、まずは様々な疾患の患者さんをみることができる比較的大きな医療機関に就職をするとよいでしょう。
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