介護福祉士の就職先には、入所型の介護施設や居宅型の介護サービス、障害者向けの介護施設などがあります。ここでは、介護福祉士がどんなところに就職しているのか、施設別にご紹介します。
介護福祉士の就職先として多いのが、入所型の介護施設です。入所型の介護施設には、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)、介護老人保健施設、介護付有料老人ホーム、介護サービス付きの高齢者向け居住施設などがあります。
特別養護老人ホームは、要介護度の高い高齢者が多く入所する施設です。入所期間が比較的長く、終の棲家となるケースも多いという特徴があります。介護老人保健施設は、入所者が自立した生活に戻ることを支援する施設です。身体介護に加え、医師の管理のもとでリハビリテーションを行うこともあります。また、居住施設としての機能をベースに、24時間の介護を受けることができたり、必要な介護サービスを選択して受けることができるのが介護付有料老人ホームや介護サービス付きの高齢者向け居住施設です。入所型の介護施設は、いずれも24時間体制の介護が必要となるため、夜勤を含むシフト勤務となるのが一般的です。
居宅型の介護サービスとは、自宅で生活しながら利用できる介護サービスのことです。訪問介護やデイサービス(通所介護)がこれに当たります。
訪問介護では、身体介護の他、食事の用意や洗濯、掃除、買い物など、身の回りの世話全般を行います。またデイサービスの施設では送迎付きで、日中は介護施設で身体介護やリハビリテーション、レクリエーションといった業務を行います。
居宅型の場合、介護サービスの提供は、その多くが日中のサービスなため、夜勤が発生しないというのが大きな特徴です。その他に、在宅生活を継続するために利用するショートスティ(短期入所介護)や、小規模多機能型居宅介護事業(訪問介護・通所介護・短期入所が複合的に利用できるサービス)、グループホーム(認知症の方専門の小規模な介護施設)等も居宅型の介護サービス事業所として上げられます。
介護福祉士の活躍の場は高齢者向けの施設だけでなく、障害者向けの支援施設もあります。こういった施設では、障害を持つ人の身体介護や生活援助、レクリエーションのほか、リハビリや就労サポートなど自立に向けた支援も行われます。
医師や看護師、理学療法士、作業療法士など、他分野の専門家と連携を取りながら、障害を持った人々が少しでも自立した社会生活を送れるよう、サポートを行うのが介護福祉士の務めです。
介護福祉士の就職先を、種別に分けたデータで記載します。
・高齢者福祉関係(81.8%)
・障害者福祉関係(9.4%)
・医療関係(6.1%)
・その他(2.4%)
・無回答(0.5%)
【出典】「令和2年度社会福祉士・介護福祉士就労状況調査結果」((公財)社会福祉振興・試験センター)
本校介護福祉学科 専任教員
岡本啓介
介護福祉士
介護支援専門員