介護福祉士になるためには、介護福祉士国家試験に合格する必要があります。国家試験は年に1度行われます。国家試験の概要や難易度、合格率についてご説明します。
介護福祉士国家試験は、マークシート方式による筆記試験です。筆記の試験科目は、以下の11科目群です。
1、人間の尊厳と自立、介護の基本
2、人間関係とコミュニケーション・コミュニケーション技術
3、社会の理解
4、生活支援技術
5、介護過程
6、発達と老化の理解
7、認知症の理解
8、障害の理解
9、こころとからだのしくみ
10、医療的ケア
11、総合問題
実技試験も設けられていますが、受験資格を得るルートによっては免除されます。これは2017年から導入されました。以下の人が当てはまります。
・実務経験ルート(介護福祉士実務者研修の修了、または介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修の両方の修了)
・養成施設ルート
・福祉系高校ルート(2009年度以降の入学者で新カリキュラムを受けている人)
・経済連携協定(EPA)ルート(介護技術講習または介護福祉士実務者研修の修了)
このように、実技試験免除の規定はルートと条件がありますので当てはまるかどうかをよく確認しましょう。受験者の9割近くは実技試験が免除になっています。
以下は、2023年に実施された「第35回介護福祉士国家試験」の結果です。
試験日:2023年1月29日(日)
試験地:35都道府県(筆記試験)、2都府(実技試験)
合格発表日:2023年3月24日(金)14時
受験者数:79,151人
合格者数:66,711人
合格率:84.3%
受験者数は昨年より3,931人減少しています。近年、合格率の推移は70%前後ですのでかなり高い数値だったと言えるでしょう。
合格者の内訳も公表されています。男女比率は男性29.9%・女性71.0%です。男女比率は例年通りでした。
受験資格別の割合では、社会福祉施設の介護職員が最も多く62.1%を占める結果となりました。次いで介護職員初任者研修・旧ヘルパー2級などを取得している訪問介護員で、割合は12.9%です。
介護福祉士国家試験の合格基準(筆記試験)は、総得点が125点中75点以上であることです。また11科目群すべてで得点がある必要があります。
難易度については、合格率が70%前後であることを考えると低い方だと言えるでしょう。国家資格の中には10%以下の難関資格も存在します。
しかし、全35回までの歴史を見ると合格率が低かった時もあります。第1回の合格率は23.2%でした。徐々に上昇していき、平成28年以降は70%前後になっています。
また、合格率が高くても全員が受かる試験というわけではもちろんありません。きちんと試験対策を行った上で受験している人たちの合格率ですから、合格ライン以上を目指して試験に取り組むことが大切です。