今後の介護業界を担う存在として、ますます需要が高まる介護福祉士。若い世代が働いているイメージが強いのですが、何歳まで働けるのかご存知ですか?今回は、介護福祉士が活躍している年代や、何歳まで働けるのかなど、介護業界の労働状況について詳しく紹介します。
介護福祉士と聞くと、若いスタッフが働いている印象がありますが、実は介護業界では、正社員で12.6%、非常勤社員だと42.5%の事業所が定年制度を設けておりません。(参考:一般社団法人 日本在宅介護協会)定年制があるところでも、60~65歳がほとんどで、その後は再雇用や、嘱託など雇用を延長する制度を設けています。また派遣やアルバイトであれば、定年制がないので何歳でも働くことができるのです。
さらに最近では、求人の応募要項にも「年齢不問」とする事業所も増えており、介護スタッフの確保が急務となっています。その背景には、高齢化が加速する中、介護を必要とする高齢者は増えても、それを支えるスタッフが不足している現状があります。求職者1人に対して求人が4.64とも言われており、体力が続く限り、働こうと思えば、いつでも働ける環境と言えます。
現在、介護福祉士として働く人の割合は、地域によって差はあるものの、主に20~30代が多いと言われています。総務省のデータに、介護福祉士として働く人の年齢層が分かるデータがありますので紹介します。
出典:総務省「平成21年度介護労働実態調査」
比較的に若い世代が多い介護福祉士ですが、その理由として、体力と根気が求められる職業であると言われています。お風呂に入れるための介助や、排泄物の処理のほか、高齢者を持ち上げる仕事もあるため、どうしても若手のパワーが必要になります。また人材不足であるが故に、ほかの業界と比べて就職しやすい側面もあり、資格を取得することで、「将来を安定させたい!」と言うニーズもあるようです。介護福祉士の平均年齢が若いのは、こうした理由があげられます。
平均年齢が比較的に若い介護福祉士ですが、だからと言って、その世代しか働いてはいけないということではありません。せっかく資格を取得して仕事に就いたとしても、人の命を預かる覚悟がつかず、中には辞めてしまう若手スタッフもおります。
その点、中高年の介護福祉士の場合、ある程度の人生経験を積んでいるため、高齢者との心の距離感も近いことから、よりフレンドリーに仕事をすることができ、高齢者からの信頼も厚いのがメリットと言えます。
また最近では、第二の人生を求めて、介護業界にやって来る中高年も急増。直接人の役に立つ「介護」の仕事の魅力と、親の介護に携わった経験を活かしたいと言う方が多く、介護に必要な資格を取るために、専門学校に通う40~50代の方も増えています。
40~50代でも、体が元気であればこの業界で働くことは十分可能ですし、そのような方が増えているのも事実です。しかし、はじめての業界で未経験のため、本当に上手くやって行けるのか不安に思う方もいらっしゃるでしょう。そのような方には、まずデイサービスで働いてみることをおすすめします。
介護業界がはじめての方には、まずデイサービスで働くことをおすすめしますが、それには以下の理由があります。
また、現場の仕事にこだわらず、過去にマネジメントの経験がある方は、管理職を目指してみるのも良いでしょう。介護施設の仕事として、排泄介助などのスキルのほかにも、スタッフのマネジメントや営業活動、売上などの数値管理があります。実際に施設長を務める方の中には、営業職や飲食店の店長のキャリアを持つ人も多いそうです。
慢性的な人手不足で、むしろ「売り手市場」でもある介護業界。介護に必要な資格も取得しておけば、中高年でも活躍できる可能性は十分にあります。体力と働きたい意欲さえあれば、何歳でも続けられますので、これまでの経験を介護の世界で活かしてみてはいかがでしょうか?