精神保健福祉士を目指す人の中には、年収や月収などの待遇を考えずに、ひとえに精神障害を持つ人をケアしたい志で働きたいという人もいるでしょう。しかし、実際に働きながら生活していくためには収入面での支えも大切です。そこで今回は、精神保健福祉士の年収や月収について紹介し、更にキャリアアップを目指すための方法もお伝えします。
精神保健福祉士の給料は国家公務員の水準に近く、基本給はそれほど高くはないものの、住居手当や通勤手当などの諸手当で優遇されるケースがあります。
日本精神保健福祉士協会が行った調査によると、平均年収は300~400万円未満との回答が最も多く、次いで200~300万円未満と続きます。大卒の正規職員の初任給で言うと月給で17万円程度ですし、諸手当で優遇されているとは言え、全体的に見ると高い収入を得ている人は少ないようです。
参考:公益社団法人日本精神保健福祉士協会 調査票
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精神保健福祉士の平均年収は約300~400万円ですが、どこで働くかによって年収が変わってきます。精神保健福祉士が働く分野には、医療、福祉、行政などがあり、それぞれの働く分野によってどの程度年収が変わるかを紹介します。
まず医療分野ですが、具体的な勤務先には、総合病院や精神病院の他、小規模のクリニックなどがあります。規模が大きい病院だと平均年収は430万円程度で、小規模クリニックになると380万円程度と言われています。
行政分野では、地域の精神保健福祉センターなどが勤務先になります。精神保健福祉センターでの勤務になると、地方公務員の扱いになるので、勤続年数や年齢によって給料も上がっていき、平均年収はおよそ420万円と言われています。その他の行政分野では、障害者福祉サービス事業所等の福祉施設もあり、平均年収は390万円ほどになります。
また、勤務先の他にも、正社員か非常勤か等の雇用形態の違いによっても変わってきます。正社員として働くなら、公務員と同じ水準になるため比較的安定した給料が得られます。しかし、非常勤での勤務になると、時間給での給与計算になるため平均年収も大きく下回るでしょう。
現状において、精神保健福祉士の年収は十分高いとは言えませんが、年収を上げる方法はあります。
現場での経験を積み上げ、周囲からの信頼を得ることで管理職への道が開けます。管理職になれば役職手当も付くので給料アップも可能になります。
民間の精神保健福祉士としてキャリアを積み、行政分野での勤務を考えてみるのも良いでしょう。と言うのも、前述のように、精神保健福祉センターや障害者福祉サービス事業所などで働くことは、地方公務員扱いになるので、給料も勤務年数と共に昇給が見込めます。さらに、住居手当や通勤手当など各種手当も充実しているので、安定した年収を得ることができるでしょう。
精神保健福祉士から、社会福祉士へ転身することもひとつの手段です。社会福祉士は国家資格のため、国家試験を受けて合格する必要がありますが、精神保健福祉士登録者の場合、受験科目が一部免除になるため有利です。高齢者、障害者、子供などより幅広い人を対象とした支援を行うため、年収も約400~500万円と精神保健福祉士より高めです。そこで実務経験を積んでスキルを磨けば、年収500万円以上を目指すこともできます。
精神保健福祉士と社会福祉士のダブル資格取得で、活躍の幅がぐっと広がります。
質の高いケアを続けていくには、収入面での支えも大切ですので、精神保健福祉士を目指している人は、将来の就職活動も見据え、どこで働きたいのかも検討してみてはいかがでしょうか。