社会人として働きながら精神保健福祉士になるにはどうしたらいい？

更新日：2025.12.24公開日：2025.09.11

社会人として働いている方でも、精神保健福祉士を目指すことができます。国家資格の取得に向けて社会人向けに夜間コースや通信課程を設置している学校もあります。今回は働きながら精神保健福祉士になるための方法と合格に向けた勉強方法について紹介します。

精神保健福祉士とは？

精神保健福祉士は、1997年に制度化された精神保健福祉分野の専門職であり、国家資格です。
「精神科ソーシャルワーカー（PSW）」とも呼ばれ、精神的な困難や生きづらさを抱える人々が、その人らしい生活を送れるように支援する役割を担います。

医療、福祉、教育、司法など幅広い分野で活躍し、相談援助を通じて社会復帰や自立をサポートします。
現代のストレス社会において、その専門性はますます重要視されています。

精神保健福祉士の仕事内容

精神保健福祉士の主な仕事は、精神的な困難を抱える本人やその家族からの相談に応じ、適切な支援につなげる相談援助です。具体的には、医療機関での受診や入院に関する手続きの支援、利用可能な福祉サービスの情報提供、退院後の生活設計のサポートなどを行います。

また、住居の確保や就労支援、金銭管理の助言といった日常生活を安定させるための支援も重要な業務です。関係機関との連絡・調整役を担い、対象者が地域社会で孤立することなく生活できるよう、多角的にサポートします。

活躍の場と将来性

精神保健福祉士の活躍の場は、精神科病院やクリニックなどの医療機関にとどまりません。
障害者福祉サービス事業所、地域の相談支援事業所、保健所や精神保健福祉センターといった行政機関、さらには司法施設や教育現場など、非常に多岐にわたります。

近年、企業内で従業員のメンタルヘルスをサポートする役割や、ひきこもり支援、依存症からの回復支援など、新たなニーズも生まれています。
ストレス社会を背景に精神保健の重要性が高まっており、専門知識を持つ精神保健福祉士の需要は今後も拡大していく見込みです。

社会福祉士との違い

精神保健福祉士と社会福祉士は、どちらも相談援助を行う国家資格ですが、主な支援対象と専門分野が異なります。
精神保健福祉士が精神障害のある方に特化した支援を行うのに対し、社会福祉士は高齢者、障害者、子ども、生活困窮者など、より幅広い層を対象とします。

そのため、精神保健福祉士は精神医学や精神科リハビリテーションに関する深い知識が求められ、社会福祉士は社会保障制度全般や様々な福祉サービスに関する広範な知識が必要です。
両方の資格を取得することで、より専門性の高い支援が可能になります。

精神保健福祉士になるには？

精神保健福祉士になるための方法はいくつかありますが、最終的には「精神保健福祉士」という国家資格を取得しなければならず、そのためには公益財団法人社会福祉振興・試験センターが実施する国家試験に合格する必要があります。
試験を受けるには、福祉関連の大学や短期大学で指定科目を履修していることが条件となっています。

通学なら1年で精神保健福祉士に！日本福祉教育専門学校

日本福祉教育専門学校では、社会人が働きながらでも学びやすい環境を提供しており、通学課程なら最短1年で精神保健福祉士の国家試験受験資格を取得できます。
特に週2コースも設置されている精神保健福祉士養成学科は、日中の仕事を終えた後でも通学しやすいカリキュラムが組まれています。

経験豊富な講師陣による直接指導や、同じ目標を持つ仲間との交流は、学習のモチベーションを維持する上で大きな支えとなります。
実践的な知識や技術を効率的に学び、短期間での資格取得を目指せる点が大きな魅力です。

国家試験　合格者数全国 No.1

ライフスタイルにあわせたコースを用意。
1年コースで資格取得を目指す昼間部と通信教育部を設置しています。

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社会人が精神保健福祉士になるための方法

精神保健福祉士の国家試験の受験資格を得るための方法の一つに、医療福祉系の専門学校が実施する「精神保健福祉士養成課程」を卒業する方法があります。これは精神保健福祉士になるための知識・スキルを短期間で習得することができる課程です。福祉関連以外の大学出身で精神保健福祉士の仕事に興味を持つ方も、このような課程を修了し国家試験に合格することで、最短で1年で国家資格を得ることができます。日中働きながら資格取得を目指す方には、夜間行われる授業に1年間通う「週2コース」がお勧めです。上記で紹介した夜間学校に通う以外にも、受験資格を得るには通信課程の「一般養成課程」や「短期養成課程」もあります。自分自身に最適な学び方を検討しましょう。

福祉関連の大学を卒業している方

4年制の福祉関連の大学を卒業し、指定科目を履修している方は、国家試験を受験できる条件をすでにクリアしています。短期大学を卒業している方で指定科目を履修している方は、1～2年間の相談援助（福祉施設、医療機関などの指定施設で日常的に悩みを持つ精神障害者の相談に応じること）の実務経験が必要になります。

一般大学・短大を卒業している方

福祉系以外の4年制大学を卒業した方は、一般養成施設等で1年以上学ぶことで受験資格を得られます。
このルートは、社会人から精神保健福祉士を目指す方にとって最も一般的な方法の一つです。
一般養成施設には、夜間通学や通信制など、働きながら学べる多様なコースが設置されています。

短期大学卒業の場合は、卒業した課程が3年制か2年制かによって必要な相談援助実務経験の年数が異なり、それぞれ1年または2年の実務経験を積んだ後に、一般養成施設等で1年以上学ぶ必要があります。

社会福祉士の資格を持っている方

すでに社会福祉士の資格を持っている方は、医療福祉関連の専門学校などにある「精神保健福祉士短期養成課程」で9ヶ月以上学ぶことで受験資格を得ることができます。

実務経験がある方

学歴に関わらず、指定された施設で相談援助の実務経験を4年以上積んだ方は、一般養成施設等で1年以上学ぶことで受験資格を得られます。
このルートは、福祉現場での経験を活かして国家資格取得を目指したい方に適しています。
対象となる実務経験は、児童福祉施設や障害者支援施設、高齢者福祉施設など、法律で定められた幅広い施設での相談援助業務が該当します。

自身の職務経歴が実務経験として認められるかどうかは、事前に社会福祉振興・試験センターに確認することが重要です。

精神保健福祉士の試験内容

精神保健福祉士の国家試験は、年に1度筆記テストの形式で行われます。筆記試験は以下の17科目になります。

（1）精神疾患とその治療
（2）精神保健の課題と支援
（3）精神保健福祉・相談援助の基盤
（4）精神保健福祉の理論と相談援助の展開
（5）精神保健福祉に関する制度とサービス
（6）精神障害者の生活支援システム
（7）人体の構造と機能及び疾病
（8）心理学理論と心理的支援
（9）社会理論と社会システム
（10）現代社会と福祉
（11）地域福祉の理論と方法
（12）福祉行財政と福祉計画
（13）社会保障
（14）障害者に対する支援と障害者自立支援制度
（15）低所得者に対する支援と生活保護制度
（16）保健医療サービス
（17）権利擁護と成年後見制度

参考：公益財団法人社会福祉振興・試験センター「 [精神保健福祉士国家試験]出題基準」

精神保健福祉士国家試験の合格率と難易度

精神保健福祉士国家試験の合格率は、近年70%前後で推移しており、他の福祉系国家資格と比較すると高い水準にあります。
例えば、第26回（令和5年度）試験の合格率は70.4%でした。

ただし、この数字は大学や養成施設で専門的な教育を受けた受験者の合格率であるため、試験の難易度が低いわけではありません。
広範な試験範囲を網羅し、各科目で得点する必要があるため、計画的かつ十分な学習が不可欠です。
適切な準備をすれば、働きながらでも十分に合格を目指せる資格です。

合格に向けた勉強方法

働きながら精神保健福祉士の資格を取得するには、勉強時間をどのようにつくるかがポイントになります。
仕事に行く前の朝の時間や、帰宅してからの時間を有効に使うことが大切で、一日の学習スケジュールを立てると良いでしょう。
出題傾向を学ぶには過去の問題集を解くことをおすすめします。精神保健福祉士の試験では、過去に出た問題と類似した問題がよく出題されますので、過去の問題集を解いて効率良く勉強しましょう。

精神保健福祉士のやりがいと魅力

精神保健福祉士の最大のやりがいは、精神的な困難を抱える人々が自信を取り戻し、その人らしい生活を再び築いていく過程に深く関われることです。
相談者との信頼関係を築き、共に課題を乗り越え、回復していく姿を間近で支えられることは、大きな喜びと達成感につながります。

また、医師や看護師、作業療法士など多職種と連携するチームの一員として、専門性を発揮できる点も魅力です。
一人ひとりの人生に寄り添い、社会復帰という目標に向けて貢献できる、社会的意義の大きい仕事です。

精神保健福祉士の給料・年収

精神保健福祉士の給料・年収は、勤務先の種類や規模、経験年数、地域などによって異なりますが、一般的には300万円から400万円程度が目安とされています。国立の医療機関や行政機関に公務員として勤務する場合は、給与水準が比較的安定しています。

民間のクリニックや福祉施設では、経験や役職に応じて昇給が見込めるほか、資格手当が支給されることもあります。管理職へのキャリアアップや、社会福祉士などの関連資格を取得することで、さらなる年収向上が期待できる職種です。

ライフスタイルに合わせて選べる精神保健福祉士養成コース

社会人として働きながら精神保健福祉士を目指す方法について紹介してきましたが、働きながら勉強のモチベーションを維持することは大変なことです。精神保健福祉士養成に実績のある日本福祉教育専門学校では、社会人を対象とした1年制の課程（週4コース・週1コース・週2コース）を提供しています。長年の指導経験で培ったノウハウを凝縮した、短期間で国家試験に合格するためのカリキュラムで、多くの合格者を輩出しています。また、実際に通学することが難しい方にも通信課程を提供しています。1年7ヶ月かけて学ぶ「一般養成通信課程」や、社会福祉士資格を有している方向けに9ヶ月で修了できる「短期養成通信課程」もあり、たくさんの修了生を輩出しています。通信課程については、一般養成通信課程、短期養成通信課程をご覧ください。