【児童分野スペシャル・卒業生座談会】子どもと家族を支える社会福祉士~3人の卒業生に聞く、児童福祉の仕事~|社会福祉士
こんにちは!日本福祉教育専門学校です。
9月27日(日)、児童分野をテーマにしたスペシャルオープンキャンパスを開催しました。
今回のテーマは、「子どもと家族を支える社会福祉士」。
児童相談所、母子生活支援施設、障害児入所施設で働く3人の卒業生が登壇し、それぞれの仕事や支援の現場についてお話ししました。
「児童福祉の仕事」と一言でいっても、支援する対象や役割はさまざまです。
今回は、3人の卒業生の話を通して、児童分野で働く社会福祉士の仕事についてご紹介します。
児童分野で働く社会福祉士の仕事とは?
最初に、秋山先生から児童分野についての説明がありました。
児童養護施設、母子生活支援施設、障害児入所施設、児童相談所など、子どもに関わる仕事にはさまざまな場所があります。
一方で、実際に子どもや家族が抱えている困難は、「子どもの問題」だけではありません。
貧困、障害、家族関係、精神疾患、生活上の困難など、さまざまな課題が重なっている場合もあります。
そのため、児童分野で働く社会福祉士には、子どもだけを見るのではなく、家族や生活環境、関係機関なども含めて、幅広く捉える視点が求められます。
今回登壇した卒業生たちも、それぞれの現場で、子どもや家族を取り巻くさまざまな課題と向き合っていました。
障害児入所施設で働く卒業生
最初にお話ししてくれたのは、障害児入所施設で働く卒業生です。
大学卒業後、すぐに本校へ入学。以前から「児童に関わる仕事がしたい」という思いがあり、障害児入所施設で働く道を選びました。
現在働いている施設では、知的障害のある5歳から18歳までの子どもたちが生活しています。
施設では、朝食の準備や身支度、掃除、通学の支援、学校への送迎、食事や歯磨きの支援など、子どもたちの生活を幅広く支えています。
また、生活支援だけではありません。
記録の作成や支出管理、イベントの企画、子ども支援会議など、施設運営に関わる業務もあります。
子どもたちが成長し、18歳を迎えるころには、就労や地域生活への移行を見据えた支援も行います。
「人の一生に深く携わる仕事だと感じています」
障害児入所施設での仕事について、そう話していました。
子ども一人ひとりに合わせた支援
座談会では、実際に関わった子どもたちの例も紹介されました。
施設で長く生活してきたことで、大人に過度な期待をしなくなった子。
一方で、興味の対象が次々と移り、気持ちをうまくコントロールできず、周囲との間で困りごとが起こってしまう子。
子どもたちの抱える困難は一人ひとり異なります。
だからこそ、子どもの行動だけを見るのではなく、「なぜこのような行動が起きているのか」「この子にとって何が必要なのか」を考えながら支援することが大切です。
子どもたちの感情に振り回されることなく、まっすぐ向き合い続けることで、信頼関係を築いていくことの大切さについても話してくれました。
また、子どもとの距離が近くなりすぎないことも、支援者として大切なこと。
「仕事だから」という姿勢だけでも、個人的な感情を抱え込みすぎても、良い支援にはつながりません。
子どもとの信頼関係を築きながら、専門職として適切な距離を保つこと。
それも、現場で働く社会福祉士に求められる大切な視点の一つです。
児童相談所で働く卒業生
続いてお話ししてくれたのは、今年4月から児童相談所で児童福祉司として働いている卒業生です。
大学卒業後、百貨店に勤務。その後、育児を経験する中で自身も支援を受けた経験があり、「今度は誰かを支える側になりたい」と思ったことをきっかけに本校へ入学しました。
福祉職としては未経験からのスタートでした。
現在は、児童相談所で通告や相談を受けたケースのケースワークを担当しています。
そのほかにも、入所中の子どもの家庭環境の調整、保護者との連絡調整、里親に関する業務など、さまざまな仕事に携わっています。
「安全」を確認するところから始まる
児童相談所の仕事について、ケース例を交えながら説明しました。
例えば、学校から「子どもにあざがあり、本人が父親から叩かれたと話している」という通告が入った場合。
まず考えるのは、「今、この子は安全なのか」ということです。
通告を受けた段階では、まだすべての情報が分かっているわけではありません。
子どもの話を聞き、学校から情報を得たり、市区町村への相談履歴などを確認したりしながら、一つひとつ情報を集めていきます。
そのうえで、緊急性や危険性を考え、今後どのような対応が必要なのかを組織として検討します。
学校で話を聞くのか、家庭訪問をするのか、一時保護を検討するのか。
ケースによって対応は異なります。
そして、事実を確認するだけではなく、「子ども自身はどう感じているのか」「これからどうなりたいのか」という本人の思いを聞くことも大切です。
子どもの「小さな願い」に耳を傾ける
印象に残っている出来事として、入所中の子どもに「どうなったらいいと思う?」と尋ねたときのエピソードも紹介されました。
その子が口にしたのは、
「電話ぐらいはできるようになったらいいな」
という言葉でした。
子どもが望んでいることは、必ずしも大きなことばかりではありません。
その子が何を望んでいるのか。
その子にとって何が良いのか。
一つひとつの言葉を聞きながら、その子に必要な支援を考え続けること。
それも児童相談所でのケースワークの一つなのだと、話してくれました。
母子生活支援施設で働く卒業生
3人目の卒業生からは、母子生活支援施設について紹介していただきました。
母子生活支援施設は、児童福祉法に位置付けられた施設です。
母親と子どもが一緒に生活しながら、生活の立て直しを支援するという特徴があります。
DV被害、経済的な困窮、養育上の困難など、さまざまな課題を抱えた母子が利用しています。
DV被害を受けた方が入所する場合には、安全を守るために施設の所在地を公開しない「秘匿」の施設となっている場合もあります。
そのため、児童養護施設などと比べると、一般にはあまり知られていない施設かもしれません。
生活を立て直すための支援
卒業生が働く施設では、20世帯ほどが生活できる環境が用意されています。
福祉事務所などから相談を受け、面接などを行ったうえで入所につなげ、その後の生活を支援していきます。
支援の内容は、DV被害への対応だけではありません。
行政手続きの支援、心理相談、経済的な課題への対応、就労に向けた支援、子どもの養育に関する支援など、一人ひとりの状況に合わせてさまざまな支援を行います。
例えば、パートナーから離れたことで経済的に困窮している場合には、生活を立て直し、新たな生活に移行するための支援を行います。
また、精神的な不調などによって一時的に子どもの養育が難しい場合には、必要なサービスや医療機関などと連携しながら、母子が再び一緒に生活できるよう支援します。
生活の場そのものを支える施設だからこそ、利用者との日常的なコミュニケーションも重要です。
「どう対応すればいいか」を学んだことが現場で生きている
卒業生は、本校で学んだこととして、利用者との面接やコミュニケーションの技術を挙げました。
実際の現場では、利用者から突然呼ばれたり、強い感情をぶつけられたりすることもあります。
そのような場面でも、相手の状態を捉えながら、どう対応すればよいのかを考える。
そして、自分自身の安全も守りながら支援する。
学校で学んだ知識や技術が、現場で実際に役立っていることを、具体的な経験を交えて話してくれました。
「児童分野」だけを見ていては、子どもの支援はできない
3人の卒業生の話を受け、教員からは「児童分野で働く社会福祉士に必要な視点」についても話がありました。
児童養護施設、母子生活支援施設、障害児入所施設、児童相談所。
それぞれ支援の場所は違いますが、子どもたちが抱えている課題の背景には、貧困、障害、家族関係、精神疾患など、さまざまな問題が関係しています。
そのため、児童分野で働くからといって、子どものことだけを学べばよいわけではありません。
家族の生活を支えるためには、福祉事務所などの行政機関との連携が必要になることもあります。
障害のある子どもであれば、障害福祉サービスについての知識が必要になることもあります。
保護者に精神疾患があれば、医療や精神保健福祉の知識も関係してきます。
つまり、社会福祉士には、一つの分野だけではなく、さまざまな制度や支援、専門職、関係機関をつなぎながら、その人を取り巻く環境全体を捉える力が求められます。
学校で学んだことは、卒業してからもつながっていく
座談会では、卒業生たちに学校生活についても聞きました。
「勉強は大変だったけれど、いろいろな年代や経歴の人と学べたことが刺激になった」
「子育てをしながらの学校生活は大変だったが、同級生に支えてもらった」
「授業だけでなく、卒業後も勉強会や研修の情報を共有している」
それぞれの言葉からは、1年間の学校生活で得られるものが、資格や知識だけではないことが伝わってきました。
異なる経験を持つ人たちと一緒に学び、意見を交わし、悩みを共有する。
そうしてできたつながりが、卒業後も福祉の仕事を続けていくうえで支えになっているそうです。
入学時点で「児童分野」と決めていなくても大丈夫
座談会の最後には、「入学時から児童分野を目指していたのか」という質問も。
卒業生からは、入学した時点では進みたい分野がはっきり決まっていなかったという話もありました。
授業を受けたり、さまざまな分野の教員から話を聞いたり、施設について知ったりする中で、「自分はこの分野に興味がある」と少しずつ見つけていったそうです。
社会福祉には、児童、高齢、障害、医療、地域、行政など、さまざまな活躍の場があります。
最初から一つに決めるのではなく、学びながら自分の進みたい方向を考えていく。
そんな選択肢もあります。
「最初から自信がなくてもいい」
今回の座談会では、3人の卒業生それぞれの経験を通して、児童分野で働く社会福祉士の仕事を知ることができました。
未経験から児童相談所で働き始めた卒業生。
障害のある子どもたちの日々の生活を支える卒業生。
母子が生活を立て直していく過程に寄り添う卒業生。
働く場所や仕事内容は違っても、共通していたのは、目の前にいる子どもや家族の生活を支え、その人にとって必要な支援を考え続けていることでした。
最後に、児童相談所で働く卒業生から、これから入学を考えている方へこんなメッセージがありました。
「最初から自信がなくてもいいですし、絶対に福祉の仕事に就くと決めていなくてもいいと思います」
学校生活への不安や、これからの進路への迷い。
そうした気持ちを抱えながらでも、一歩踏み出してみる。
今回の卒業生座談会は、そんな卒業生たちのリアルな経験を通して、社会福祉士という仕事と、児童分野で働くということについて考える機会となりました。
日本福祉教育専門学校では、社会福祉士を目指す方に向けて、さまざまな学びの機会を用意しています。
「子どもに関わる仕事がしたい」
「児童福祉の現場についてもっと知りたい」
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そんな方は、ぜひオープンキャンパスに是非お越しください!
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