2021年

2021/11/15

精神疾患

冬は気分が落ち込みがち・・・”冬季うつ病の特徴”とは

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。   うつ病は気分の落ち込みが特徴的な心の病です。 朝起きた直後に一番気持ちが冴えずに夕方になると少し気持ちが軽くなる「メランコリー型うつ病」や、気持ちの落ち込みに対する自覚が少なく頭痛や腹痛などの体の症状が目立つ「仮面うつ病」など、ひと言でうつ病といっても色々なタイプがあります。   うつ病の中でも最も季節性と深く関わっているものが「冬季うつ病」です。 今回はこれからの季節に起こりやすい冬季うつ病についてご説明します。   1、「冬季うつ病」と「うつ病」との違い   【うつ病】 おもな症状 ・気持ちが落ち込む ・憂鬱になる ・やる気が出ない ・何事も楽しめない ・人と会ったり話したりするのも面倒だ ・頭がさえない ・不眠や過眠 ・食欲低下   おもな原因  ・過度なストレスや環境の変化 ・まじめな性格 ・脳の機能異常?   【冬季うつ病】 おもな症状 ・気持ちが落ち込む ・今まで楽しんできたことが楽しめない ・ぐったりして疲れやすい ・活動量の低下 ・眠気が強く、睡眠時間が長くなる ・食欲の亢進、とくに甘いものが欲しくなる   おもな原因 ・セロトニン不足?=日照時間と関係 「うつ病」と「冬季うつ病」とのわかりやすい違いは、過眠と過食です。 通常のうつ病では、不眠や食欲の低下なども症状にあらわれますが、冬季うつ病ではおもに寝すぎや食べ過ぎになるのが特徴的です。   気分の落ち込みなどのおもな症状にはほとんど差はありませんが、冬季うつ病は冬という季節柄と20~30代の女性に多いとも言われていて、さらに一度発症すると毎年繰り返すともいわれています。   2、冬を元気に乗り越えるための予防法とは     先述の通り、「冬季うつ病」のおもな原因はセロトニン不足によるうつ症状です。 日照量の不足によって、脳内にどのような変化か起こりうつ病になるのかはまだはっきりと解明されていませんが、日光とセロトニンの関係が原因ではないかと言われています。     【すぐに取り組める冬季うつ病の予防法は?】   ☑積極的に日光を浴びる ・朝はお日様が出てくる頃に起きて、カーテンを開けてしっかりと日光浴をしましょう。 ・なるべく早寝早起きを心がけて、冬の少ない日照時間でもできるかぎりお日様を浴びるようにしましょう。 ・昼間はできるだけ外出して、セロトニン不足を解消するようにしましょう。     ☑適度に運動をする ・軽めの運動をすることで、イライラや気分の落ち込みがスッキリする効果があるので、ウォーキングやランニングがおすすめです。 ・忙しくて運動をする時間がない人は、一駅分歩いてみたり、なるべく階段を使うなどして日常生活で体を動かすようにしてみましょう。   ☑タンパク質や青魚を食べよう ・肉、魚、大豆製品などに含まれるタンパク質には、セロトニンを作るための栄養素が多く含まれています。なかでも、イワシやサバなど青魚の脂にはセロトニンを活性化させる作用があるので、積極的に摂取しましょう。   冬季うつ病の最大の特徴は、その名の通りうつ症状が冬季に限定されてあらわれる点です。 日が短くなる秋から冬にかけてうつ傾向が強まり、春になると自然とうつ状態から回復し て元気になるという季節性があります。 これからの時期がまさに冬季うつ病になりやすい季節になります。   もし毎年つらい思いをしている場合には、いちど医療機関で診察してみるのもいいと思い ます。どうぞひとりで苦しまないでください。

2021/09/16

精神疾患

コロナ禍での子どもたちのこころ

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。   新型コロナウイルスの感染が子どもたちにも増える中、夏休み明けの新学期がはじまりました。学校現場では感染対策と子どもたちの学びの両立を図ろうと分散登校やオンライン授業など苦心しています。   文部科学省の発表では、2020年(令和2年)に自殺した小中学生は過去最多の497人にのぼり、夏休み明けの8月は前年同月の2倍超と突出しているという分析結果でした。 <過去5年間における児童生徒の自殺者数> 2016年:289人 2017年:315人 2018年:333人 2019年:339人 2020年:497人 ←コロナ禍となった年       子どもたちの現状   新型コロナウイルス感染症が発生してから、時間軸で子どもたちの現状やこころの揺れを振り返ってみます。   2020年3月~5月頃 休校/緊急事態宣言 (*イライラ)           ↓ 2020年6月~7月頃 学校再開  (*不安)           ↓ 2020年9月~10月頃 夏休み短縮で2学期へ           ↓ 2020年11月~12月頃 新しい生活様式/行事の縮小中止/部活の制限 (*無気力)           ↓ 2021年2~3月頃  学期末 (*うつ傾向も)   2020年初春の突然の長期臨時休校以降、さまざまな側面で「新しい生活様式」で子どもたちの生活は変化しています。 国立成育医療研究センターの調査では、『就寝時間の乱れ』・『スクリーンタイム(テレビ・ゲーム・スマホ)の増加』・『食生活の乱れ』・『対人関係の変化』などに変化があったと報告されています。これらの影響でストレス症状の頻度が増加して、思春期世代ではうつ症状を抱えた生徒が増えているようです。コロナ禍において、子どもたちの心の健康への影響は日本だけでなく世界中で指摘されています。 小中高生の自殺と命のSOS   2021年上半期の子どもの自殺は、過去最高だった2020年上半期を上回るペースで起きています。2021年6月に、厚生労働大臣指定法人いのちを支える自殺対策推進センターが公表した調査結果によると、ネット上で『学校 行きたくない』というワードの検索数が増加したあと、子どもの自殺者が増加したという関連性が判明しました。   増加の背景には、先述の国立成育医療研究センターの調査(思春期のうつ症状の重症度尺度PHQ-A)によって、4人に1人の子どもが中程度以上のうつ症状が見られたということがあります。 さらに、2021年上半期の小中高生の自殺者も昨年を上回る水準で推移していることもわかっています。まさに、『学校に行くたくないは命に関わるSOS』ともいえるでしょう。   子どもたちと接するときに   子どもたちもどうしていいかわからないのです。 周囲の人や大人に相談するのは、けっこう大変なことなのです。 だからこそ子どもと接するとき大切なことを4つお伝えします。 悩みに気づくこと 相談先がわかること 反応を受け止めること 言葉にして相談すること 話は聞くときには、「もう少し教えて」「それってつらいね」 「それってどんな感じなの?」「そういうとき、どうしてるの?」と声かけたり、 心配をかけてもいいことを伝えたり、声をかけてほしいポイントを伝えることも大切です。 「しんどくなる前に連絡してもいいんだよ。」と子どもが相談できるところを伝えておくこともよいでしょう。 そして、もし「死にたい」と言われたら…。 驚いたり、不安になってしまうかもしれませんが、周囲は落ち着いて対応することが大切です。 <TALKの原則> Tell    心配していることを言葉にして伝える Ask    「死にたい」という気持ちについて率直に尋ねる Listen   「死にたいほどつらい」という絶望的な相手の気持ちを傾聴する Keep safe  危ないと思ったら、まず本人の安全を確保する   コロナ禍での新しい生活様式は大人だけでなく、子どもたちにも大きなストレスとなりこころや身体に影響を及ぼしています。 定期的に話しをすること、そして相談を受ける支援者も一人で抱え込まないようにすることも重要です。 必要に応じては、精神科医、精神保健福祉士、心理士など専門家に相談することが命を守ることにも繋がります。 まだまだ先の見えないコロナ禍での日常ですが、子どもたちのSOSを見逃さず、命の大切さも伝えていきたいですね。

2021/07/01

精神疾患

コロナ禍で増えるアルコール依存症!セルフチェックしてみよう

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。   厚生労働省の調査では、国内のアルコール依存症の方は109万人と推測されていますが、実際には通院しておらず危険飲酒をしている人が約100万人いるともいわれており、さらにはアルコール依存症予備軍となると800万人以上とも言われています。   しかし、いま、コロナ禍のなかでこのアルコール依存症の方がさらに増えているようです。 今回はコロナ禍で深刻化するアルコール依存症の問題についてご説明します。   1.なぜ、コロナ禍ではアルコール依存症が増加するのか?   国税庁のデータでは、2019年に比べると2020年、2021年はアルコールの消費量が減っています。飲酒量が減っているということになりますが、これはおそらく「外飲み」が減ったのだと推測されます。新型コロナウイルス感染症拡大で飲食店の多くが営業自粛や短縮をし、外飲みをする機会が大幅に減少したのでしょう。   一方で、コロナ禍によって失業したり、リモートワークとなったり生活の変化が原因でストレスが溜まりいわゆる「家飲み」で大量飲酒に走ってしまうケースも増えているようです。   「家飲み」では、終電の時間を気にせずに飲み続けてたり、自宅で一人で飲んでいる場合には周りに注意してくれる人がいないのでブレーキが利かずいくらでも飲んでそのまま寝落ちるなどまさにオンオフのないお酒の飲み方になってしまうなどがあり、アルコール依存症の危険が隠れているのです。   2.アルコール依存症とは?   アルコール依存とは、お酒の飲む量や状況、タイミングを自分でコントロールできなくなった状態のことです。 病気ではなく、心が弱いとか性格の問題とか思われがちですが、アルコール依存は本人の意思の弱さによって起こるものではなく、医療機関での治療が必要な精神疾患の枠組みにある病気なのです。 そして、アルコール依存症では2つの依存症状があります。   ①精神依存の症状 ・お酒への強い欲求が起こって飲まないと落ち着かずに不安になる。 ・飲みはじめると適量で抑えられない。 ・記憶をなくすほど飲んでしまう。 ・お酒がないと家中を探し回ったり、夜中でも買いに行く。 ・もう飲まないと決めても、また再び飲んでします。 ・飲んだ次の日はつらく、でもまた朝からお酒を飲むことがある。    ②身体依存の症状 ・お酒を飲まないと手や体が震えるようになったり、逆に飲むと収まる。 ・飲んでいないと大量に汗をかいたり、動悸が激しくなる。 ・飲酒をやめると1~2日後に痙攣、寝汗、吐き気、嘔吐などの症状が出る。 ・飲酒していないと幻聴や幻覚があらわれる。   3.あなたは大丈夫?アルコール依存症の危険度をチェックしてみましょう!   日本で最大のアルコール依存症治療機関である久里浜医療センターの『KAST(久里浜式アルコール症スクリーニングテスト』でセルフチェックしてみましょう。   Q1、アルコールを飲む頻度は?    飲まない  0点    月1回以下 1点    月2~4回 2点    週2~3回 3点    週4回以上 4点   Q2、ふだん1日にビール(500㎖)を何本飲む?(日本酒1合/ハイボール350㎖)    0.5~1本  0点    1.5~2本  1点    2.5~3本  2点    3.5~4.5本 3点    5本以上  4点   Q3、ビール(500㎖)を飲む頻度は?    なし    0点    月1回未満 1点    月に1回  2点    週に1回  3点    ほぼ毎日  4点   ここまでの合計が6点以上の場合、アルコール依存が疑われます。   男性5点 女性3点以下 → 上手にお付き合いできています。 男性6点 女性4点以上 → 問題飲酒の可能性あり   アルコール依存症は、肝障害・食道静脈瘤・アルコール膵炎・アルコール心筋症・ウェルニッケ脳炎・アルコール小脳変性症のほか、うつ病・パニック障害・不安障害なども合併している起こることがあります。   最近では、今までほとんどの飲まなかったり飲めなかったりした人が飲みはじめたり、女性や高齢者でもアルコール依存症が増加する傾向があるようです。   アルコール依存症を知り、この機会にみなさんもお酒との上手なつきあい方や向き合い方について考えていただく一助になれれば幸いです。

2021/06/02

精神疾患

双極性障害とうつ病の違い

世界的には100人に1人にかかるといわれている双極性障害とはいったいどのような病気なのでしょうか。 ここでは、「双極性障害について」や「うつ病との違い」についてわかりやすく説明します。 1、双極性障害とは   双極性障害は、躁状態または軽躁状態とうつ状態とを反復する精神疾患で、気分障害のひとつです。「躁うつ障害」と呼称される場合もあります。 躁状態による問題行動や、うつ状態によって社会生活の障害を引き起こすこともあるため、自殺率の高い病気として知られています。 発症年齢は双極Ⅰ型障害が平均18歳、双極Ⅱ型障害は20代半ばとされています。   2、双極性障害の原因   双極性障害の原因は明らかになっていません。 一方で、うつ病と比較して遺伝的な要素の影響が大きいと言われています。 遺伝的背景に加えて、性格・過労・心理的葛藤・身体疾病・社会的要因などのストレスが加わって発症するとも言われています。   3、双極性障害のおもな症状   双極性障害では、躁状態とうつ状態の症状が反復します。   ①躁状態の症状  ・気分が高まって元気になった気がする  ・あまり眠らなくても元気  ・急に偉くなったような気になる  ・なんでもできる気になる  ・怒りっぽくなる  ・すぐに気が散る  ・じっとしていられない  ・浪費             など   ②うつ状態の症状  ・気分が落ち込む  ・寝てばかりいる  ・やる気が起きない  ・楽しめない  ・疲れやすい  ・なんにも手につかない  ・決断力がなくなる  ・死にたくなる  ・食欲がなくなる        など      4、双極性障害とうつ病の違い   双極性障害は、一般的には「躁うつ病」という名前で知られています。 その名前から「うつ病」と似ているように思われますが、両者はまったく違う病気です。 うつ病は単極性うつ病とも呼ばれ、気分の落ち込み、やる気の喪失、不眠などのうつ症状だけがみられますが、双極性障害はうつ状態と躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気です。 2つの病気は似ているようですが、治療薬も異なります。 多くの双極性障害の患者様はうつ状態で受診しますが、その後、躁状態を発症してはじめて双極性障害と診断されるケースがあります。 5、双極性障害の治療   双極性障害は再発率が90%と高く、慢性の経過をたどることが多い病気です。 医師は全体の経過を把握して、その時点の病相にとらわれず治療計画を立てることや、その患者様の病気について理解することが必要です。 薬物療法としては、気分安定薬の使用が中心となります。抑うつ状態が重篤である場合には、抗うつ薬が使用される場合があります。 先述の通り、再発率が高いため、気分安定薬の使用による維持療法が重要です。   双極性障害の治療でもっとも重要なことは再発を予防することです。 以前の発症時にどんなことがストレスの原因になったのか、家族や周囲の人にも相談したり振り返ったりしましょう。 もし再発の初期徴候があらわれたと思ったら、早めに主治医に相談することが大切です。

2021/05/28

精神疾患

深田恭子さんも公表した「適応障害」とは?

こんにちは。日本福祉教育専門学校です。   みなさん、「適応障害」をご存じですか? 名称をよく聞くようになりましたが、昨今、女優の深田恭子さんも所属事務所から「適応障害」で休業することが発表されました。 今回は、「適応障害」についてご紹介します。   1、「適応障害」とは?   適応障害は、精神疾患の定義や症状で参照されるアメリカ精神医学会DMS-5では、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害などと同じグループに類別されています。 つまり、適応障害とは何らかのストレスを原因とする精神疾患であることはわかります。   自分に降りかかった出来事や現在置かれている状況から強いストレスを受けて、そのせいで気持ちの落ち込みや焦燥感や不眠などのさまざまな症状が現れる精神疾患です。   原因となっているストレスが解消されると症状が治まることも多い一方で、5年後に40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されている事実もあり、適応障害は重篤な病気の前段階の可能性もあると言えます。   2、「適応障害」の診断基準   アメリカ精神医学会DSM-5における適応障害の診断基準で見ると以下のようになります。   ①ストレスの原因が明確である。 ②ストレスの原因となることが起きて3ヵ月以内に症状が出現している。 ③ストレスの原因となることに不相応なレベルの症状や苦痛がある。 ④社会的、職業的など生活面で重大な機能障害がある。   このようにストレスが原因であることが明確であり、他の精神疾患では説明がつかない、 またストレスの原因がなくなった場合には、その症状は6ヶ月以上続かないとされています。     3、「適応障害」の症状   適応障害の症状は人によって現れ方は異なりますが、心・体・行動の変化として、 以下のような症状が見られます。   ①心に現れる症状  ・焦燥感  ・不安感  ・憂鬱さ  ・怒り  ・判断力や思考力の低下 など   ②体に現れる症状 ・眠れない ・手が震える ・汗をかく ・ドキドキする ・頭痛 ・めまい ・食欲不振 など   ③行動に現れる症状  ・人と会うのを避ける  ・電話に出られない  ・遅刻や無断欠席が増える  ・暴飲暴食  ・食事が摂れない  ・喧嘩 など   4、うつ病との違い   うつ病との違いはストレスの原因から離れると症状が改善することです。 適応障害の場合には、ストレスの原因から離れると普段通りの生活を送ることができる人が多くいます。 たとえば、仕事でストレスがありそれが原因となっている場合には、仕事にいこうとすると症状が現れ、家族や友人とでかけたり遊びにいくときには症状がなくなったりします。 これが適応障害の症状であり、心の甘えなどによるものではありません。 それに対してうつ病は、環境が変わっても気分は晴れず、持続的に憂鬱な気分が続き、何も楽しめなくなります。これが適応障害とうつ病の違いです。   5、適応障害になりやすい4つケース   ここでは職場(仕事)がストレスの原因となっていることを想定して、4つのケースを述べます。   ①一生懸命働いているけれど、仕事の量が多く、休めない。 ②自分のペースで仕事ができない。 ③仕事の内容が、自分の性格や能力に合っていない。 ④職場の人間関係がよくない。   具体的には、「勤務時間が超過している」、「勤務中だけでなく休日や常に仕事のことばかり考えている」、「自分の持つ知識や技術が活かせずやりがいを感じられかったりする」、「困ったことを相談できない」などの環境にあると適応障害になりやすいのです。 6、適応障害の治療方法   先述の通り、適応障害は仕事や日常生活上の悩みによる強いストレスが原因ですので、まずそのストレスの原因となることから離れると症状は次第に改善に向かうことが多いです。   適応障害と診断された場合には、下記のような治療法が考えられます。 治療には個人差がありますので、精神科や心療内科を受診して、自分にあった治療法をアドバイスしてもらうことをおすすめします。   ①原因となっているストレッサーの除去 ・仕事が原因であれば、就業環境を変えたり、業務量を調整、もしくは転職や休業する。 ・人間関係が原因であれば、その人と距離を置く。   ②ストレッサーへの適応力を高める ・ストレス解消法を見つける ・認知行動療法   ③十分な睡眠と休養   ④服薬(薬物療法)   「適応障害」について理解を深めていただく一助になったでしょうか。   現代はストレス社会であり、さらに新型コロナの流行で社会生活が大きく変化し、心が疲れてしまうことも増えてしまっているのかもしれません。 心の健康も早めに対処することで予防につながります。 気持ちが落ち込んだり、イライラする気持ちが募る、よく眠れない、食欲がない、今まで楽しかったことが楽しく感じられないなど、心の疲れを感じたら一人で悩ます、ストレスを抱え込まず、早めに周りの人に相談したり、医療機関を受診することが有効です。 また、適切な休暇を取ったり、気分転換を心がけてリスレッシュ、自分の心と身体を大事にしましょう。 深田恭子さんもまたしっかり休業されて、心を休め、笑顔でご活躍されることを楽しみにしたいと思います。   >心に寄り添う仕事「精神保健福祉士」について こちら

2021/05/21

精神疾患

田村淳さんも公表した「HSP」とは?

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。 みなさん、「HSP」をご存じですか? お笑いタレントだけでなく、作家や経営者などさまざま分野で才能を発揮しており、2021年3月には慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科修士課程を修了したロンドンブーツ1号2号の田村淳さんも、昨年、SNSでご自身が「HSP」であることを公表しました。 今回は、5人に1人はいると言われているHSPについてご紹介します。 1、HSPとは? HSPは、英語ではHighiy Sensitive Person(ハイリ―・センシティブ・パーソン)といい、「ひといちばん繊細な人」という意味です。この頭文字を取って「HSP(エイチエスピー)」と言います。 これは1990年代のはじめに繊細な人について研究していたエレイン・アーロン博士によって付けられた「人の気質」を表す名称です。 アーロン博士によると、先述の通り、5人に1人、人口の20%がHSPだと言います。 「繊細さ」は生きるものすべてが生存本能「生き残るための戦略のひとつ」であると考えられています。 2、HSPの特徴 HSPの方は、周囲の状況にとても敏感です。この気質を持つ方は職場や家庭などの中で気疲れしやすく、生きづらく感じている方も多いのです。 アーロン博士によると、HSPには「DOES(ダス)」と名付けた4つの特性があるそうです。 【 Depth of processing 】 考え方が複雑で、深く考えてから行動する ①一を聞いて、十のことを想像して、考えられる。 ②調べ物をはじめると深く掘り下げ、その知識の広さを周囲に驚かれる。 ③お世辞をすぐに見抜いてしまう。 ④物事を始めるまでにあれこれ考え、時間がかかる。 ⑤その場限りの快楽よりも、生き方や哲学的なものごとに興味があり、浅い人間や話しが嫌い。 【 Overstimulation 】 刺激に敏感で疲れやすい ①人混みや大きな音が苦手 ②友達との時間が楽しいものの、気疲れしやすく帰宅すると、どっと疲れる。 ③映画や音楽、本などの芸術作品にとても感動して、泣きやすい。 ④人の些細な言葉に傷つき、いつまでも忘れられない。 ⑤繊細なことに過剰なほどの驚いてしまう。 【 Empathy and emotional responsiveness 】 人の気持ちに振り回されやすく、共感しやすい ①人が怒られていると自分のことのように感じて、傷ついたり、お腹が痛くなったりする。 ②悲しい映画や本などの登場人物に感情移入し、号泣したりする。 ③人のちょっとした仕草、目線、声音などに敏感で、機嫌や思っていることがわかる。 ④幼児や動物の気持ちも察することができる。 【 Sensitivity to subtleties 】 あらゆる感覚がするどい ①電化製品の機械音や時計の針の音が気になってしまう。 ②強い光や日光のまぶしさなどが苦手 ③近くにいる人の口臭やたばこの臭いで気分が悪くなってしまう。 ④カフェインや添加物に敏感に反応してしまう。 ⑤肌着のタグやチクチクする素材が気になってしまう。 ⑥第六感がはたらき、よく当たる。 このほかにも、絶対に一人の時間は必要な人や、子どもの頃に親や先生に「繊細」「人見知り」と言われる人もHSPの可能性が高いでしょう。 でも、この4つのうちに1つでも当てはまらない人はHSPではないと定義されています。   3、HSPのセルフチェック HSPは病気ではなく、生まれ持った「気質」です。 その人が生まれながらに持っている感受性や気分の傾向などを指す心の特徴で、環境などに影響される性格と違って後天的に変えることはできません。 また、発達障害、うつ病、アスペルガー症候群とも違います。でもどこか似たような特徴が現れるため、誤解されやすいのです。 うつ病によく見られる「眠れない」「疲れやすい」「気分が落ち込む」「自信が持てない」などの特徴はHSPにも見られますが、うつ病と違うのは「自殺願望」があるかということです。 また、うつ病は、以前は違ったのに物事の感じ方が変わって、落ち込むやすくなったりしますが、HSPは生まれつきの気質のため、“以前”が存在しないのも、うつ病との違いと言えるでしょう。 HSPについては、「日本版HSP尺度(HSPS-J19)を参考に、セルフチェックをしてみましょう。 何個以上だとHSPという線引きではなく、項目に当てはまるのがHSPという目安のチェックリストです。 《HSP目安チェックリスト》  ●大きな音や雑然とした光景のような強い刺激が不快で、煩わしいと感じる。  ●忙しい日々が続くと、暗い部屋やベッドなどのプライバシーが得られる場所に逃げ込みたくなる。  ●他人の気分に左右される。  ●短時間でしなければならないことが多いと、気が動転してしまう。  ●生活や環境に変化があると混乱する。  ●子どものころ、親や教師から「内気だ」や「敏感だ」と、見られていた。  ●美術や音楽、芸術に深く感動する。  ●繊細な香りや味、音や音楽が好き。  ●一度にたくさんのことを頼まれるとイライラする。  ●ビクッとしやすい。 HSPは気質であり病気ではありませんが、うつ病になりやすい傾向があります。 「自己肯定感が低い」「他人に共感しやすい」「疲れやすい」などHSPの方がうつ病になりやすい傾向があります。 うつ病は早期発見が早期回復に繋がりますので、鬱っぽい症状が続いたときには、精神科や心療内科に相談することが大切です。 4、HSPの生きづらさ対処法 HSPの人たりが生きづらさを感じる理由には五感が鋭いという面もありますが、なにより社会で多数派の方に合わさざるを得ないことがあります。 HSPの生きづらさの対処法について5つご紹介します。  1、HSPの特性を自分でも正しく理解する。  2、HSPの人が自分を知ることはもちろん、HSPでない人にわかってもらうことも大切。(わかりやすく具体的に伝えてみること)  3、情報量をコントロールする。  4、環境を選び、心地よさを大切にする。  5、HSPだからこそできる得意分野を持つ。 HSPについて理解を深めていただく一助となったでしょうか。 HSPの研究の研究が進んでいないときには、心配症との違いが解明できておらず、周囲から「気にし過ぎじゃない?」・「よくそんなことまで気がつくね!」・「心配し過ぎじゃない?」と言われることもしばしばあったでしょう。 HSPという言葉が浸透するまでは、「心配性」・「内気」・「引っ込み思案」という言葉で代用されてきました。 社会にはさまざまな人がいて、多様性が溢れています。 HSPを公表した田村淳さんもインタビューで『潔癖症ではなくHSPだとわかってスッキリした。 公表するかどうかはもちろん自由だけど、僕の場合は周りに伝えてよかった。』とお話しされていました。 HSPの人も、そうでない人も、他者を認めて、謙虚な気持ちで思いやりを持って日常生活を過ごすことができる素敵な社会にしていきたいですね。 >心に寄り添う仕事「精神保健福祉士」について こちら

2021/05/14

精神疾患

東日本大震災後も多くみられた「PTSD」とは?

PTSD(心的外傷後ストレス障害)をご存知でしょうか? 今回はこのPTSDについてや、その原因、主な症状、診断、治療、受けられる支援について説明します。 1、PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?   災害や事故、事件など非日常的なことに遭遇すると、人の心は強い衝撃を受けます。 阪神淡路大震災や東日本大震災の後には、PTSDという言葉を耳にしたり、あるいはご自身や周囲の方でPTSDと言われた方もいらっしゃるかもしれません。   私たち個人の力ではどうにもならないような圧倒されるほどの衝撃的な出来事を経験した場合、それが大きな心の傷(トラウマ)となり、さまざまな症状が現れる疾患です。 きっかけとなる出来事から時間が経っても、強い恐怖心や不安を感じたりフラッシュバックに苦しんだりと日常生活に支障が出ることもあります。   世界保健機構(WHO)の世界精神保健調査によると、日本に住む人の中で一生のうちにPTSDになる人は1.1~1.6%といわれています。患者の年齢層は幅広く男性よりも女性に多く現れます。またPTSDになる人の多くに、うつ病や不安障害などの精神疾患があると言われています。   2、2つに分類されるPTSD   (1)単純性PTSD 阪神淡路大震災、東日本大震災、北海道の災害などのように大きな事故のあとに心の傷として起こることが多い。   (2)複雑性PTSD 反復する虐待や暴力などが一定期間繰り返し経験されることで、心に深い傷(トラウマ)を残すことで起こることが多い。   3、PTSDの原因   PTSDは災害や犯罪被害、事故などの生命をおびやかされるようなトラウマ体験の目撃や体験が原因で起こります。 強いショックによって脳の一部が委縮したり脳の血流が低下したりすることで、さまざまな精神的・身体的な症状が引き起こされ、その状態が回復しないまま長く続くのです。 トラウマ体験をしてもすべての人がPTSDを発症するわけではありません。 PTSDを発症するかどうかは、受けたストレスの強さや種類、社会的サポートの有無や日常生活におけるストレスの有無に左右されると言われています。   4、PTSDのおもな症状   PTSDにはおもに4つの症状があり、それが1ヵ月以上続きます。   ①再体験:トラウマになった出来事をくり返し思い出してしまう つらい記憶を無意識に何度も思い出してしまう状態が続きます。激しい症状は「フラッシュバック」と呼ばれ、頭の中で状況が再現されて、あたかも目の前で起こっているかのような感覚に陥ります。   ②回避:トラウマに関する事柄を避ける 犯罪被害に遭った現場に近づけなくなる、つらい出来事に関する話をしたがらないなどの症状がみられます。行動や人との交流が制限されると、社会生活にも支障が出ることもあります。さらには体験そのものの記憶が抜け落ちる人もいます。   ③否定的感情と認知:否定的な考えやネガティブな感情が浮かぶ 「私が悪いんだ」「信用できる人がいない」など自分や他人に対して否定的な考えが持続して浮かぶ症状です。恐怖、怒り、罪悪感などの感情が続くため、周囲への興味が失せてしまい、自分だけ孤立しているような感覚を持つこともあります。   ④覚醒亢進:神経が過敏になり、常に精神が緊張した状態になる 人の動きや些細な物音に過敏になり、警戒心が強くなるなどの特徴があります。 いつもイライラ・ピリピリして、集中しにくくなったり心身ともに疲れやすくなったりします。不眠や動悸、めまいなど身体面の症状があらわれることがあります。   5、PTSDのおもな治療法   PTSDと診断されたら医療機関やカウンセリング施設で専門家から適切な治療を受けましょう。 ①環境調整 日常の安全を確保します。トラウマにさらされる曝露しそうになる症状が持続している場合や、安全が保障できない場所にいる場合には、社会資源を活用して安心できる場所を確保するようにします。   ②薬物療法 SSRIなどの抗うつ薬を中心とした薬物療法は、PTSDの症状に効果があるとわかってい ます。   ③心理療法 日常生活におけるリラクゼーションや、生活上のストレスに対する対処法を身に付けま す。認知行動療法のひとつである持続エクスポージャー療法(PE療法)は、自然に回復 しないPTSDの症状に対して高い効果があります。この療法は、PTSD患者の70~80% が回復する効果の高い治療法です。   このように、PTSDは災害や事件・事故などの衝撃的な体験のトラウマによって起こる精神疾患で、発症するとフラッシュバックや強い緊張・不安などの症状で日常生活に支障をきたすほか、うつ病や不安障害、アルコール依存症などの疾患と併存することも少なくありません。ひとりで抱え込まず、精神科や心療内科を受診しましょう。

2021/01/29

精神疾患

「冬季うつ」~冬に気持ちが落ち込む季節性うつ病~

寒くなってくると、なんだか憂鬱な気分になったり、気持ちの落ち込み、過食や過眠傾向になったりする場合があります。   ここでは、「冬季うつ」の特徴的な症状とその対処方についてお伝えします。   1、「冬季うつ」の特徴的な症状とは   うつ病の中でも、秋から冬にかけて毎年症状があらわれるのが「冬季うつ」です。 季節性のうつ病であることから、DSM-4では「季節性感情障害(SAD)」ともいわれていました。(現在はDSM-5により改定) 冬季うつ病は、毎年、日照時間が短くなる10月から11月にかけて症状があらわれはじめ、日差しが長くなる3月頃になると回復するというサイクルをくり返す特徴があります。 その症状から「ウインターブルー」という別名もあります。   【冬季うつのおもな症状】  ①気分が落ち込むことが多い  ②以前ならこなせた仕事をうまく処理できない  ③ぐったりとして疲れやすく、体を動かすのが億劫になる  ④今まで楽しんできたことが楽しめない  ⑤考えたり、集中する力が明らかに落ちている  ⑥ふだんより睡眠時間が長くなったり、朝起きられなくなる  ⑦食欲が減退したり、逆に過食になったり、炭水化物を中心に食べ過ぎてしまう   2、太陽光や光の影響を受けやすい   冬季うつは冬季の日照時間と関連しており、日照時間が短縮するにつれて、冬季うつの発症や悪化も関連があると言われています。 日中に太陽光を浴びるとセロトニンという物質が作られます。 このセロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原材料であり、セロトニンが減少してしまうとメラトニンが生成されなくなるため、季節のリズム、睡眠、覚醒リズム、ホルモン分泌などの体内時計の乱れに繋がるのです。 秋から冬にかけては日照時間が減るため、光刺激を受けることが少なくなり、このように人体の概日リズムを崩すことに影響を及ぼしてしまうのです。   3、「冬季うつ」を緩和するための対処法   ①栄養バランスのよい食事をする セロトニン生成に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に摂取しましょう。肉、魚、大豆などのタンパク質にはセロトニンの生成に必要な必須アミノ酸が含まれているので、過不足なく摂取しましょう。   ②散歩やウォーキングをする 日中、とくに午前中の外出は概日リズムを整えるために役立つので、散歩やウォーキングなどの軽い運動も効果があります。 日光のもとで運動することで、爽快感や活動的な気分も得られるので、生活スタイル改善にもおすすめです。 ③自宅や仕事場を明るくする 朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びるなど、昼夜逆転を避けた規則正しい生活が大切です。自然の光により多く当たることがおすすめです。 冬は日が短くなるので、自宅や職場の証明は明るいものにすると効果的です。 冬季うつの治療でも「高照度光療法」という太陽光やそれと同等の光を浴びることで体内時計を調節して生体リズムを整える治療法があります。   今年はさらに新型コロナの自粛生活やリモートワークやテレワークなどの影響で自宅で過ごさざるを得ない状況が続いているため、従来よりも発症する方が増える可能性があります。症状が重いと日常生活に支障をきたす深刻な場合もありますので、「冬季うつ」を感じたら、対処法を実践したみたり、一人で抱え込まず、周りの誰かに話してみたり、専門家に相談してみましょう。   冬の朝こそ、早めにカーテンを開けて日光を取り入れ、新型コロナ感染対策も兼ねて換気しながら、朝日をいっぱい浴びる習慣はいかがでしょうか?