「冬季うつ」~冬に気持ちが落ち込む季節性うつ病~

2021/01/29

精神疾患

寒くなってくると、なんだか憂鬱な気分になったり、気持ちの落ち込み、過食や過眠傾向になったりする場合があります。

 

ここでは、「冬季うつ」の特徴的な症状とその対処方についてお伝えします。

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1、「冬季うつ」の特徴的な症状とは

 

うつ病の中でも、秋から冬にかけて毎年症状があらわれるのが「冬季うつ」です。

季節性のうつ病であることから、DSM-4では「季節性感情障害(SAD)」ともいわれていました。(現在はDSM-5により改定)

冬季うつ病は、毎年、日照時間が短くなる10月から11月にかけて症状があらわれはじめ、日差しが長くなる3月頃になると回復するというサイクルをくり返す特徴があります。

その症状から「ウインターブルー」という別名もあります。

 

【冬季うつのおもな症状】

 ①気分が落ち込むことが多い

 ②以前ならこなせた仕事をうまく処理できない

 ③ぐったりとして疲れやすく、体を動かすのが億劫になる

 ④今まで楽しんできたことが楽しめない

 ⑤考えたり、集中する力が明らかに落ちている

 ⑥ふだんより睡眠時間が長くなったり、朝起きられなくなる

 ⑦食欲が減退したり、逆に過食になったり、炭水化物を中心に食べ過ぎてしまう

 

2、太陽光や光の影響を受けやすい

 

冬季うつは冬季の日照時間と関連しており、日照時間が短縮するにつれて、冬季うつの発症や悪化も関連があると言われています。

日中に太陽光を浴びるとセロトニンという物質が作られます。

このセロトニンは、脳から分泌される睡眠ホルモンであるメラトニンの原材料であり、セロトニンが減少してしまうとメラトニンが生成されなくなるため、季節のリズム、睡眠、覚醒リズム、ホルモン分泌などの体内時計の乱れに繋がるのです。

秋から冬にかけては日照時間が減るため、光刺激を受けることが少なくなり、このように人体の概日リズムを崩すことに影響を及ぼしてしまうのです。

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3、「冬季うつ」を緩和するための対処法

 

①栄養バランスのよい食事をする

セロトニン生成に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を十分に摂取しましょう。肉、魚、大豆などのタンパク質にはセロトニンの生成に必要な必須アミノ酸が含まれているので、過不足なく摂取しましょう。

 

②散歩やウォーキングをする

日中、とくに午前中の外出は概日リズムを整えるために役立つので、散歩やウォーキングなどの軽い運動も効果があります。

日光のもとで運動することで、爽快感や活動的な気分も得られるので、生活スタイル改善にもおすすめです。

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③自宅や仕事場を明るくする

朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びるなど、昼夜逆転を避けた規則正しい生活が大切です。自然の光により多く当たることがおすすめです。

冬は日が短くなるので、自宅や職場の証明は明るいものにすると効果的です。

冬季うつの治療でも「高照度光療法」という太陽光やそれと同等の光を浴びることで体内時計を調節して生体リズムを整える治療法があります。

 

今年はさらに新型コロナの自粛生活やリモートワークやテレワークなどの影響で自宅で過ごさざるを得ない状況が続いているため、従来よりも発症する方が増える可能性があります。症状が重いと日常生活に支障をきたす深刻な場合もありますので、「冬季うつ」を感じたら、対処法を実践したみたり、一人で抱え込まず、周りの誰かに話してみたり、専門家に相談してみましょう。

 

冬の朝こそ、早めにカーテンを開けて日光を取り入れ、新型コロナ感染対策も兼ねて換気しながら、朝日をいっぱい浴びる習慣はいかがでしょうか?

 

※こちらの記事は入学検討者向けに掲載しているため、簡易的な説明となっております。
転載・流用はご遠慮ください。

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