双極性障害とうつ病の違い

2021/06/02

精神疾患

世界的には100人に1人にかかるといわれている双極性障害とはいったいどのような病気なのでしょうか。

ここでは、「双極性障害について」や「うつ病との違い」についてわかりやすく説明します。

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1、双極性障害とは

 

双極性障害は、躁状態または軽躁状態とうつ状態とを反復する精神疾患で、気分障害のひとつです。「躁うつ障害」と呼称される場合もあります。

躁状態による問題行動や、うつ状態によって社会生活の障害を引き起こすこともあるため、自殺率の高い病気として知られています。

発症年齢は双極Ⅰ型障害が平均18歳、双極Ⅱ型障害は20代半ばとされています。

 

2、双極性障害の原因

 

双極性障害の原因は明らかになっていません。

一方で、うつ病と比較して遺伝的な要素の影響が大きいと言われています。

遺伝的背景に加えて、性格・過労・心理的葛藤・身体疾病・社会的要因などのストレスが加わって発症するとも言われています。

 

3、双極性障害のおもな症状

 

双極性障害では、躁状態とうつ状態の症状が反復します。

 

①躁状態の症状

 ・気分が高まって元気になった気がする

 ・あまり眠らなくても元気

 ・急に偉くなったような気になる

 ・なんでもできる気になる

 ・怒りっぽくなる

 ・すぐに気が散る

 ・じっとしていられない

 ・浪費             など

 

②うつ状態の症状

 ・気分が落ち込む

 ・寝てばかりいる

 ・やる気が起きない

 ・楽しめない

 ・疲れやすい

 ・なんにも手につかない

 ・決断力がなくなる

 ・死にたくなる

 ・食欲がなくなる        など

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4、双極性障害とうつ病の違い

 

双極性障害は、一般的には「躁うつ病」という名前で知られています。

その名前から「うつ病」と似ているように思われますが、両者はまったく違う病気です。

うつ病は単極性うつ病とも呼ばれ、気分の落ち込み、やる気の喪失、不眠などのうつ症状だけがみられますが、双極性障害はうつ状態と躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気です。

2つの病気は似ているようですが、治療薬も異なります。

多くの双極性障害の患者様はうつ状態で受診しますが、その後、躁状態を発症してはじめて双極性障害と診断されるケースがあります。

5、双極性障害の治療

 

双極性障害は再発率が90%と高く、慢性の経過をたどることが多い病気です。

医師は全体の経過を把握して、その時点の病相にとらわれず治療計画を立てることや、その患者様の病気について理解することが必要です。

薬物療法としては、気分安定薬の使用が中心となります。抑うつ状態が重篤である場合には、抗うつ薬が使用される場合があります。

先述の通り、再発率が高いため、気分安定薬の使用による維持療法が重要です。

 

双極性障害の治療でもっとも重要なことは再発を予防することです。

以前の発症時にどんなことがストレスの原因になったのか、家族や周囲の人にも相談したり振り返ったりしましょう。

もし再発の初期徴候があらわれたと思ったら、早めに主治医に相談することが大切です。

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※こちらの記事は入学検討者向けに掲載しているため、簡易的な説明となっております。
転載・流用はご遠慮ください。

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