【コラム】社会福祉士や保育士が活躍する児童養護施設のお仕事

2020/06/11

こんにちは。日本福祉教育専門学校です。
今回は「児童養護施設」のお仕事について解説します。

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１、児童養護施設とは
社会には様々な理由により、保護者がいなかったり、保護者の適切な養育を受けたれない子どもたりがいます。児童養護施設は、そうした子供たりを養護し、あわせて退所に向けた相談支援や自立のための援助を行う施設です。
子供たちを公的責任のもと保護・養育するとともに、その家庭を支援する仕組みを「社会的養護」といいますが、児童養護施設は、この「社会的養護」の仕組みの中に位置づけられています。
２、職場であるとともに家庭でもある
子どもたちにとって、児童養護施設は日々生活する「家」であり、ともに過ごす職員は家族のような存在でもあります。
職員にも、児童養護施設は職場であると同時に「家」であり、職員は職業人であると同時に、子どもに寄り添う一人の養育者でもあります。
３、家庭に代わる子どもたちの家
児童養護施設は全国に約600施設あります。
概ね２歳～18歳の子どもたちが約３万人くらしています。
児童養護施設では、さまざまな専門職がチームとなって子どもたちの生活をサポートして、安心して家庭へ帰ったり、夢や希望をもって社会へ巣立っていくことを支えています。児童養護施設で働く専門職の仕事は、子どもたちと共に、その未来を作り上げていく営みだといえるでしょう。
４、児童養護施設で働く主な専門職
①保育士

児童相談員とともに、保育者に代わって子どもたちの養育を中心に担う、養護の専門職です。子どもたちにとって最も身近な存在であり、子どもたちに寄り添い、生活を支援します。

②児童指導員

保育士とともに、保護者に代わって子供たちの養護を中心となって担う、養育の専門職です。最も近い立場から子どもたちの日常生活をサポート、保育士と協力して子供たちの最善の利益の実現をはかります。社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格を有する職員や、小・中・高校等の教員免許を取得した職員などがいます。
③家庭支援専門相談員

ファミリーソーシャルワーカーとも呼ばれ、保護者などへの支援を通じて、子どもの家庭復帰等を支援します。また、施設を退所した子どもたちの相談援助や、地域の関係機関との連絡・調整、地域の子育て家庭の相談援助等もおこないます。
家庭支援専門相談員になるには、「児童養護施設等で５年以上の勤務経験がある」「社会福祉士等の国家資格を有する」などの必要があります。
④心理療法担当職員

虐待等を受けた子どもたちには、遊戯療法やカウンセリングなどの心理療法を実施して、心理的困難の改善や、安心感・安全感の再形成、人間関係の修正等の支援をおこないます。また、心理面から他の職員へ助言したりしています。
心理療法担当職員にはるには、大学で心理学を専修等して卒業し、心理療法の技術を有する者として認められる必要があります。
⑤里親支援専門相談員

里親支援ソーシャルワーカーとも呼ばれ、児童相談所の職員や地域の里親会等と連携して、里親の開拓や里親に対する研修、里親家庭の相談対応など、里親を支援し施設と里親を繋ぐ役割を果たします。
⑥栄養士

個々の子どもたちの身体の状況や栄養状態等に応じて、おいしく栄養バランスのとれた献立や食事を提供し、調理員や保育士・児童指導員と連携して、子どもたちの健やかな成長を支援します。児童養護施設では、これほかにも様々な専門職がチームとなって、子供たちの生活を支えています。
５、これからの児童養護施設
①地域の拠点として
児童養護施設は、施設の子どもたちが養育や家庭復帰への調整、自立支援のみならず、地域における子育て支援の拠点として、様々な悩みや課題を抱える地域の子育て家庭を支援する機能を担っています。
多くの専門職が働く児童養護施設はその専門機能を活用し、地域の子育てや家族問題の解決を率先して取り組んでいます。
②児童虐待への取り組み
いま、社会的に児童虐待への対応が大きな課題となっています。
児童養護施設では、地域の子育て相談を通じた児童虐待の早期発見・予防から、虐待を受け施設にきた子どもの支援、家庭復帰をめざした保護者への援助、自立からアフターケアに至るまで、施設の職員が一丸となって、児童虐待の問題に取り組んでいます。
児童養護施設について理解は深まったでしょうか。
たくさんの専門職が子どもたちを支援するために仕事をしています。
ここで紹介した社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格についての説明もご覧ください。