言語聴覚士とは?仕事内容・年収・資格・将来性までわかりやすく解説【2026年版】
言語聴覚士とは、話す・聞く・食べることに関する障害を支援するリハビリの専門職です。
失語症や発達の遅れ、嚥下障害などに対して、検査や訓練を行い、その人らしい日常生活を支えます。
病院やリハビリ施設、学校などで働き、子どもから高齢者まで幅広い人を支える仕事です。
この記事では、言語聴覚士の仕事内容を中心に、対象となる障害、働く場所、資格の取り方、年収、将来性まで、初めての方にもわかりやすく解説します。
私たちは、「ことば」を使ってコミュニケーションを図り、気持ちを伝え合って生活しています。病気や事故、発達上の課題などによって、ことばによるコミュニケーションがとりにくくなることがあります。
ここでは、「話す・聞く・食べる」を支援する専門職である言語聴覚士の仕事について紹介します。
目次
言語聴覚士とは
言語聴覚士法では、「厚生労働大臣の免許を受けて、言語聴覚士の名称を用いて、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行うことを業とする者をいう。」と定義されています。
つまり、言語聴覚士は、ことばによるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職です。
ことばによるコミュニケーションの問題は脳卒中後の失語症、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など多岐に渡ります。小児から高齢者まで幅広く現れるのが特徴です。言語聴覚士はこのような問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。
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ことば・きこえ・飲み込みの障がいを、訓練や指導を通してサポートする言語聴覚士。
科学的根拠を基に患者様一人ひとりに寄り添いながら支援できる知識と技術スキルのすべてを学べます。
言語聴覚士の仕事内容
言語聴覚士の主な仕事内容は、ことば・聞こえ・飲み込みに課題を抱える方に対して、検査や評価を行い、一人ひとりの状態に合わせた訓練や助言を行うことです。
対象となる方は、失語症や構音障害、摂食・嚥下障害、聴覚障害、ことばの発達の遅れなど、子どもから高齢者まで幅広くいます。
言語聴覚士は、単に訓練を行うだけではありません。患者さんや利用者さんの状態を把握し、本人や家族の生活状況に合わせて支援方法を考えます。また、医師や看護師、理学療法士、作業療法士、保育士、教員などの多職種と連携しながら、その人らしい生活を支えることも大切な役割です。
ここでは、言語聴覚士が行う代表的な仕事内容を紹介します。
①摂食・嚥下の訓練
食べ物の飲み込みがうまくいかず、口からこぼれてしまったり、むせてしまったりする人の原因を調べ、対処を行います。通常、飲み込みは人間の反射によって行われますが、脳の障害などが起きるとうまくできなくなります。そのため、反射を高めるための訓練を行います。
②成人言語・認知の訓練
大人の言語障害は、認知症や脳梗塞、交通事故などが原因で起きることが大半です。そのため、ことばにしたくてもできない、表現できないということが起こります。患者さんが自分の思いをことばにできるよう、リハビリテーションのプログラムを組み立てて機能訓練やリハビリなどを行います。
③発声・発語の訓練
失語症・構音障害・音声障害・高次脳機能障害になってしまった方の障害の内容を観察し、原因を加味して発話の訓練を行います。社会生活への復帰が目的の訓練です。
④小児言語・認知の訓練
子どものことばの遅れに対して、絵本を見せてことばを引き出したり、文字の習得ができるように指導を行ったりします。また家族や教育機関と連携し、子どもの周辺環境を整える役割も担っています。
⑤聴覚の支援
聴覚障害は生まれつきの場合と、事故や高齢化などで後天的に起こる場合があります。言語聴覚士は聴覚検査やヒアリングを通して聞こえの状態を確認し、必要に応じてことばの訓練やコミュニケーション支援を行います。補聴器や人工内耳の調整などを行うこともあります。
言語聴覚士の1日の流れについて詳しく知りたい方は、「言語聴覚士の1日のスケジュールって?」もご覧ください。
言語聴覚士が対象としている障害
言語聴覚士が対象とする障害は、ことば・聞こえ・飲み込みに関するものが中心です。具体的には、失語症、構音障害、音声障害、高次脳機能障害、摂食・嚥下障害、聴覚障害、ことばの発達の遅れなどがあります。
対象となる方は、子どもから高齢者まで幅広く、病気やけが、発達上の課題、加齢など、原因もさまざまです。
言語聴覚士は、こうした障害に対して検査や評価を行い、一人ひとりの状態や生活環境に合わせて、訓練、助言、指導などを行います。
言語聴覚士の働く場所
言語聴覚士は、子どもから高齢者まで幅広い方を対象に訓練を行うことができます。そのため、活躍できる場所も多くあります。働いている場所、就職先は次の通りです。
※出典:日本言語聴覚士協会
①医療(60.70%)
一般病院、特定機能病院、診療所など
②医療/介護(16.71%)
医療と介護の施設の複合施設
③介護(6.56%)
介護保険施設、居宅サービス事業所など
④福祉(5.26%)
障害者福祉施設、児童福祉施設、保健所など
⑤医療/福祉(2.20%)
医療と福祉の施設の複合施設
⑥その他(8.57%)
特別支援学校、小中学校、高等学校、言語聴覚士指定養成所、研究施設、養成校以外の一般の大学・専門学校など
言語聴覚士が働く職場は約6割が医療機関、次いで、介護や福祉関連の現場で働くことが多いです。また、補足として、日本言語聴覚士協会の発表によると、2023年の時点では言語聴覚士の会員のうち約76%を女性が占めていることがわかりました。
国家資格「言語聴覚士」の資格取得の方法
言語聴覚士になるには、法律に定められた教育課程を経て国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受ける必要があります。言語聴覚士国家試験は例年2月に行われ、合格発表は3月下旬です。近年の合格率は70%前後で推移しており、2026年2月に実施された第28回言語聴覚士国家試験の合格率は66.4%でした。最終的に国家試験に合格する必要がありますが、受験資格を得るには必要な知識と技能の習得が義務付けられています。受験資格を得るためにはいくつかのルートがあります。日福では、言語聴覚士養成課程のない一般の4年制大学を卒業した方(または卒業見込みの方)のための、言語聴覚療法学科(2年制)を設置しています。

関連記事:【2026年最新版】言語聴覚士になるには?受験資格・養成校・国家試験をわかりやすく解説
言語聴覚士の将来性
高齢化に伴う社会的ニーズもあり、言語聴覚士の数も年々増加傾向にあります。
日本言語聴覚士協会によると、毎年1千6百名程度が言語聴覚士となり、有資格者数は、2018年3月には3万人を超え、2023年3月には約3万9千人となっています。
超高齢化社会を乗り切るために高齢者の暮らしを地域で包括的に支える「地域包括ケア」の仕組みが推進されており、言語聴覚士もその一端を担っています。地域包括ケアを進めるためにはまず地域で環境を整備していかなければなりません。そのため、今後さらに言語聴覚士の就職先となるような病院や施設が拡大し今後も活躍の場は広がっていくことでしょう。
関連記事:言語聴覚士の将来性|需要が高まる理由と今後の展望を解説
言語聴覚士の給料・年収について
厚生労働省の令和6年度賃金構造基本統計調査によると、言語聴覚士の平均年収は約444万円です。これは月給約31万1,400円と年間賞与約70万4,700円の内訳で構成されています。
新卒の言語聴覚士の初任給(月給)は24万6,300円とされており、初年度の年収はボーナスを含めると約304万800円が目安となることがあります。
言語聴覚士の年収は、他の医療職と比較するとやや低い傾向にあるとされていますが、夜勤やオンコールが少ないこと、残業が比較的少ないことを考慮する必要があります。
ただし、これらの金額はあくまで目安であり、勤務先や個人の実績によって大きく異なる場合があります。
関連記事:言語聴覚士の年収は?平均給料・将来性・他職種との比較
小児のリハビリにおける言語聴覚士の役割
大きく分けて「ことば」、「きこえ」、「食べる」において障害を抱えた小児を対象としてサポート、リハビリをするのが主な役割です。お子さんの抱える症状の原因を探り、検査などをしながら、個別に訓練プログラムを考えていきます。
小児のリハビリテーションにおける言語聴覚士は、全国的に人数が少ない現状があります。しかし、未来を生きる子どもたちを対象とする言語聴覚士の重要性は高いものです。そのため、小児を対象とした言語発達支援の環境整備は、徐々におこなわれてきています。つまり、小児を対象とした言語聴覚士における需要は高くなっているのです。
関連記事:小児分野で働く言語聴覚士とは?仕事内容や活躍の場を解説
言語聴覚士の魅力
言語聴覚士は国家資格の専門職であり、医療機関や介護施設、福祉施設、小児分野など、幅広い場所で専門性を活かせる仕事です。
職場によって働き方は異なりますが、経験を重ねることで支援の幅が広がり、ライフステージに合わせて働き方を考えやすい点も魅力の一つです。
また、ことばや聞こえ、飲み込みの支援を通して、その人らしい生活を支えられることは、言語聴覚士ならではのやりがいです。
関連記事:言語聴覚士のやりがいとは?仕事の魅力をわかりやすく解説
言語聴覚士、理学療法士、作業療法士の違い
言語聴覚士、理学療法士、作業療法士は、いずれもリハビリテーションに関わる国家資格ですが、支援する内容に違いがあります。
言語聴覚士は、話すこと、聞くこと、食べることに課題を抱える方に対して、ことばや発音、飲み込み、聞こえなどの支援を行います。
理学療法士は、立つ、歩く、座るなどの基本的な身体機能の回復や維持を支援します。
作業療法士は、食事、更衣、入浴、家事、仕事、趣味など、その人らしい生活に必要な動作や活動を支援します。
| 資格名 | 種類 | 仕事内容など |
|---|---|---|
| 言語聴覚士 | 国家資格 | 話すことや食べること、聞くことなどで、障害や悩みを抱えている人に対してケアを行います。発声の仕方を教えること、食べ物の飲み込み方を指導・訓練すること、補聴器の調整などが主な仕事内容です。 |
| 理学療法士 | 国家資格 | 歩く、食べる、座るなどの日常生活で基本となる身体機能のリハビリテーションを行います。病気やケガで障害を抱えている人に対して、運動療法や物理療法、歩行訓練や筋力訓練などを施します。 |
| 作業療法士 | 国家資格 | 食事、更衣、入浴、家事、仕事、趣味など、その人らしい生活に必要な動作や活動を支援します。身体機能だけでなく、認知面や心理面、生活環境にも目を向けながら、日常生活や社会参加を支えます。 |
関連記事:言語聴覚士、理学療法士、作業療法士の違い
言語聴覚士として独立開業することも可能?
結論からお伝えすると、言語聴覚士は独立開業することができます。ただし、独立開業する際には気をつけなければならない注意点があります。
まず、原則、言語聴覚士は、医師の指示の下でリハビリをすることが義務付けられています。そのため、主治医の指示を受けて、患者に合わせてリハビリをおこないます。しかし、医師のいない職場において、医師の指示なしに「言語訓練」、「構音訓練」をすることはできるため、医師の指示が必要ないリハビリ施設の立上げなどは可能です。
また、言語聴覚士単独では保険請求ができませんので、単独で独立開業する場合には完全自費、すなわち公的医療保険(健康保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度)適用外の施設を立ち上げることになります。
関連記事:言語聴覚士として独立開業することは可能?
日福で言語聴覚士を目指す

言語聴覚療法学科
言語聴覚士国家試験の合格実績が高く、合格者数全国1位(※専修学校および各種学校)。科学的根拠を基に患者様一人ひとりに寄り添いながら支援できる知識と技術スキルのすべてを学べます。また、学校生活とキャリアをバックアップするサポートも充実しています。
卒業生の声
言語聴覚士を目指すなら、日本福祉教育専門学校。
学生一人ひとりの志を大切に、すべての学生が学ぶことに喜びを感じ、自らの成長に満足して夢を実現できるよう支援しています。

日福で身につけた「自ら学ぶ姿勢」が現場でも活きている
言語聴覚療法学科/30代女性
※インタビュー当時
卒業後、現在の職場になりますが、高度な医療的ケアが必要なお子さんや早産・低出生体重児等に介入し、哺乳、摂食、嚥下や言語発達、発音の指導をしています。言語聴覚療法のなかでもとても専門的な領域で、学校の授業で触れたことのない症例に出会うことも多く、日々自主的に勉強し、職種内外で話し合いながら対応しています。日福では、自身やグループの考えを調べてまとめる授業が多くあったので、自ら学ぼうとする、わからないことは先生方に積極的に質問しにいく姿勢を自然と身に着けることができたと思います。
また、年代や人生経験が多様なクラスメートと密に交流できた経験が、臨床でさまざまなバックグラウンドをお持ちの患者さんやご家族、他職種の方と関わる際に活きていると感じています。当時の仲間とは今でも交流があって、同年代の友人とは今でも月に1度は近況報告や情報交換をしています。
言語聴覚士を目指せる学科

言語聴覚療法学科
合格者数全国1位。※専修学校および各種学校
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