2019年

2019/08/06

小児

小児難聴とは

  1、幼少期の難聴について   難聴とは、音を聞いたり、音を区別したりする能力が低下している状態です。 中耳や内耳の障害であり、脳の障害ではありません。   そして難聴は生まれつきの障害の中で最もよく見られる障害のひとつです。 先天性難聴は1000人に対して1人の確率で生まれます。   そのため、新生児は生後1ヵ月以内、できれば出産後の退院前に聴覚のスクリーニング検査を受けることが勧められています。   言語やコミュニケーション能力は、生後2~3年のうちに急速に発達するため、難聴の発見が遅れると、これらの能力の発達も遅れてしまいます。     2、幼少期の難聴の原因について   難聴には、遺伝によるものとそうでないものがあります。   遺伝によらないものは、出産時やその前後の病気も含まれます。 また、原因がわからないものもあります。   難聴を持ったお子さんの90%は、聴こえが正常なご両親から生まれています。     3、難聴の3つのタイプ   難聴は、聴こえの障害が起こる部位によって3つのタイプに分けられます。   ①伝音性難聴 音が外耳や中耳に伝わっていく途中で、何かが音を遮ることによって生じます。 鼓膜の傷、中耳に水が溜まっている滲出性中耳炎、中耳の感染である急性中耳炎、外耳道の途中の塞がりなどが原因となります。   ②感音性難聴 内耳の細胞が振動を感じとることができない場合や、信号を脳の聴こえの中枢へ伝えることができない場合に生じ、 妊娠中の感染や遺伝的な要因はこのタイプです。   感音性難聴は通常一生続くため、補聴器で音を聞くことができるようになりますが、ハンディが伴うことがあります。   脳にある聴こえの中枢にダメージを受けた場合も感音性障害が生じ、 中等度以上の場合は補聴器や人工内耳が必要になります。   ③混合性難聴 混合性難聴とは、感音性障害の子どもが、中耳に水が溜まっている場合など、伝音性難聴もあるときに起こります。 急に起こった中耳炎の場合、難聴の予防には、早いうちの適切な治療が必要です。     4、幼少期の難聴を疑うサインについて   保護者は以下の難聴サインに注意して、気になることがあれば医師に相談しましょう。   ・大きな音にびっくりしない ・生後6ヶ月を過ぎても、音がする方向へ向いたり、音の真似をしようとしたりしない ・生後9ヶ月になっても、まだおしゃべりしない ・3歳までに単語をしゃべらない ・何か表現をするときには言葉の代わりにジャスチャーを使う   さらに、年長以上の子どもの場合   ・周りの子どもより言葉数が少ない ・理解しにくい言葉でしゃべったり、非常に大きい声またはか細い声を出したりする ・何度も聞き返す ・テレビの音を非常に大きくする ・学校でぼんやりしていたり、読み聞かせや計算が苦手だったりする   補聴器の診断、補聴器処理、手術などは耳鼻咽喉科医がおこないます。 補聴器の調整や人工内耳の音入れ、言語訓練などは言語聴覚士がおこないます。  

2019/08/05

小児

「小児リハビリテーション」×「言語聴覚士」

  1、小児リハビリテーションとは?   発達障害をお持ちのお子さんに対して、そのお子さんの発達段階に合わせた言語療法をおこない、感覚やコミュニケーション力を養って、より社会性を高める支援をします。     2、小児リハビリテーションの対象となるのは?   ◆発達に遅れや偏りがあるお子さん 言葉が遅い、じっとしていられない、コミュニケーションがうまくとれない、かんしゃくがひどい、動きがぎこちない、手先が不器用 など   ◆言葉が聞き取りにくいお子さん 発語がはっきりせずに不明瞭、サカナがタカナ、カラスがタラスになってしまう など   《具体的には…》   |言語発達遅滞 言葉を含めて、年齢よりも発達が遅い、また知的障害・自閉症・ADHD(注意欠陥多動症)、LD(学習障害)、ダウン症や染色体異常などによってコミュニケーションがうまくできない   |機能性構音障害 ※発音の正しい獲得不全 聴覚や発音器官などにはあきらかな原因がないが、言葉が不明瞭になってしまう。   |吃音(どもり) 言葉を話すときに出だしの言葉に詰まってしまったり、引き延ばしたりして滑らかにしゃべれない。 あわせて、お子さんの取り巻く環境調整へのアドバイスやお子さんの心的サポートもおこなう。   |聴覚障害 先天的に耳は聞こえない、中途失聴、言葉の遅れ など   |小児の摂食障害 口腔発声器官の発達の遅れなど、さまざまな原因によって、「噛む」・「飲み込む」などの食べる機能に問題が生じる。 そのほか、固いものを食べることを嫌う、飲み込めずに食べ物を吐き出してしまう、口からよくこぼしてしまう など。     3、小児リハビリテーションでの言語療法ってどんなことするの?   言語聴覚士がおこなう小児リハビリテーションの言語療法では、 ことばだけではなく、コミュニケーション・認知・感覚面ついても総合的に評価をおこなって、そのお子さんの発達段階に合わせた課題を、言語聴覚士との遊びの中で、言葉をはぐくむための基礎づくりを支援します。     4、小児リハビリテーションをする「言語聴覚士」の仕事とは?   言語聴覚士は、英語では「Speech―Language-Hearing Therapist」(略:ST)とも呼ばれる国家資格です。 同じリハビリテーションの国家資格にはほかに、「理学療法士」(略:PT)と「作業療法士」(OT)があります。   言語聴覚士は、小児リハビリテーションのように生まれつき障害のあるお子さんのほかに、 成人では脳卒中、脳梗塞により話すことや聴くことに対して、言語能力や聴覚能力を回復させるリハビリテーションをおこなう医療系専門職です。 近年では、小児や成人に加えて、超高齢社会と影響もあり、高齢者に対する食べることや飲み込みができないといった嚥下障害へのリハビリでも活躍が目立ってきています。   「話す」や「聞く」に障害を持っている小児リハビリテーションの場合、感情表現が乏しいお子さんであると生活に大きな影響を及ぼしてしまうこともあり、周囲の人とのコミュニケーションがうまくとれなくなってしまうことも多くあります。 「話す」や「聞く」はうまくできない原因は、発達障害にあったり、難聴の疾患であったり、さらには心理的な要因まで含めてさまざまです。   言語聴覚士は、そのお子さんの抱える症状の問題や原因を探り、検査などをしながら、一人ひとりにあった訓練プログラムを考えて、リハビリをおこなっていきます。 文字や絵を使って言葉を引き出したり、言葉だけでなく身振り手振りを使う練習などのリハビリや、詰まった発音で話したり、言葉が詰まったりする場合には口やほっぺの体操をしたり、言葉をくりかえす練習をしたりします。   そして、高度な専門性を持つ言語聴覚士は、医師や看護師、あるいは理学療法士や作業療法士などの他の医療系専門職と連携しながらリハビリをおこないます。     5、小児リハビリテーションで活躍する言語聴覚士のやりがい   言語聴覚士の仕事といっても、小児と成人ではリハビリ方法が異なるため、養成校に入学する前や在校中から、「小児リハビリをやりたい」、「小児療育に関わりたい」ということで、言語聴覚士を目指す人が多いようです。   たとえば、在学中に小児リハビリの現場を見学して、訓練をしているお子さんのがんばっている様子や、課題をクリアしたときのイキイキとした表情を見て、子どもたちの成長をサポートできる喜びややりがいを感じることができて、将来は小児リハビリや小児療育のできる病院や施設で言語聴覚士として勤務を希望します。   訓練に励むお子さんが、むずかしかったり、一つのことにこだわってしまったり、下を向いてしまったり、大きな声を出してしまったり… いろいろなお子さんがいて、大変なこともたくさん。   それでも、リハビリに通っているお子さんたちが、これまでできなかったことができるようになったり、言葉が増えたりすると、言語聴覚士自身も元気をもらえたり、大きな喜びをお子さん本人やご家族と一緒に感じたり、とても素敵で魅力いっぱいの仕事なのです。  

2019/08/05

小児

子どもに関わる言語聴覚士の役目とは?

  子どもが生まれつきの機能障害や、自閉症などの障害をもっていた場合に、 その子の状態を基準として、機能発達を目標にすることがあります。   回復するための治療ではなく、機能のさらなる有能化を目指すリハビリテーションをおこないます。     子どもと関わる言語聴覚士の仕事内容   たとえば発達障害の場合、保護者がわが子の発達の凸凹に気づくのは、 1歳6か月健診や3歳児健診がきっかけになることが多いです。   そこからわが子を「療育」への扉を開けるまでには、悩みや葛藤がおこります。   そんなとき子どもと関わる言語聴覚士に求められることは 「子どもの姿に寄り添って、その子の特性を生かしていくこと」です。   子ども一人ひとりが違った特性をもっていることを理解して、 その子に合った丁寧な関わり方や向き合い方が求められます。   1、小児療育・教育機関での仕事内容   療育や教育機関での言語聴覚士のリハビリの仕事内容は、病院などの医療機関でのリハビリとは少し違っています。   医療機関では机に座っての訓練や指導をおこないますが、療育や教育機関で働く言語聴覚士は保育園・幼稚園や学校を訪れて先生方にアドバイスをしたり、療育クラスに参加して保育士とともに指導したりと、いろいろな働き方の可能性があります。   全国の学校に設置されている「ことばの教室」・「きこえの教室」や「自閉症・情緒障害通級指導教室」などの通級教室教員の仕事内容とも共通点が多くあります。   2、育児不安を抱える家族への支援   発達のアンバランスさや遅れが気になる子どもは、赤ちゃんの頃からなかなか寝なかったり、泣き方が激しいなど、家族がその育て方に違和感を持つこと多いようです。 特に母親は、「自分の育て方が悪いの?」と自責の念をもってしまいがちです。   ですが、医療機関や療育でも受診や相談をして、言語聴覚士からアドバイスや指導を受けることで、家族は肩の荷が下りたような気持ちになり、その子の成長ペースを認める余裕ができることで親子関係も良好になっていく場合も多く、また虐待予防にもつながります。   3、発達障害の治療ケア「療育」とは?   「療育」とは、リハビリ(訓練)をして周りの子たちに追いつかせるものではありません。   発達障害は脳の小さな不具合から生じており、治療で治せるものではありません。   脳のちょっとした不具合を持ちつつ、接し方で、その子なりの一番よい姿を見せてくれるようにするのが「療育」です。   「療育」では、その子ひとりひとりに合わせて無理なく発達できるように接します。   普段は「できない」ことが多く、自尊心が傷つくことがある子どもたちに、少し頑張ればできる遊びや課題を提供します。 すると、「やればできる!」「できた!」という喜びが得られ、自己有能感につながります。   その子が、やりたいことを見つけ自分らしく生きることを支えていくための基礎を作るのが「療育」です。     子どもに関わる言語聴覚士の今後の課題   子どものための言語聴覚士は少なく、 健診や子育て支援に関わる言語聴覚士となるとさらに少数になっています。   しかし、実際の社会では、多くの保護者や家族は、子どものことばの発達に関するアドバイスを求めている現状があります。   これからは、健診に言語聴覚士が参加しやすくなる仕組みづくりや、気軽に相談できる期間を増やしていくことが課題として挙げられています。   そして、言語聴覚士の養成では子どもの言語やコミュニケーションの発達についての学習に重きを置くことで、さらに子どもと保護者を支えられる言語聴覚士が増えて、ますます子育て支援ができる専門職として活躍することができます。  

2019/08/02

小児

ADHDの子育て② ~ちゃんと理解すれば、子どもも保護者もラクに!~

  ADHDの子は、ご飯を食べたら歯磨きね!という日常ルーティンの日課がなかなかできないこともあります。   毎日のことだから、親はどうしてもできないことに目が向きがちですが、 できたときには、「頑張ったね!」「ちゃんとできたね!」と褒めてあげることが大切です。   ADHDの子に叱責や体罰は逆効果と言われています。できるだけ良い面に目を向けて、 親子の心地よい関係を気付くようにしていきましょう。     1、ADHDの子にはどう接したらいいの?   これだけは守ろう!“育児の4カ条”   (1)体罰をしない 叩かれて育った子は、叩く子になってしまいます。 また親を憎むようになることもあります。 大人への信頼感や親子の絆、のびのびとした心を壊さないためにも、体罰はやめましょう。   (2)注意する回数を減らす 良い面に目を向けて、まず叱る回数を減らしましょう。 何かに夢中になっていると聞こえないことも多いので、 まずは子どもの注意をこちらに向けてから、叱ることがポイントです。   (3)言葉の暴力や怒鳴るのをやめる 「いい加減にして」「もううんざり」などの暴言は、子どもの心を深く傷つけ、 望ましくない方向へと行動をエスカレートさせてしまうこともあります。 ネガティブな言葉はできるだけ控えてください。   (4)「わざとなの?」と思わない すぐにバレるような嘘をつくのは、叱られることを避けるためであり、 親を困らせようとしているわけではありません。 どのような行動も言動も「こんな不器用なふうにしかできないんだわ」と考えてあげると、 保護者の気持ちもラクになり、対処法も見つけやすくなります。     2、子どもの成長に合わせた、上手な接し方を知りたい!   ☆幼少期   外に連れて行き運動で発散。自由に遊ぶ時間をつくる 外に連れ出して、体を使ってしっかり遊ばせることが大切です。 運動をして発散しないと、家の中で走り回る傾向に拍車がかかってしまいます。 そして、子どもがどんなことに興味を持っているか、好きなのかを把握して、 自由に遊ばせる時間を作りましょう。お稽古事の数はほどほどにしましょう。   ☆小学生   良好な親子関係をキープするために、ポジティブな言葉がけをする 宿題がなかなかできない、学校で配られるプリントをなかなか持って帰ってこないなどの様子から、 「もしかして、うちの子はADHDなの?」と、勉強が始まる小学生になってから気付く保護者も多いかもしれません。 先生や祖父母からは、「自分が本当に困る経験をすれば、忘れ物はしなくなるよ」と言われることもあるかもしれませんが、ADHDの子は成長を待っているだけではできるようになりません。 宿題に集中できる環境を作ったり、忘れ物をしないように前日に一緒に準備をしたりと、 伴走しながら苦手をサポートすることが大切です。   ☆中学生   急に子ども任せにせず、命令口調はやめてアドバイスをしてあげる 中学生に思春期になると、保護者の言うことを聞かなくなり、母親からも離れようとします。 その反面、定期テストに向けて勉強したり、期限内に提出物を出したり、教科ごとに先生が変わったりとADHDの子の苦手なことが増えてきます。 子どもが反抗的な態度をとっても急に手を放さず、命令口調はやめてアドバイスするような話し方に変えていきましょう。     3、どんなときに、受診したらいいの?   いろいろ努力してみたけど、子どもも保護者もつらいときには受診を 本を読んだり、ネットで調べてみたり、自分なりにいろいろ努力や工夫をしてみたけど子どもも保護者もつらいと感じるときには、受診を考えてみても良いかもしれません。   医療機関だけでなく、学校や園の先生、スクールカウンセラーなどに相談してみるのもおすすめです。ADHDを診てもらえる医療機関を探すときには、かかりつけの小児科の先生に聞いてみるものいいと思います。   子どもの状況を確認しながら、家庭での環境を整えていく 受診した場合、臨床心理士による聞き取りや知能検査などあり、それが済むと医師による診察となる場合があります。 子どもが一緒の場合は、状態を診ながら、保護者から普段の様子を聞いたりします。 その後、医師からの家庭での接し方、改善点などを聞いて、 必要があればペアレントトレーニングなどの講習会を受けたりします。   それでもなかなか改善しない場合は、薬での治療をおこなうこともあります。 ADHDの治療は、“家庭での工夫があってこそ”です。 子どもに対してどのように接していくかを保護者自身も一緒に学んでいくことになります。  

2019/08/02

小児

ADHDの子育て① ~ちゃんと理解すれば、子どもも保護者もラクに!~

何度注意してもなかなか行動や感情のコントロールできない“育てにくい子”に 悩んでいる保護者の方は多いのではないでしょうか?   少し落ち着きがないだけなのか、いわゆるADHDなのか…   見極めるポイントやその特徴についてご説明します。     1、ADHDは病気なの?   ADHDはその子の個性であり、病気ではなく“発達の遅れ”   身長が高い人もいれば低い人もいるように、性格も人によって様々な特徴があります。 ADHDもひとつの特徴(個性)であるとも言えて、落ち着きがないと言われる人の片隅に存在します。   昔から、授業中に歩き回り落ち着きがない子はいました。 「性格だから仕方ない」とあきらめられ、治療などしてこなかった時代もありましたが、 その後、学校や社会への不適応を起こしていた「性格」や「性分」が、医学的な概念と てまとめられるようになっていきました。   医学的な見地から捉えられることで治療法などが確立されていき、 社会の中でさまざまな不適応を起こしていた人が、学校や家庭での生活もしやすくなりました。 日本でADHDがよく知られるようになったのは、15年ほど前からだとされています。   いずれにしてもADHDは病気ではなく、その子の発達の偏りです。 しかしながら同じ年齢の子ができることができず、少し発達上の遅れがあるという状態を指します。     2、ADHDの3つの特徴って、詳しく知りたい!   家でも園でも同じ行動があって、保護者や本人が困っているか?がポイント   たとえば、クラスに30人の子どもがいるとして、そこに落ち着きがなくて目立つ子が3~4人いるとすると、そのうち1人か2人はADHDかもしれません。   ADHDの特徴には、【不注意】【多動性】【衝動性】の3つがあるとされています。 しかし、この3つが当てはまるからというだけではADHDとは言えず、 この行動が家(家庭)や学校、園など2か所以上で、同じような落ち着きがないこと、 その上で保護者や先生、そしてその子ども自身が、そうした特徴に困っていることがADHDの定義と言えるかもしれません。   ●ADHDの3つの特徴●   【不注意】 ・やるべきことが決まっているのに、日常ルーティン(歯磨きなど)ができない。 ・忘れ物が多い。 ・何をどこに置いたか忘れてしまい、いつも探し回っている。 ・宿題を後回しにしがちで、なかなか手を付けない。 ・取り組み始めてもイヤイヤで、続けられない。 ・先を見越して行動ができない。 ・丁寧に字が書けない。ノートが乱雑になる。 ・計算などでスピードを重視すると、十と一を間違えるなどケアレスミスが多い。 ・勉強していても、音に敏感に反応してしまう。   【多動性】 ・じっとしていられず、授業中や食事中も席を立ってうろうろしてしまう。 ・手や足で何かをいじって遊んでいることが多い。 ・貧乏ゆすりをする。 ・女の子の場合、いつも髪をいじっている。 ・高い所から飛び降りるなど、危険な遊びをすることが多く、よくケガをする。 ・外食先などでは興奮してはしゃいだりするので保護者がハラハラする。 ・静かに遊んだり、本を読むのが苦手。 ・よく喋る。   【衝動性】 ・先生の質問を途中でさえぎり答えてしまったり、先生に当てられていないのに 答えを言ってしまう。 ・腹が立つと、すぐに殴ってしまう。 ・何事にもすぐに反応してしまう。 ・おもちゃや道具の順番を待てずに、横入りしてしまう。 ・他の子に対して余計な干渉をしたり、邪魔をしたりする。     3、ADHDは親の育児が原因なの?   ADHDは、親の育て方が悪いせいじゃない!   子どもに問題があると、「保護者の育て方が悪い」「しつけが悪い」と、 祖父母や先生、周囲のママたちから言われてしまいがちです。   でも、ADHDの子どもはもともとしつけが定着しにくく、教えたことが積み上がっていかないという特性があるのです。   普通の子どもなら10の努力でできることを、ADHDの子には20~30の努力が必要だったりもします。ですから、保護者が自責の念にかられる必要はありません。   ADHDの特徴をよく理解して、接し方や対応を変えることが大切なのです。  

2019/07/07

吃音

吃音症(きつおん)についてご存知ですか

  2016年4月~6月に藤原さくらさんや福山雅治さんが出演していた月9ドラマ「ラヴソング」で話題になった吃音症。 ヒロインが吃音症という設定だったため、会話のシーンが大変印象的でしたが、非常に歌が上手、という設定だったため、吃音症とはどんな症状なのか・・?と疑問を持たれたかたも少なくないと思います。   そもそも「吃音症」とはどのようなものなのでしょうか? ドラマよりも前、2010年の英映画「英国王のスピーチ」でも吃音症の人物は描かれていて非常にセンセーショナルな作品だったことを覚えています。 この作品については別の機会で紹介したいと思います。   非常に簡単なことばで表現すると・・・   吃音とは 「話し言葉が滑らかに出ない発話障害」 です。   主な症状は3つあります。   <主な症状> 1.連発(語音・音節の繰り返し) 「タタタタマゴ」のように音を繰り返す症状で、吃り始めた初期にみられる。 連発の症状があるかたは誰でも吃っていることが分かる。   2.伸発(引き伸ばし) 「タ-マゴ」のように音を引き伸ばす言い方で、これも初期にみられるが、成人になるにしたがって緊張が加わる。   3.難発(ブロック) 「・・・・・・タマゴ」のようにつまって音が出てこない。 ブロックといわれる成人吃音の多くにこの難発がみられる。最初の一音が出れば後は割と話せるので、周りの人は吃音だと分からないことが多い症状。 吃音症は複雑な会話を始める2~5歳ごろに発症する場合が多いです。 3つの症状の中では、あまり周りから認識されにくい難発が一番つらいと言われています。 吃音症をもっていると成長につれ、まわりからからかわれたりすることがあるため話すことが恥ずかしいという意識が芽生え、言い換えたり、無言になることで吃音症であることを隠すようになります。   <吃音の特徴> ・発症:2〜4歳が多い ほとんどが7歳までに発症 ・発症率:約5% そのうちの約50%が自然治癒、もしくは簡単な指導で治癒 ・男女差:男:女=3:1 ・吃音児の約50%が家族に吃音児者がいる ・日本では100人に1人の割合で吃音者   <吃音発症の原因> 詳しい原因はまだ分かっていませんが、7割が遺伝子要因と言われており、脳の神経経路に原因があるそうです。 吃音の分類とその原因について紹介します。   ・発達性吃音 ⇒<原因>幼児期に明らかな原因もなく開始となる。   ・獲得性神経原生吃音 ⇒<原因>脳血管障害や変性疾患、頭部外傷など脳損傷が原因で開始となる。   ・獲得性心因性吃音 ⇒<原因>心理社会的原因で開始となる。     吃音症の改善方法とは?   治療方法大きくは①直接法と②間接法の2種類に分けることができます。   ①直接法:意図的に話し方をコントロールし流暢な発話を目指す発話訓練 具体的には ・流暢性形成法 ・吃音緩和法 ・統合的アプローチ などがあります。   ②間接法:意図的な話し方のコントロールは行わず、正常な発話を促していく訓練 具体的には ・発話環境の調整 ・系統的脱感作法 ・自律訓練法 ・年表方式のメンタルリハーサル法 などがあります。   この2つの方法の中で合うものを選び、組み合わせて改善を図っていきます。

2019/06/23

吃音

吃音症の治療や訓練について知る

吃音症は子どもでは20人に1人が、成人でも100人に1人が吃音を持っているという統計が出ており、非常に身近な症状です。 吃音(きつおん)とは、「どもり」ともいわれますが、話すときに滑らかにことばを話すことができない症状です。   吃音の主な特徴は、 ●話し始めのことばが出にくいことが多い ●言いやすいことばと言いにくい言葉がある ●調子が良い時と悪い時があり、話す場面でも変わる     吃音の症状には波があり、軽くなったり重くなったりを繰り返すのも特徴で、ことばがスムーズに出ないときもあれば、スラスラしゃべれるときもあります。   現時点では吃音は治療方法が確立していません。 しかしながら有効とされている療法やトレーニングは存在し、症状の緩和を促がすことができるようになりました。   例えば子ども場合は、海外で開発された手法「リッカムプログラム」を使う医療機関が増えています。 スラスラ話せたら褒め、言葉に詰まったら叱らず中立的に指摘することを1日15分、およそ5:1以上の割合で行います。 要するに、家庭で吃音の子どもの発言に対して声をかけていく方法です。まだ日本に導入されたばかりですが、効果が期待されています。   ☆・。・。★☆・。・。★☆・。・。・ ▽リッカムプログラム概要 流ちょうに話せたときは褒め、「いまのどうだった」などと自身の評価を聞く。 明らかにつまったときなどには「ちょっと疲れてたね」などと指摘し「さっきのすらすらでどうぞ」と言い直しを促す。 指摘よりも褒める頻度を増やすことが重要ともいわれています。 日頃かける言葉の内容やタイミングなどを言語聴覚士がご家族に定期的に助言しながら進めていきます。 ☆・。・。★☆・。・。★☆・。・。・   成長に伴うライフサイクルの変化の中で、会話、音読、発表、面接、スピーチ、自己紹介、電話などの日常生活の様々な場面で支障が出てくることがあります。 子どもにおいては、環境調整のみで改善する例もありますが、吃音の症状が続き、話す上での失敗体験や不快な気持ちが積み重なってくると、吃音の症状が悪化していき、鬱などを誘引する可能性もあります。   これは、学習的な要因ともされ、生活してきた中で話す行為・行動と考え方(認知・認識)が悪いかたちで条件付けされてきてしまったものともとれます。話し方、行動、考え方を良い方向・楽な方向に変えていくためには、言語のリハビリでこれらを再学習していく必要があります。   また、吃音の症状や不安の軽減をめざすうえでは、吃音のある当事者はもちろん、周囲にも吃音に関する正しい考え方や知識、対応を身につけていくことがとても重要です。 例えば、子どもの場合には幼稚園や学校へも症状や対応について相談しておくことをおすすめします。   「からかわれたりいじめの標的にされたりしていないかよく見てほしい」、「発見した場合にはすぐに教えてほしい」、「症状の出やすい状況(朗読や発表など)は避けてあげてほしい」などの要望を伝え、さらに具体的な対応の仕方まで相談しておけるとよいでしょう。 —————————————————————————– 吃音症のかたへのNGワード 吃音の症状が出ても「落ち着いて」と言わなくてよいことは、意外と知られていません。 精神的には落ち着いており、言葉が出ないだけなので、かえって苛立たせたり落ち込ませたりさせてしまうことがあるので注意してもらうことが必要です。   また、吃音には、純粋に吃音だけがみられるという方もいますが、その他の特徴(自閉症、注意・欠陥多動症、知的障害、読み書き障害、構音障害、早口症(クラタリング)、場面緘黙症など)を併せ持っている場合もありますので、吃音かどうか、吃音の種類はどうかの鑑別診断、合併する問題があるかどうかの評価を行うことが必要です。 —————————————————————————– 自分の子どもへの対応方法 1日10分でいいので、安心してゆったりと話せる時間を作る 親は、話しかけるときに言葉の合間合間に時間を取ってゆっくりと話す手本を見せてあげてください。 子どもに「ゆっくり話しなさい」などと、話し方の要求をするのはNGです。 最初の言葉が出ない難発性吃音ならば、話はじめたときに「待っているよ」、「大丈夫だよ」、「次は何のことば?」など声かけして、子どもの話したい意欲を持ち続けるように促がすことが必要です。 相手の言ったことばをそのまま返したり(復唱)、要約して復唱することで子どもが「伝わった」と実感をさせることも重要です。   言語聴覚士の活用 言語聴覚士は、国家資格であり言語リハビリテーションを専門とした職の一つです。 吃音をはじめてとした言語や音声、聴覚の障害に対し、各種検査を通じて症状を把握し、訓練・リハビリを行います。 主に耳鼻咽喉科やリハビリテーション科などに在籍していますが、未だ不足しているのが現状です。

2019/06/22

資格

言語聴覚士の国家資格を取得するためには

  超高齢社会の日本で、大変注目されていて、なおかつ人材不足のため求人倍率が高い職業と言われている『言語聴覚士』という国家資格があります。 言語聴覚士はリハビリテーションの仕事で、話す・聴く・食べるなどの専門職です。 小児から高齢者まで幅広い方の悩みに応える職業で、医療系国家資格です。   そんな言語聴覚士になりたい方へ どんなルートで国家試験にチャレンジすればよいか、わかりやすくご説明します。 言語聴覚士になるには、年1回の国家試験に合格する必要があります。 全国平均合格率は毎年60~70%くらいです。     この国家試験を受験するには、「養成校」と呼ばれる学校通う必要があり、 そこを卒業(見込み)すると、国家試験受験資格は取得できて、卒業間際の在学中に受験することができます。現在、通信教育では取得できないため、通学で学校に通います。   では、通学で養成校に通う場合、そんなルートがあるでしょうか? これには最終学歴によって選択することができます。   <高卒の場合> ①言語聴覚士の養成課程のある4年制大学に進学する。 ②言語聴覚士の養成課程にある3年制の短期大学・専門学校に進学する。     <大卒の場合> ①言語聴覚士の養成課程のある2年制専門学校に進学する。(一部大学もあり)   一般的に言語聴覚士の国家試験合格率の上位を占めているのは、大卒を対象とした専門学校2年制が多いと言われています。   言語聴覚士に必要な医療系幅広いカリキュラムを修得するため、『大卒以上の学力+2年間の学び』が、この結果をもたらしているのかもしれせんね。   そして、社会人からのキャリアチェンジ組が入学してきます。   クラスメイトは20代~60代と幅広く、目指す職業に向かって切磋琢磨されています。 将来、言語聴覚士として様々な患者様と関わりを持つ仕事になるため、これまでの社会人経験が強みになることは間違いありません。     そんな、社会人からの学び直しを検討する方が、次に知りたいのが、「仕事をしながら通えるの?」です。   答えが、「正直なところ、ちょっと難しいです…。」です。   まずは、養成校の主流は『昼間部』です。   日中は学校に朝から夕方まで通って、夜も課題などの学習時間の確保が必要です。     『夜間部』を開講している学校もありますが、現実には、病院などへの実習は日中で、 長期間仕事を休んで実習に行くことはハードルが高いです。 また、実際に通っている学生の声を聞いてみると、アルバイトは難しいそうです。   そうなると、入学前には「学習時間」と「学費」の用意が必要になりそうです。 あとはご自分の最終学歴によって、養成校を選択することになります。 ここまで読むととても大変な資格に感じますよね。 でも、臨床現場で多くの患者様に寄り添える医療人となるために、必要なカリキュラムとも言えます。   いつか、あなたの前にいる、悩める患者様を、あなた自身が支援できたら… 『すべては、患者さまのために』 とても素敵な職業です。

2019/06/09

失語症

失語症と構音障害のちがいとは?

  脳梗塞や事故によって脳の特定の部位に破損が生じると、言語機能に障害が出ることがあります。     後遺症による言語障害の症状や、言語聴覚士によるリハビリ方法などはそんな手法があるのでしょうか? もしご家族や大切な人が脳梗塞や事故にあったとき、そして言語障害を発症したら…   言語障害で代表的な「失語症」と「構音障害」の2つの違いをご説明します。     「失語症」と「構音障害」のちがい   話すことが難しくなる2つの脳の後遺症。 2つの違いは、何の能力に課題が生じているかどうかです。 話すための筋力が低下する構音障害は、脳梗塞や事故によって運動機能に影響を受けた時にあらわれます。 一方で、言葉を理解できなかったり、自分の頭の中でまとめられなかったりという症状が出た場合には、高次脳機能に障害を負ったことも考えられます。 失語症か構音障害かを診断するためには、医師や言語聴覚士が患者様の話し方や理解力に関する項目をチェックします。   声の大きさや話すリズム、声を出すときの様子から身体機能判断をするのが構音障害、 「挨拶できるか」「とっさに言った言葉を復唱できるか」という理解度をチェックするのが失語症です。     ・失語症とは?   失語症とは、大脳の言語をつかさどる領域が損失を受けて、ことばをうまく扱うことができなくなる症状です。 失語症の患者様は、「聞いて理解する」「話す」「読む」「書く」といった言語にまつわる4機能のいずれか、またはすべてに障害を受けています。 その障害の程度は、脳の損傷の程度によって差があります。   ≪失語症の種類≫ ・ブローカー失語症(運動性失語) 脳の前頭葉側に障害が起きた場合に多く、会話や文章の意味は理解できるが、うまく話すことができない。話し方がぎこちない。   ・ウェルニッケ失語症 (感覚性失語) 脳の側頭葉に障害が起きた場合に多く、話し方はなめらかであるものの、単語の間違いなどが多く見られる。聞いてその内容を理解することも困難。   ・健忘失語 話す内容は理解できるものの、単語や物の名前が出てない場合があり、話し方が回りくどくなってしまう特徴がある。   ・全失語 失語症のなかでもっとも重症な症状で、「話す」「聞く」「読み書き」のすべてに重度の障害はみられる。     ・運動障害性構音障害とは?   運動障害性構音障害とは、脳幹または脳幹につながる神経線維が損傷を受けて、その結果として、唇や舌などに麻痺が出て、ことばをうまく発音できなくなる症状です。運動障害性構音障害は、発声がうまくできないのは機能性の問題のため、耳で聞いて理解する能力・目を読んで理解する能力に問題はありません。ですので、利き手に麻痺が出ていない限りは、運動障害性構音障害で言葉が発することができなくても、筆談でコミュニケーションを取ることは可能です。   ≪構音障害の種類≫ ・弛緩性構音障害 大脳や脳幹にダメージを受けた時に現れる後遺症。失語症とは違い、相手の話を理解したり、頭の中で伝えたい言葉をまとめたりすることはできますが、舌や唇をうまく動かせないため、声という形で相手に伝えることが困難になります。   ・失調性構音障害 発話に関わる筋力が低下することで、話す時のリズムが不規則になったり、「ますます」「ジャラジャラ」など繰り返す音が言えなかったりする症状があらわれます。声の大きさにバラつきが出たり、震えたりして聞き取りにくい発語になります。     失語症や構音障害など言語障害が出た場合は、言語聴覚士の指導のもとリハビリをおこない機能回復を目指します。 文字を見せる、呼びかけるなどをおこないって言語機能の障害の程度を確認します。 どの能力を向上させる必要があるかを判明してから、話すための訓練へとステップアップしていきます。 言語障害の患者様は、言語聴覚士とのリハビリでのコミュニケーションや、ご家族との会話を増やし、できるだけ話してもらう機会を増やすこともリハビリになります。 また、患者様とのコミュニケーション方法に不安や悩みのあるご家族に寄り添い、ともに支えていくことも言語聴覚士の仕事といえます。

2019/06/09

失語症

「失語症」とは? ~「失声症」・「構音障害」・「学習障害」との違い~

  『失語症』とは?   『失語症』とは、言語障害の1つで、脳の言語中枢に損傷を受けることによって、言語を操る能力に障害が残った状態です。   その名称から話すことができなくなる障害と誤解されがちですが、失語症になると、話すことだけでなく、聞くこと、読むことといった言葉に関するすべての機能に困難が生じます。   具体的な症状や特徴には、 ・言いたい言葉が浮かんでこない ・思ったことと違った言葉を口にしてしまう  ・ことばが理解できない ・文章が理解できない、書けない ・声帯、口唇、舌の機能に問題がない などがあります。     『失語症』と症状が似ている障害・疾病との違いとは?   先にも書いた通り、「失語症」になると言葉の引き出しと、意味の引き出しの繋がりが混乱してしまいます。 そのため、言いたい言葉が浮かばなくなったり、「テレビ」と言いたいのに「メガネ」と言ってしまったりします。   また、よく「言葉のわからない国に放り出された状態」ともたとえられます。 私たちが外国に行ったとき、現地の人と言葉が通じず、相手が何を話しているか言葉は聞こえていてもその内容が理解できないことがあったり、看板に書いてあることはわかるけれど、音読したり意味がわからなかったりします。 現地の相手に伝えたいことはあるけれどそれをスラスラと伝えることができなかったり。   そんな状態と失語症はよく似ています。   ①『失語症』と『運動障害性構音障害(構音障害)』との違いとは? 失語症と構音障害は、同じ言語障害で、「言葉が出にくい」という点がよく似ています。 ただし、失語症と構音障害ではダメージを受けている脳の部分が異なります。 失語症は話すための言語中枢にダメージがあるのに対して、構音障害は話すという行為のときの呼吸筋や口を動かす運動中枢を使う部分にダメージを受けています。 そのため、『構音障害』は、言葉を話すために必要な唇、舌、声帯などの発声・発語に関わる器官の麻痺などによってうまく話せない状態をいいます。 『失語症』の場合は、言語中枢にダメージを受けている状態のため、麻痺がなくて口を動かすことができても、脳の言語中枢からの指令がうまく届かないため言葉が出なくなったり、正しくない単語が口から出たりするという違いがあります。     ②『失語症』と『失声症』との違いとは? 一般的に話せなくなる症状としてよく間違えられている『失声症』は、おもにストレスや心的外傷などにより心因性の原因によって声を発することができなくなったりする状態をいいます。   “発声器官に問題はないが、話すことができなくなった”という点では失語症と共通していますが、『失語症』は脳の損傷であるため、『失声症』のように心理的なショックや精神的ストレスが原因でないという違いがあります。     ③『失語症』と『学習障害』との違いとは? 『失語症』とおなじく、読む・書く・話す・計算するといった能力に困難が生じる症状のひとつに『学習障害』があります。 『学習障害』は、知的発達に遅れはないものの、「聞く」・「話す」・「読む」・「書く」・「計算・推論する」という能力のいずれか、または複数に著しい困難がある発達障害のひとつです。   学習障害の原因はまだはっきりと解明されていませんが、 『学習障害』は、先天的な脳の機能障害があるのに対して、『失語症』は、脳の言語中枢に何らかのきっかけで損傷を受けた後遺症であり、症状もその脳への損傷を受けた後に現れる後天的なものであるところが学習障害とは違いがあります。