2016年4月~6月に藤原さくらさんや福山雅治さんが出演していた月9ドラマ「ラヴソング」で話題になった吃音症。
ヒロインが吃音症という設定だったため、会話のシーンが大変印象的でしたが、非常に歌が上手、という設定だったため、吃音症とはどんな症状なのか・・?と疑問を持たれたかたも少なくないと思います。
そもそも「吃音症」とはどのようなものなのでしょうか?
ドラマよりも前、2010年の英映画「英国王のスピーチ」でも吃音症の人物は描かれていて非常にセンセーショナルな作品だったことを覚えています。
この作品については別の機会で紹介したいと思います。
非常に簡単なことばで表現すると・・・
吃音とは
「話し言葉が滑らかに出ない発話障害」
です。
主な症状は3つあります。
<主な症状>
1.連発(語音・音節の繰り返し)
「タタタタマゴ」のように音を繰り返す症状で、吃り始めた初期にみられる。
連発の症状があるかたは誰でも吃っていることが分かる。
2.伸発(引き伸ばし)
「タ-マゴ」のように音を引き伸ばす言い方で、これも初期にみられるが、成人になるにしたがって緊張が加わる。
3.難発(ブロック)
「・・・・・・タマゴ」のようにつまって音が出てこない。
ブロックといわれる成人吃音の多くにこの難発がみられる。最初の一音が出れば後は割と話せるので、周りの人は吃音だと分からないことが多い症状。
吃音症は複雑な会話を始める2~5歳ごろに発症する場合が多いです。
3つの症状の中では、あまり周りから認識されにくい難発が一番つらいと言われています。
吃音症をもっていると成長につれ、まわりからからかわれたりすることがあるため話すことが恥ずかしいという意識が芽生え、言い換えたり、無言になることで吃音症であることを隠すようになります。
<吃音の特徴>
・発症:2〜4歳が多い
ほとんどが7歳までに発症
・発症率:約5%
そのうちの約50%が自然治癒、もしくは簡単な指導で治癒
・男女差:男:女=3:1
・吃音児の約50%が家族に吃音児者がいる
・日本では100人に1人の割合で吃音者
<吃音発症の原因>
詳しい原因はまだ分かっていませんが、7割が遺伝子要因と言われており、脳の神経経路に原因があるそうです。
吃音の分類とその原因について紹介します。
・発達性吃音
⇒<原因>幼児期に明らかな原因もなく開始となる。
・獲得性神経原生吃音
⇒<原因>脳血管障害や変性疾患、頭部外傷など脳損傷が原因で開始となる。
・獲得性心因性吃音
⇒<原因>心理社会的原因で開始となる。
吃音症の改善方法とは?
治療方法大きくは①直接法と②間接法の2種類に分けることができます。
①直接法:意図的に話し方をコントロールし流暢な発話を目指す発話訓練
具体的には
・流暢性形成法
・吃音緩和法
・統合的アプローチ
などがあります。
②間接法:意図的な話し方のコントロールは行わず、正常な発話を促していく訓練
具体的には
・発話環境の調整
・系統的脱感作法
・自律訓練法
・年表方式のメンタルリハーサル法
などがあります。
この2つの方法の中で合うものを選び、組み合わせて改善を図っていきます。