小児

2021/12/07

小児

発達障害のこどもとのふれあい方とは

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。   「発達障害」という言葉をよく耳にするようになりました。 「障害」と聞くと「できない」とイメージしてしまいがちですが、これは「発達のでこぼこ」と言えるのかもしれません。 今回は発達障害の子どもとの接し方についてまとめとみましたので、ご一読ください。   1、「発達障害」の特徴   発達障害とは、生まれつき脳機能の発達の影響によって、コミュニケーションや想像力を働かせることが苦手な障害です。 発達障害には大きくわけて3つあります。   自閉症スペクトラム ・他者とのコミュニケーションが苦手 ・興味や活動が限定される   注意欠如・多動性障害 ・集中力が続かない ・忘れっぽい ・じっとしているのが苦手 ・衝動的に思い付きで行動してしまう   学習障害 ・「話す」「聞く」「読む」「書く」「計算する」「推論する」のうち、 知的レベルや本人努力不足に問題はないのに、学んだり使ったりすることが困難   知的レベルが高い子どもの場合は、発達障害の特徴である症状を知能でカバーして乗り切ることもあるため、周囲の人に気づかれないまま大人になり、「ちょっと変わった人」という目で過ごしている場合もあります。周りの人から敬遠されることが多いため精神的な苦痛を感じる機会が多く、精神疾患につながるケースも多いと言われています。   2、周囲の大人ができること   もし自分の子どもが発達障害かも?と思ったら、地域の発達障害支援センターに問い合わせたり、保健所、園や学校に相談することをおすすめします。 相談に乗ってもらえるだけでなく、医療が必要と判断されれば、適切な医療機関を紹介してもらうことができます。小児科医や言語聴覚士など発達障害を専門家に早期に診てもらうことで早めに療育を始めることができます。   「一人で抱え込まない」ということがとても大切です。 医療機関で発達障害だと診断されると、これまで自分の育て方が悪かったと思っていた保護者の方も、そうではなかったのだと、ほっとする方もいます。 発達障害の子どもたちが通う療育教室では同じ境遇の保護者同士でお互いに話したり交流することによって元気づけられた方もいるでしょう。 行政では、治療と教育をおこなう「療育」で、障害のある子どもが社会的に自立して生きていけるように支援をしたりしています。 自分だけで解決しようとせずに、地域で協力しながら子どもを育てることが大切です。   最新図解 発達障害の子どもたちをサポートする本 (発達障害を考える心をつなぐ) | 榊原洋一 |本 | 通販 | Amazon     3、発達障害の子どもとの接し方・伝え方   発達障害を抱えた子どもには、障害特性(障害の症状や特徴)があります。 特性によってはコミュニケーションが苦手な場合があって、本人の努力では解決が難しいこともあります。その場合には、子どもが理解できるように周囲が接し方や伝え方の配慮をすることが大切です。   【対応の基本ポイント】 簡潔に 論理的に   【伝えるときのポイント】 本人の気持ちを否定せずに、メリットや目的と意味を伝える。 見通しを明確に、変更は前もって知らせる。 タイムリーにその都度褒める、注意する。 否定や指摘よりも、肯定語で伝える。   障害の特性によって、コミュニケーションに苦手が生じることがあったり、本人の努力では解決が難しいこともあります。周囲が「伝え方」を配慮することは大切です。

2021/11/21

小児

ことばの遅い子のトレーニングとは?

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。   育児をしているママは子どもの言葉の遅れは気になりますよね。 「うちの子は言葉が遅い…?」という漠然とした不安を感じたり、1歳6か月健診や3歳児健診でことばの遅れを指摘されたりすると、より一層その不安な気持ちに拍車がかかってしまいます。 今回はことばの遅い子に不安を感じているママの参考になれば幸いです。   発達障害を疑う前に   近年「発達障害」への関心が高まるにつれて、子どもの言葉の遅れをすぐに発達障害と結びつけるケースも増えてきています。また、発達障害への診断を急ぎ過ぎる傾向も見られます。 そもそも子どもの発達段階には個人差がとても大きいものです。言葉の出てくる時期も個人差があるので、言葉の遅れだけで発達障害と判断するのは困難です。   発達障害などの影響が疑われる場合であっても、そうでなくても、子どもの言葉をはぐくむために家庭でできる働きかけが大切です。 子どもへの接し方を少し変えるだけで子どもの反応が変わったり、子どもの興味を持ったことに一緒に関心を寄せることで、子どもの自己肯定感やコミュニケーション能力が高まったりするのです。 こうした家庭での日常の働きかけが、『こどもの芽』を育てることにつながっていきます。   参考文献:『ことばの遅れが気になるなら 接し方で子どもは変わる』監修:古壮純一 講談社   言葉の発達の平均時期と目安と必要なサポート   先述のとおり、言葉の発達には個人差があり、言葉が出てくるのはその子によって大きな差があります。今回は言葉の出てくる平均的な時期をご紹介します。 もし言葉の発達に不安な場合、小児科医や言語聴覚士などの専門家に相談する目安にしていただければいいでしょう。   【生後2か月~3か月頃】 ・「アー」「ウー」という喃語で声を出し始めて、自分の声を聞き、喋る練習をしています。 【6~7か月】 ・「アブブブ」「アムアム」という違った音を組み合わせて、お喋りし始めます。 【7~8か月】 ・自分に話しかけてくる大人の口をマネしたりします。 【10か月頃】 ・「ダメだよ」や「じょうずだね」という禁止の言葉や褒めの言葉がわかるようになってきます。 ・「ママ」や「マンマ」といった単語を話すようになってきます。  ※子どもに話しかける時には、子どもの顔を見てゆっくり、はっきりとわかりやすい言葉で繰り返しかけるようにしましょう。   ※「ママだよ」といつも同じ大人が指をだして教えると、「ママ」がいつも同じ人だと気づいて、大人が言っている言葉が何かのサインであることがわかってきます。   【1歳前後】 ・意味のない喃語/「ダダァ」「パー」などの自分で作った造語/「ワンワン」などの意味のある単語の3種類の言葉を使います。 ・そして喃語や造語が消えていって、意味のある単語が残っていきます。 ・ 【1歳~2歳】 ・言葉の早い子は「ブーブーきた」「マンマほしい」などの2文語が出てくるようになります。    ※この時期は子どもが何を言っているかわからなくても、ちゃんと聞いて、答えてあげることが大切です。  ※「上手にお喋りできているね」「そうね」と言葉で人と関わる楽しさを体験させてあげましょう。   【2歳~3歳】 ・2歳前後になると「なんで?」という質問をたくさんするようになってきます。 ・言葉も2語文から3語文に変わっていきます。 ・自我の芽生えから盛んに「イヤ」を連発するイヤイヤ期に入ってきます。    ※自我を育てるためにも「褒める」ことを上手に使ったコミュニケーションを取っていきましょう。   【3歳~4歳】 ・3歳前後になると、語彙が800~2000語に増えて、「一人称」と「二人称」を理解して使い分けができるようになります。 ・「どうして?」「あれなに?」のように、ひたすら質問を繰り返すようになります。    ※子どもに理解しやすいように、短い文でわかりやすいように具体的に話をしてあげるといいでしょう。  ※子どもの中には、恥ずかしがって人の目を見ないで話す子や、うつむいてお友達に話しかけられない子もいます。その場合には、親が相手の目をみて話すようにサポートしてあげたり、自分の言葉で話すように促してあげましょう。そして、自分の言葉で相手に伝えられたら、たくさん褒めてあげましょう。   【4歳~5歳】 ・日常生活に必要な言葉はほぼ身に付き、一般的には1700~2000語程度の語彙を獲得していると言われています。 ・接続詞が使えるようになって、お友達との会話も盛んになります。 ・独り言も増えますが、これは頭の中で考えていることが外言として出ている状態です。    ※家族以外の人とも話す時間を増やしていくと度胸もついていいでしょう。  ※あまり話をしない子には、無理強いせずに、発語にたいして共感してあげ、安心して会話ができるような環境を整えてあげましょう。   【5歳~6歳】 ・日本語の仕組みがわかってきて、しりとりや逆さ言葉、なぞなぞで遊んだりします。 ・文字にも興味を持ち始めて、自分の名前や仮名を読んだり書いたりします。    ※子どもがした体験を、家族やお友達の前で話す機会を作るとよいでしょう。  ※文字や形の違いにも興味を持つので、ひらがなのカードゲームもおすすめです。  ※簡単な文章をひらがなで並べられるようになると、書く力にも通じる文節能力が育ってきます。   言葉の発達を知るため   言葉の発達には脳の発達が不可欠です。 言葉をつくるのは大脳ですが、大脳は会話や言葉をかけによって鍛えられるので、子どもが心地よくいられるような言葉かけや会話をたくさんしてあげると、語彙が豊かに育つと言われています。   言葉の遅れの原因はさまざまで、重度の難聴、脳性麻痺など明らかな原因がある一方で、特に幼児期ではその多くが原因を特定することが難しいと言われています。 健診は、育児全般に関する悩みが相談できる機会です。専門家が必要だと判断した場合には、発達検査や身体的な検査を行うこともあります。 仮に、聴覚障害や発達障害などが疑われた場合にはショックを受けて落ち込んでしまう方も多いと思いますが、現実を見据えて、今後その子が生きやすくなる道を作ることに気持ちを切り替えていくことが必要です。   言葉の遅れを客観的に判断できるようになるのは、およそ3歳から5歳くらいが目安です。 3歳を過ぎても、一人称と二人称の使い分けができない、5歳を過ぎても自分の意見を相手に伝えられず簡単な会話も成立しないなど、もしも子どもの言葉に「あれ?」と思うときには、ひとりで悩まずにお住まいの保健センターや、言語聴覚士などの言葉の発達の専門家に相談してみるといいでしょう。   「声を出すために必要な器官の動きが発達している」 「言葉を聞き分ける聴力が十分に発達している」 「言われたことを理解する知能が発達している」 「子ども自身は話すという欲求がある」   この4つの条件がすべて満たさせると、子どもは言葉を発するようになります。   参考:国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター 発達障害情報・支援センター (rehab.go.jp)   新宿ことばの相談室 新宿ことばの相談室|日本福祉教育専門学校 (nippku.ac.jp) ことばの遅れ等のご相談・トレーニングをご案内しています

2021/02/15

小児

言葉の発達-こどもの発達段階の目安を知ろう―

子どもの言葉の発達についてご紹介します。 言葉の発達目安や発達が遅れる原因を知っておくと、子育てママも安心です。     1、言葉の発達段階   言葉の発達には、年齢ごとに段階があります。 もちろん発達には個人差がありますので、ここでは発達の目安についてお話しします。   0~1歳【喃語】 「あーあー」「うー」などの母音から始まる言葉(喃語)が出てくる時期です。 ママやパパなど愛着関係のある大人の顔を見ると、ニコニコしながら喃語でお話しします。   1歳~1歳6ヶ月頃【一語文】 「まんま」「ブーブー」など意味のある単語を使って、一語文を話し始める時期です。 自分の気持ちを一語文で伝えようとします。   1歳6ヶ月~2歳頃【二語文】 「これ、ちょうだい」など2つの単語を使って、文章のようにお話しします。 子どもの気持ちも受け止めやすくなるので、絵本などを使ってたくさん言葉に触れるようにして、言葉を楽しみましょう。   2歳~2歳6ヶ月頃【三語文】 「わんわんのえほんよんで」など3つの単語を使って、より意味のある言葉を話すようになります。 この時期には「なんで?」「どうして?」と疑問に思うことも増えて質問してきます。 子どもの好奇心になるべく丁寧に寄り添いつき合ってあげましょう。   2歳6ヶ月~3歳頃【模倣】 発音がしっかりしてきて、大人の真似をしたがるようになります。 簡単な言葉の意味に興味を持って使いたがるので、わかりやすいように丁寧に説明してあげましょう。   3歳~4歳頃【複文】 2つ以上の述語が組み合わせいる複文を使い始める時期です。 代名詞や助詞を使い、大人と対等に話せるようになってきます。   4歳~5歳頃【コミュニケーション】 話す意慾が高まり、友達同士でも会話を楽しむ時期です。 言葉で自己主張して、自分の思いを伝えて解決しようとするので、口喧嘩も増えてくる時期です。それぞれの思いを聞きながらお互いが妥協できるように話し合う場をもつことが大切です。   5歳~6歳【物語】 自分が体験したことを言葉にして相手に伝えることができるようになります。 小学校に入学すると、本格的は学習がはじまり新しいお友達も増えるので、未就学前にコミュニケーションの幅を広げておくといいでしょう。 できるだけたくさんの言葉を使って会話を楽しんだり、絵本の読み聞かせを繰り返すと 単語や正しい文章を身に付けることに繋がります。   2、言葉の発達に必要なこと   言葉の発達は他の子どもと比べてしまいがちですが、発達にはいろいろな要素が影響して います。言葉の発達に必要なことをおもに4つ挙げます。   ①言葉を聞き分ける『聴力』が発達していること。 ②言われたことが理解できる『知能』は発達していること。 ③発声するための『運動機能』が発達していること。 ④子どもに話すという『欲求』があること。   これらの4つの条件が揃うと子どもは言葉を話すようになります。 もし言葉の遅れが気になる場合には、まず耳がきちんと聞こえているかを確認してみるの がようでしょう。 その場合は小児科や耳鼻咽喉科で診てもらったり、聴こえの専門家でもある言語聴覚士に 検査してもらうなどがおすすめです。   この条件以外で、最近では核家族が増えてきた影響もあって、家族間の会話が減ってしまったり、インターネットを長時間見たりと、子どもが家庭での家族との会話が減っていくことも子どもの言葉の発達に影響する場合があるので、注意しましょう。

2020/07/08

嚥下障害

言語聴覚士の仕事内容、年収、合格率を徹底調査!①

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。 今回はコミュニケーションや食べる機能を支えるリハビリのスペシャリスト「言語聴覚士」について、その詳しい仕事内容や、知っておきたい収入面、国家試験の難易度などについて徹底調査! 2回連載の第一弾です。 言語聴覚士を目指したいと思っている方、興味のある方はぜひご一読ください。 ▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼ 1、言語聴覚士(ST)とは   「耳がよく聞こえなくて言葉がわからない」「聞こえても発声や発音ができない」「言葉が理解できない」といった障害は先天的なものだけでなく、脳卒中や脳梗塞、耳の病気など後天的な病気が原因となって発病することも多いです。 このような言葉によるコミュニケーションが困難となってしまった人たちの状況を改善・軽減するためのリハビリ専門職が言語聴覚士です。また、言語以外の認知機能のリハビリや、飲み込みなどのリハビリも言語聴覚士が行います。 言語聴覚士は英語で「Speech Therapist」と呼ばれることから、日本でも「ST」と略されて呼ばれています。   2、言語聴覚士の仕事内容   言語聴覚士は患者様一人ひとりに合った訓練や指導が求められます。 サポートすべき様々な障害の種類と、その仕事内容について説明します。   聴覚障害 周囲の音や声が聞こえない、聞き取りづらい状態で、『難聴』とも呼ばれています。生れつきの聴覚障害を持つ先天性のものと、事故・疾病・高齢化などによる後天性のものが存在します。 言語聴覚士の仕事● 言語聴覚士は聴覚検査を実施して、障害の度合いや種類を調べます。そして、言語の訓練とともに、必要に応じて補聴器のフッティングや人工内耳の調整をおこないます。   言語・コミュニケーションの障害 代表的なものとして、『失語症』『構音障害』『音声障害』などがあります。 これらの障害は、「話す・聞く・理解する・読む・書く」という、言語コミュニケーションに関する機能を妨げる障害です。 言語聴覚士の仕事● 障害の具合を観察すると同時に、原因や経過を加味しながら、言葉の理解や発話、読み書きの訓練をおこない、家庭や社会生活への復帰をサポートします。   認知機能の障害 認知機能とは、知覚・記憶・思考・感情・学習・判断などの社会生活に適応するために必要な機能の総称です。この障害の代表的なものとして『高次脳機能障害』があります。 また、超高齢社会の日本では、認知症の患者様も増えています。 言語聴覚士の仕事● 認知障害の評価、機能訓練、リハビリなどおこないます。   子どもの言語発達とコミュニケーションの障害 子どもは3~4歳くらいまでの間に自然と語彙や文法を学習して身に着けていきますが、なかには発達障害・知的障害・聴覚障害などの原因で、同年齢の子どもと比べて言語の発達が遅れてしまう子どもがいます。 言語聴覚士の仕事● 言語発達に遅れがある子どもたちに対して、周囲の人たちのコミュニケーションに関心を持つように指導したり、語彙や文法の習得に向けた訓練をおこなったりします。またご家族が教育機関などと連携して、子どもの周辺の環境を整える役割もあります。   摂食・嚥下障害 食べて飲み込むことを摂食嚥下と言い、この行為が阻害されてしまう状態のことです。 とくに高齢者に多く、歯が抜けてなくなったり、加齢による舌や顎の筋肉が衰え、脳卒中の後遺症による麻痺などさまざまな原因があります。 摂食嚥下障害は放置すると、食べられないことよって本人の栄養状態が悪くなってしまったり、食べたときでも食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまい、誤嚥性肺炎で命を落としてしまうことにもつながる障害です。 言語聴覚士の仕事● 胃ろうやチューブでの栄養摂取を選択せず、自分で口から食べられるように維持回復の支援に努め、同時に摂食嚥下が可能な評価や助言をおこないます。 ▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼ 次回は働く場所、国家試験の難易度をおつたえします!

2019/09/03

小児

子どもの聴覚障害 ~診断と治療・改善法~

  聴覚障害とは、音の情報を脳に送るまでの部位に障害があるため、 音が聞こえない、または聞こえにくいという情報です。 ここでは子どもの聴覚障害の診断や治療・改善法についてご紹介します。     1、子どもの聴覚障害はどうやってわかるの?   聴覚の障害が重症な場合には、 生後まもなく聞こえの問題が発見されますが、 中軽度の場合にはその発見が遅れる傾向にあります。   子どもの聴覚障害の場合には、 コミュニケーションや言葉の発達に遅れが生じることがあり、 それらの遅れを保護者は気づき、聴覚障害を見つけるきっかけとなることが多いようです。   【おもな聴覚障害に気づくサイン】 ・乳児のときに一時期でていた「あー」「あうあう」などの声を出さなくなった ・大きな音がしても反応しない ・生後6か月を過ぎても、相手の声の真似をしようとしない ・3歳までに単語をしゃべらない ・言語の代わりに手振りなどジェスチャーを使う   【年長以上の子どもで、難聴のサイン】 ・周りの子どもより言葉の数が少ない ・理解しにくい言葉でしゃべったり、非常に大きい、またはか細い声を出したりする ・何度も聞き返す ・ぼんやりしていたり、読み書きや計算が苦手だったりする   これらの項目に当てはまる場合は、聴覚障害と一概に判断することはできませんが、 子どもの様子を見て、心当たりがあったり、気になることがあれば、 病院の耳鼻咽喉科で聴覚検査を受けてみることをおすすめします。     2、聴覚障害の治療・改善方法   先天性の聴覚障害には、 治療で治すことができるものと、治すことができないものがあります。 治すことができない聴覚障害の場合は、聴力を補うための改善方法をおこないます。   子どもの聴覚障害の場合には、 早期に治療をスタートすることが理想的と言われています。 聴覚障害の改善には、難聴の種類や聞こえの程度によって、 下記のような改善方法があります。   ・補聴器 補聴器は、ふつうの声の大きさで会話が聞こえにくくなったとき、 はっきりと聞くための医療機器です。 とくに伝音性難聴では、補聴器が有効となります。 音を脳に伝える機能の障害である感音性聴覚の場合、 補聴器では改善されないこともあるため、その場合には別の改善方法がとられます。   補聴器にはたくさんの種類があり、価格によっても機能がさまざまです。 その子どもの症状や障害にあった適切な補聴器を選ぶことが大切です。 補聴器選びは、補聴器の相談医や言語聴覚士から販売店の紹介を受けること良いです。   補聴器に購入には保険が適応されません。 身体障害者手帳をお持ちの場合には、 補装具交付申請書を市町村の福祉関係の窓口に提出することで 一割負担で購入できる可能性もあります。   ・人工内耳 人工内耳は、機能しなくなった内耳の部分に電極を挿しこみ、 音を電気信号に変えて神経を送る方法です。 ただし、子どもの場合には以下の条件があります。   ・年齢が1歳以上 ・体重が8㎏以上 ・6か月以上の補聴器装用によっても十分に音を聞くことができない   人工内耳の手術は、健康保険が適用されるほか、 自立支援医療(更生医療)、高度医療費支給などの各種医療費の助成を受けることにより、 医療費負担の軽減ができます。   ・手術 難聴の原因部位によっては手術をすることがあります。 手術が必要な例としては、音も聞こえを阻害している異物の除去や、新たな鼓膜の形成、 中耳の骨を人工のものに置き換える必要があるなどが挙げられます。 耳の手術は、耳の後ろを開いて行うものと、耳の穴から部位を治療する方法があります。   ・服薬 内耳の循環や血行を良くするために、 血管拡張薬、向神経ビタミン製剤の薬が処方されることがあります。 薬物による治療は、効果や必要量・期間に個人差があるため、 服薬の際には専門家の指導を受けながら用量・用法を守りながらおこないます。    

2019/09/03

小児

子どもの聴覚障害 ~種類と原因~

  聴覚障害とは、音の情報を脳に送るまでの部位に障害があるため、 音が聞こえない、または聞こえにくいという状態です。 ここでは子どもの聴覚障害の原因や種類についてご紹介します。     1、聴覚障害とは?   聴覚障害とは、先に述べた通り、 音の情報を脳に送るための部位のいずれかに障害があるために、 音が全く聞こえない、あるいは聞こえにくい状態のことです。   音が全く聞こえない状態を「全聾(ぜんろう)」、 音が聞こえにくい状態を「難聴」といいます。   また、聴覚障害には、後天性のものと生まれつきの先天性のものがあります。   ・先天的な難聴について 先天的に難聴のある子どもは、毎年1000人に1人の割合で生まれています。 聴こえの障害は、生まれつきの障害の中で、もっともよく見られる障害のひとつです。 そのために新生児の段階で聴覚に問題がないかどうか調べるために、 スクリーニング検査を受けることがすすめられています。   ・子どもの難聴の発見の遅れについて 子どもの難聴が中軽度の場合、重度の場合に比べて発見が遅れる傾向があります。 中軽度の場合には、子ども本人も自分が難聴であるという自覚をすることが難しく、 日常生活で不自由が生じても、保護者に伝えてくることが稀であるからです。   ・言語発達の遅れについて 耳から言語など情報を適切に取り入れることができない聴覚障害のある子どもは、 言語発達やコミュニケーションに遅れが生じる傾向にあります。 そのため、聴覚に問題が見つかったときには、できるだけ早く治療を始めたり、 言語聴覚士による訓練や視覚的な手段を使ったコミュニケーション方法を取り入れることによって、 言葉の獲得を目指します。     2、聴覚障害の原因   ・遺伝的な要因 父親と母親の遺伝子の組み合わせや、遺伝子の突然変異などにより 引き起こされる難聴です。 遺伝的な要因の場合、外耳やそのほかの器官に奇形など、 難聴以外の障害が同時に出現することがあります。   ・遺伝以外の要因 遺伝以外の要因には、母親の妊娠中にかかった以下の疾患があげられます。   ・風疹 ・サイトメガロウィルス感染 ・トキソプラズマ ・ヘルペス感染 ・梅毒   そのほかに   ・早産(妊娠37週未満の出産) ・出生後の頭部外傷や、幼小児期の感染症(髄膜炎、麻疹、水ぼうそう) ・ストレプトマイシンなどの抗生物質などの薬 ・耳の感染症(中耳炎)による難聴 など   上記は聴覚障害全体の原因の約6割であり、 そのほかの原因についてはまだわかっていないこともあります。     3、聴覚障害のタイプ   聴覚障害は、聴こえを阻害する部位によって異なり、3つのタイプがあります。 タイプごとに治りやすさ、治療方法、改善方法も変わってきます。   ・伝音性難聴 外耳から内耳の間で、異物などが音の通り道を遮ることで起こります。 具体的な原因が以下の通りです。   ・腫瘍や耳垢などにより外耳道が塞がっている ・鼓膜に傷がついている ・中耳に水が溜まっている ・中耳が菌などに感染し、膿が溜まっている   これらの症状が原因となる「難聴」の場合は、一時的なものがほとんどであり、 薬を飲んだり、溜まった水や膿を抜く治療をおこなうと聴こえが改善されます。   ・感音性難聴 耳の奥の内耳と呼ばれる部位に障害がある状態です。 遺伝的な要因や妊娠中の感染が原因で起こるタイプの難聴です。 音も感知する部分と、その音を信号に変換する部分に障害が起こっているため、 治療や手術によって聴こえを改善することができないこともあります。 そのような場合には、補聴器や人工内耳の装着によって、聴こえを補うことが必要です。   ・混合性難聴 伝音性難聴と感音性難聴が同時に引き起こされる場合が、混合性難聴です。    

2019/09/02

小児

就学時検診を知る-新小学1年生へ向けて-

就学時健康診断は、 小学校新1年生又は義務教育学校新1年生を対象とした 学校保健安全法に基づく健康診断です。 毎年、10月~11月にかけて検診を実施をする自治体が多く、 この検診結果を経て次年度から小学校への就学を証明する 「就学通知書」が届くことになります。     就学時健康診断で調べることは・・・   内科・歯科等医師による健康診断 視力・聴力検査 発達検査 グループ面接 等 が実施されます。     内科や歯科など健康状態のチェックが「健診」   「健診」は内科、歯科など、子供の現時点の健康状態をチェックするものです。   内科 (肥満・やせ気味の他にも皮膚の状態や骨格のチェックも含む) 歯科 耳鼻科 眼科 予防接種の確認   例えば歯科について。   成人が行なうような虫歯の有無を調べる歯科検診の意味合いだけなく、 この時期のお子さんは乳歯から永久歯に生え変わる過渡期と重なりますので、 年齢相応に歯が形成されているかどうかの確認をします。 また、子供の口腔状況から虐待の発見をすることも目的としています。   子供への虐待の歯科的特徴としては、歯または口腔顔面の外傷が考えられますが、 保護者が子供に歯科治療を受けさせず、多数歯の虫歯や歯肉膿瘍などが放置されている ネグレクト(育児放棄)を発見する可能性が高 いと言われています。   このように、第三者より身体的確認をすることにより、子どもの成長だけでなく、 子どもの家庭環境についても確認することを目的としています。     知能や言語などは「検診」   「検診」はお子さんの能力や知能、言語などの発達状態の確認です。   知能検査または知的発達スクリーニングなど 言語調査 聴覚検査 視力検査   これらからは発達上の問題を発見することを目的としています。   例えば「知的障害」。   知的障害とは、「発達期に起こり、知的機能の発達に明らかな遅れがあり、 適応行動の困難性 を伴う状態」をいいます。 知的障害の多くは、胎児期、出生時及び出生後の比較的早期に起こり、 発達期の規定は18歳以下とすることが一般的としています。   そのため、知的機能の発達に明らかな遅れがあるということは、 知的発達に同年齢の平均的水準より明 らかに遅れがあり、 コミュニケーション、自己管理、家庭生活、自律性、健康、安全などに関する 機能の発達の遅れが生じます。   知的機能の発達の原因としては、中枢神経系の器質的・機能的障害に加えて、 心理的・社 会的理由が挙げられますが、その状態が絶対的に変わらない、 ということではなく、教育を含めた生活環境を整備することにより、 適応行動の改善が認められるとされています。     就学時健診後の進学先の種類について   「普通学級」 …通常の健常児のクラス   「通級」 …普通学級に籍を置きながら特別なクラスに何日か通う形式   例えば、国語は普通学級で授業をうけ、算数は別の教室で授業をうける、 ということがあります。レベル別学級のような仕組みです。   「特別支援学級」 …学校の中に併設された配慮の必要な子どものためのクラス   「特別支援学校」 …盲・聾・知的障害児のための独立した学校   就学時健診を経て、子どもたちの個性に合わせてた学校保健、学習環境を提供することが目的です。    

2019/09/02

小児

子どもの発達段階と家庭教育~小児療育のための基礎~

  子どもの発達段階ステージでは、 胎児期から青年期おける発達段階を理解して、 段階に応じた家庭教育を心掛けましょう。     1、胎児期(生まれる前)   【発達段階】 健康な胎児環境による心身の基礎構築   ・視覚器官、聴覚器官が形成される ・感覚器官の発達によって、周りの言葉や感情に反応する (なでられたり優しく話されたりすることで安心を感じることができる) (母親の怒りや哀しみを感じて不安感を生じることはある)   【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】 新しい命の誕生を喜び、子育ての情報を得て、イメージづくりをする。   ★母体の健康保持に心がける ・休息、睡眠、栄養、適度な運動 ・母親の情緒安定   ★子育てのイメージを具体的にもつ ・家族での家事や育児の協力、分担について話し合い ・子育てに必要な知識の習得     2、乳児期・幼児前期(0~3歳)   【発達段階】 安心できる親子関係の構築   ・無条件に自分を愛し保護する存在として親を信頼する ・周囲への好奇心が芽生える ・少しずつ母親から離れ他者とかかわる ・基本的生活習慣の基礎が身に付く   【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】 家族のふれあいを通じて、愛情に支えられた豊かな人間性・社会性の基盤を育む   ★0歳~1歳くらいまで、赤ちゃんの望んだことはすべてかなえてあげる、 という気持ちで育てる ・親の温かいまなざし ・温かい言葉かけ ・十分なスキンシップ   ★身の回りのことを子ども自身がやり遂げることができる実感を体得させる ・生活リズム、早寝早起き、食生活 ・トイレトレーニング   ★親としての自覚を持つ ・親の生き方や接し方が子どもの将来を左右することを理解する ・「ありがとう」「ごめんなさい」を親(保護者)が言える ・父親母親など周りの大人が協力して取り組む     3、幼児後期(4~6歳)   【発達段階】 自発性の芽生え   ・集団遊びができるようになり、対人関係能力や秩序感覚を身に付け始める ・善悪の判断基準が形成され始めるとともに、良心が芽生える ・対人関係が保てるようになり他者への思いやりを持つことができる ・身の回りのことが自分ででき始め、基本的な生活習慣が身に付く   【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】 遊びや生活の中で、ほめたり認めたりしながら、社会性の獲得を手助けする   ★社会性を身に付けさせるための基本的なしつけをする ・社会のルール、家庭のルール ・善悪の基準、あいさつ、我慢、お手伝い   ★やる気を育てる ・親が見本を示す ・一緒にやってみる ・笑顔でほめる、認める   ★子供の自発性をのばす ・「自分でする」習慣を身に付けさせる ・子どもの話を十分聞く     4、児童前期(7~9歳)   【発達段階】 自発性の芽生え   ・集団の中で役割を決めて遊ぶことができる ・他者に共感し、我慢や分けあい、交代などができる ・善悪の判断や規範意識の基礎ができる ・身辺自立ができる ・自然や生命を慈しむことができる   【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】 様々は活動をとおして、知・徳・体のバランスの取れたしつけを行う   ★積極的に運動や学習に取り組めるよう、生活リズムを整える ・早寝早起き朝ごはん ・家庭学習習慣確立のための声かけ、見届け   ★規範意識を育てる大切な時期であることを自覚する ・様々な体験や活動に挑戦させ、認める、褒める、方針を示す ・その時々の親の感情によって子どもへの対応を変えない ・親の行動を通じてより良いお手本を示す ・あいさつ、お手伝いなど、親子で小さな実践を積み重ねる   ★子ども同士のトラブルに冷静に反応する ・いつでも相談できる学校との関係づくりを心がける ・親の判断で子どもの人間関係をコントロールしない     5、児童後期(10~12歳)   【発達段階】 他者意識の芽生え   ・他者との関係の中で自分のことを考えたり、他者への接し方を考えたりするようになる ・他者との関係の中で善悪の判断がつく ・自分の感情や欲求を抑えることができる ・トラブルを解決しようとすることができる ・失敗から学ぶことができる ・集団の中で自分の役割を意識し、責任を果たそうとする ・生き物の世話をする   【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】 一方的な欲求や叱責ではなく、子どもとの対話を大切にして、 子どもが他者との関係の中で自分の存在を認められるように支援する   ★子どもと仲間の育ち合いを支える ・子どもの人間関係を把握する ・金銭や物を与え過ぎない ・地域行事や体験活動に、子どもとともに積極的に参加する ・子どもが失敗したり悩んだりしている時には、良き相談相手となる   ★子どもの自己有用感(自分が必要とされていると感じる気持ち)を育てる ・家族の一員としての役割を持たせることで、 「自分は家族の中でなくてはならない大切な存在である」と感じさせる ・学習やお手伝いなどさまざまな経験を積ませることで 「自分は自分なりにやっていける力がある」と感じさせる     6、青年前期(13~15歳)   【発達段階】 自分らしさの気づき   ・自己意識過剰で感受性が強くなり、情緒不安定になりやすい ・他者との関係の中で自他の違いを認め、自分に特性に気づく ・自分の良さを実感したり、自分の短所を自覚したりする ・仲間関係が強くなり、特定の友人との深い人間関係を築く ・異性との望ましい関係を学び始める ・自他の生命の重さが理解できる ・人間の弱さを理解し、思いやり、共感、感謝、批判、悲しみ等が言葉にできる ・社会の一員として自立した生活を営む力を身に付ける ・公共を意識して自分の行動を抑制できる ・法やきまりの意義を理解し、公徳心を持つ ・困難に対処することができる   【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】 大人の世界に踏み出すために悩み葛藤する子どもにとって、 家庭が精神的安らぎの場となるよう、子どもを温かく見守るとともに、適宜助言する。   ★子どもを一人の人格として認め、接する ・思春期の心と体について理解する ・性や生命について子どもに語る ・夫婦がお互いに尊敬しあう   ★自己肯定感(自分のことが好き、自分は生きている価値があると思う気持ち)を育てる ・「自分は大切な存在である」という実感できる機会をつくる ・他者との比較でなく、子どもの長所を褒める   ★将来の夢や自己実現に向けて働きかける ・点数や成績だけではなく、適正と対話で進路に助言する     7、青年中期(16~18歳)   【発達段階】 自分の個性への誇り   ・思春期の混乱から脱却し、大人の社会を展望しながら生きる課題を真剣に模索しはじめ る ・親から心理的に離れ、自分を客観的に見つけ、自立する(親離れ) ・家族や周囲との関係の中で自分の在り方を決める ・自分らしさを見据えながら、将来を描き始める ・社会人となることや親となることをイメージしはじめる   【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】 子どもを一個人として信じ見守るとともに、 人としての生き方を語り合いながら社会人としての自立を支援する。   ★自立に向けて助言する ・子どもに願う生き方を伝える ・子どもの考えを受け止めながら語り合う ・父として、母としての生き方を語る   ★自立した一個人として接する ・子どもを信頼する ・子どものよいところを言葉で伝えるなど、感情を伝え続ける    

2019/09/02

小児

こどもの心身の発達相談~児童相談所・療育センター・養護教育センター

最近のニュースでは、児童虐待を訴えた児童やその保護者と 児童相談所との関わり方が話題になりました。     こどもの心身の発達など育児に関する相談先の体表的な機関として 「児童相談所」「療育センター」「養護教育センター」が挙げられます。   “どこに相談したらいいの?” “どの機関が相談先としてあっているの?”   実際にこどもの発達について相談したいときの相談先について わかりやすくお伝えします。     1、児童相談所   原則として、0歳から18歳未満のこどもを対象としており、 子ども本人からの相談も受け付けをしています。 相談には、児童福祉司・心理判定員・言語聴覚士・社会福祉士・医師などの 専門スタッフが必要に応じて対応します。   ①子どもを育てられない、子どもの対応に悩んでいる、子どもを預けたいなどの相談 ②児童虐待が疑われる場合の相談 ③心身の発達の相談 ④非行の相談、性格や行動に心配があるなどの相談 ⑤不登校、いじめ、友達付き合いがうまくできないなどの相談 ⑥言葉や発達に関する相談 など     2、療育センター   原則として、発達に遅れに心配のある0歳から満18歳の方を対象としています。 心身の発達に遅れや心配のある子どもに対して、 診断・検査・評価をおこない、障害の早期発見と発達支援を目指すなど、 日々の具体的対応のアドバイスもおこなっています。   ①歩くことが遅いことへの相談 ②ことばをなかなか話さないことへの相談 ③耳の聴こえが心配なことへの相談 ④落ち着きのない行動が見受けられることへの相談 ⑤幼稚園や保育園でお友達と遊べない、集団行動が苦手などへの相談     3、養護教育センター   特別支援教育の充実を目指して、 障害等のある子どもの教育相談や特別支援教育についての 教職員研修、指導法等の研究や情報提供をおこなっています。   ①特別支援学級相談 ②LD等通級指導教室 ③学習のつまづき、学習習慣、生活習慣への相談     こどもの心身の発達相談にはさまざまな専門家が関わっています。   子どもに対して、このような心配ごとがあるときには、 一人で悩みこまず、ぜひご相談ください。    

2019/08/06

小児

小児難聴とは

  1、幼少期の難聴について   難聴とは、音を聞いたり、音を区別したりする能力が低下している状態です。 中耳や内耳の障害であり、脳の障害ではありません。   そして難聴は生まれつきの障害の中で最もよく見られる障害のひとつです。 先天性難聴は1000人に対して1人の確率で生まれます。   そのため、新生児は生後1ヵ月以内、できれば出産後の退院前に聴覚のスクリーニング検査を受けることが勧められています。   言語やコミュニケーション能力は、生後2~3年のうちに急速に発達するため、難聴の発見が遅れると、これらの能力の発達も遅れてしまいます。     2、幼少期の難聴の原因について   難聴には、遺伝によるものとそうでないものがあります。   遺伝によらないものは、出産時やその前後の病気も含まれます。 また、原因がわからないものもあります。   難聴を持ったお子さんの90%は、聴こえが正常なご両親から生まれています。     3、難聴の3つのタイプ   難聴は、聴こえの障害が起こる部位によって3つのタイプに分けられます。   ①伝音性難聴 音が外耳や中耳に伝わっていく途中で、何かが音を遮ることによって生じます。 鼓膜の傷、中耳に水が溜まっている滲出性中耳炎、中耳の感染である急性中耳炎、外耳道の途中の塞がりなどが原因となります。   ②感音性難聴 内耳の細胞が振動を感じとることができない場合や、信号を脳の聴こえの中枢へ伝えることができない場合に生じ、 妊娠中の感染や遺伝的な要因はこのタイプです。   感音性難聴は通常一生続くため、補聴器で音を聞くことができるようになりますが、ハンディが伴うことがあります。   脳にある聴こえの中枢にダメージを受けた場合も感音性障害が生じ、 中等度以上の場合は補聴器や人工内耳が必要になります。   ③混合性難聴 混合性難聴とは、感音性障害の子どもが、中耳に水が溜まっている場合など、伝音性難聴もあるときに起こります。 急に起こった中耳炎の場合、難聴の予防には、早いうちの適切な治療が必要です。     4、幼少期の難聴を疑うサインについて   保護者は以下の難聴サインに注意して、気になることがあれば医師に相談しましょう。   ・大きな音にびっくりしない ・生後6ヶ月を過ぎても、音がする方向へ向いたり、音の真似をしようとしたりしない ・生後9ヶ月になっても、まだおしゃべりしない ・3歳までに単語をしゃべらない ・何か表現をするときには言葉の代わりにジャスチャーを使う   さらに、年長以上の子どもの場合   ・周りの子どもより言葉数が少ない ・理解しにくい言葉でしゃべったり、非常に大きい声またはか細い声を出したりする ・何度も聞き返す ・テレビの音を非常に大きくする ・学校でぼんやりしていたり、読み聞かせや計算が苦手だったりする   補聴器の診断、補聴器処理、手術などは耳鼻咽喉科医がおこないます。 補聴器の調整や人工内耳の音入れ、言語訓練などは言語聴覚士がおこないます。