ADHDの子育て① ~ちゃんと理解すれば、子どもも保護者もラクに!~

2019/08/02

小児

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何度注意してもなかなか行動や感情のコントロールできない“育てにくい子”に

悩んでいる保護者の方は多いのではないでしょうか?

 

少し落ち着きがないだけなのか、いわゆるADHDなのか…

 

見極めるポイントやその特徴についてご説明します。

 

 

1、ADHDは病気なの?

 

ADHDはその子の個性であり、病気ではなく“発達の遅れ”

 

身長が高い人もいれば低い人もいるように、性格も人によって様々な特徴があります。

ADHDもひとつの特徴(個性)であるとも言えて、落ち着きがないと言われる人の片隅に存在します。

 

昔から、授業中に歩き回り落ち着きがない子はいました。

「性格だから仕方ない」とあきらめられ、治療などしてこなかった時代もありましたが、

その後、学校や社会への不適応を起こしていた「性格」や「性分」が、医学的な概念と

てまとめられるようになっていきました。

 

医学的な見地から捉えられることで治療法などが確立されていき、

社会の中でさまざまな不適応を起こしていた人が、学校や家庭での生活もしやすくなりました。

日本でADHDがよく知られるようになったのは、15年ほど前からだとされています。

 

いずれにしてもADHDは病気ではなく、その子の発達の偏りです。

しかしながら同じ年齢の子ができることができず、少し発達上の遅れがあるという状態を指します。

 

 

2、ADHDの3つの特徴って、詳しく知りたい!

 

家でも園でも同じ行動があって、保護者や本人が困っているか?がポイント

 

たとえば、クラスに30人の子どもがいるとして、そこに落ち着きがなくて目立つ子が3~4人いるとすると、そのうち1人か2人はADHDかもしれません。

 

ADHDの特徴には、【不注意】【多動性】【衝動性】の3つがあるとされています。

しかし、この3つが当てはまるからというだけではADHDとは言えず、

この行動が家(家庭)や学校、園など2か所以上で、同じような落ち着きがないこと、

その上で保護者や先生、そしてその子ども自身が、そうした特徴に困っていることがADHDの定義と言えるかもしれません。

 

●ADHDの3つの特徴●

 

【不注意】

・やるべきことが決まっているのに、日常ルーティン(歯磨きなど)ができない。

・忘れ物が多い。

・何をどこに置いたか忘れてしまい、いつも探し回っている。

・宿題を後回しにしがちで、なかなか手を付けない。

・取り組み始めてもイヤイヤで、続けられない。

・先を見越して行動ができない。

・丁寧に字が書けない。ノートが乱雑になる。

・計算などでスピードを重視すると、十と一を間違えるなどケアレスミスが多い。

・勉強していても、音に敏感に反応してしまう。

 

【多動性】

・じっとしていられず、授業中や食事中も席を立ってうろうろしてしまう。

・手や足で何かをいじって遊んでいることが多い。

・貧乏ゆすりをする。

・女の子の場合、いつも髪をいじっている。

・高い所から飛び降りるなど、危険な遊びをすることが多く、よくケガをする。

・外食先などでは興奮してはしゃいだりするので保護者がハラハラする。

・静かに遊んだり、本を読むのが苦手。

・よく喋る。

 

【衝動性】

・先生の質問を途中でさえぎり答えてしまったり、先生に当てられていないのに

答えを言ってしまう。

・腹が立つと、すぐに殴ってしまう。

・何事にもすぐに反応してしまう。

・おもちゃや道具の順番を待てずに、横入りしてしまう。

・他の子に対して余計な干渉をしたり、邪魔をしたりする。

 

 

3、ADHDは親の育児が原因なの?

 

ADHDは、親の育て方が悪いせいじゃない!

 

子どもに問題があると、「保護者の育て方が悪い」「しつけが悪い」と、

祖父母や先生、周囲のママたちから言われてしまいがちです。

 

でも、ADHDの子どもはもともとしつけが定着しにくく、教えたことが積み上がっていかないという特性があるのです。

 

普通の子どもなら10の努力でできることを、ADHDの子には20~30の努力が必要だったりもします。ですから、保護者が自責の念にかられる必要はありません。

 

ADHDの特徴をよく理解して、接し方や対応を変えることが大切なのです。

 

※こちらの記事は入学検討者向けに掲載しているため、簡易的な説明となっております。
転載・流用はご遠慮ください。

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