コラム

2022/09/12

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《学生インタビュー》前期臨床実習を終えて・・・老人介護施設/維持期

こんにちは。日本福祉教育専門学校入試広報課です。 言語聴覚療法学科2年生の小野さんへ前期実習が終わった感想などをインタビューさせていただきました。 (実習先は埼玉県深谷市の老人介護施設・維持期) これから言語聴覚士を目指す方に向けて実習での学びのイメージを膨らませていただけましたら幸いです。 前期実習を振り返って大変だったことなどの感想を教えてください 大変だったことは2つですね。 1つめは自宅から片道2時間かかるため、宿泊を選択しました。 そのため実習前の準備と実習中の生活に慣れる事が大変でした。しかし実習先の近くで生活できて、実習地へ通うの楽なので宿泊実習は利点がいっぱいです。 2つめは実習中は座学で学んだ事だけでは説明できない症例や症状を目の当たりにすることばかりだったのでそれを調べるという事が大変でした。   実習を振り返るとすべてが新鮮で楽しかったです。 利用者様、職員の皆さんの対応を実際に見ることができ、生き生きとしている姿が素晴らしく、ここで働きたいと思える程楽しく就職したいとまで思っています。   実習中はどんなことを経験しましたか? まずは言語聴覚士の仕事や施設の見学から始まります。ご自宅に訪問する「訪問リハビリ」やST室で行うリハビリ、施設の他職員がどのような仕事をしているか、など施設内を見てまわりました。 4日目からは実習指導者の先生が行っているリハビリ内容を真似て、実際に利用者様と接する機会がありました。 5日目からは検査を行い、検査→訓練プログラム立案→訓練→再評価→症例レポート作成を実習指導者の先生と共に行いました。 特殊だと思いますが実習中に、施設の納涼祭に参加させて頂きました。 ここではダンスを披露したり、わんこそば、縁日に参加し、利用者様との交流をすることができました。STの職業役割とはまた違う経験ですが、利用者様の笑顔を見ることが非常に心に残りました。   実習指導者の先生との関り方とは? 実習指導者=「厳しい」のでは?勝手なイメージを持っており、体育会系出身だったので「ある程度の厳しさなら耐えられる・・・」と覚悟を決めて臨みました(笑) しかし、実際はとても優しい先生で、実習だけでなく、言語聴覚士の働き方や現状、就活のアドバイスなど頂き、悩み相談までしてくださいました。 今回の実習先は老人介護施設だったので、他職種(理学療法士、介護職員、ケアマネージャー、相談員、看護師)の先輩方からも「調子はどう?」「大変?」「わからないことがあれば声かけて」など大変良くしていただきました。 利用者様だけでなくそこで働く専門職同士、多職種連携が欠かせない職場なんだなとあらためて実感しました。   また日福では実習前に5月に「実習指導者会議」があります。 この機会を通じて実習指導者の先生と実習前にお会いすることができます。 実習初日に知らないところへひとりで向かうのは大変心細いですが、日福では事前にお会いできてお話を伺うことができるので大変心強かったです。 >>今年の実習指導者会議の様子はコチラ   実習での一番の思い出は何ですか 実習最終日に感謝の気持ちを込めて何かできないかと思い、利用者様の前で歌を披露させていただきました。職員の方含め、総勢50名ほどが集まってくださり、歌い終わったときに温かい拍手をいただきました。最後に利用者様よりお手紙と一言づつメッセージをいただき、短い期間だったけど少しでも皆さんの心に寄り添えた存在になれたのかな、ととても感動し感涙しました。 教室の授業ではわからなかった「温かい心」をこの実習では体感することができたのだと思います。   実習前の準備について教えてください 実習前にいままでの授業の総復習をしました。演習の授業は実習に関わる内容が多く含まれていたので、実習先に必要な知識だと感じたところは復習しました。 特に自分が一番力を入れたことは検査練習です。実習先においてある、検査道具は一通り、満遍なく練習していきました。その中でも利用頻度が高そうな検査は何度も同級生と一緒に繰り返し練習をしましたね。 日福の本校舎7階にはたくさんの検査道具がおいてあり、学生は自由に使うことができます。 時間があれば同級生と1対1で検査練習を行うことがあります。また先生も検査練習に付き添ってくださるので安心です。 後期実習にむけて意気込みを教えてください! 前期(維持期)とは違い、後期は急性期病院への実習になる為、色々と学びの違いがあると思いますが、持ち前の笑顔と元気だけは忘れず臨みたいと思います!   ******************************** 小野さん、お忙しいところインタビューありがとうございました! 言語聴覚士が関わる維持期の福祉施設における実習についてお話ありがとうございました! 後期実習は分野が異なる実習先ということなのでさらに多くの学びを身につけてきてくださいね♪またお話聞かせてください! (インタビュー:入試広報課)

2022/09/02

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《学生インタビュー》前期臨床実習を終えて・・・医療機関/回復期

こんにちは。日本福祉教育専門学校入試広報課です。 言語聴覚療法学科2年生の青山さんへ前期実習が終わった感想などをインタビューさせていただきました。(実習先は神奈川県のリハビリテーション病院) これから言語聴覚士を目指す方に向けて実習での学びのイメージを膨らませていただけましたら幸いです。   前期実習(4週間)を終えた感想をおしえてください   私は実習というものが人生で初めての経験でしたので、正直なにもかもが大変でした。 でも実際に終わって振り返ってみると大変さよりも楽しさの方が勝っていたと感じています。   大変とはいっても、よくイメージされる精神的に追いやられるような大変ではなく、私にとっての大変さは片道2時間の通学と毎日のレポートです。   実習時間内に終了できなかったレポートは実習先から許可をいただき、帰宅してからの作成していたので、通学時間が長いため睡眠不足になりました。   なので、実習地が決まった時に1時間半を超える立地と分かった場合は、宿泊実習を強くオススメします(笑)   毎日のレポートと前期実習の総まとめとなる症例レポートの作成は語彙力が乏しい私にとってはだいぶ苦労しました。 逆に今回の実習では多くの患者様の訓練の見学をさせていただいたことと、症例レポートにご協力くださった患者様とのコミュニケーションが大変勉強になりました。 「私で参考になれば、たくさん勉強していってくださいね」と患者様の方から声をかけてくださったので、とても有難かったです。   実習って実際にどんなことをするのでしょうか?   私の実習先は回復期病院だったのですが、毎日2~3症例の訓練見学と、実習2週目の途中から実習指導者の先生の患者様を1名担当させていただき、評価(検査)→訓練プログラムの立案→訓練→再評価→症例レポートの作成までを、実習指導者の先生と一緒に行いました。   その他にも、ST科内の勉強会やカンファレンスにも参加させていただき貴重な経験をさせていただきました。 今回の実習で担当させていただいた患者様には『評価と訓練』を実際に行いましたが、その他にも毎日病棟まで患者様をお迎えに行き、訓練が終わってからも次の訓練の場所まで一緒に行ったりと、患者様とお話できる機会をたくさんいただけたので、その日の体調や患者様が好きな事など、リラックスして楽しく交流ができました。 実習中に相談できるかたはいるのでしょうか?   実習中は必ず実習指導者として先輩STが実習生は就きますので何かあれば相談できる環境があります。 私の先生はとても気さくで、熱心に指導してくださる方だったため、実習を終えた今では先生のようなSTになりたい、と思っているほどです。   患者様とのラポール形成の仕方はもちろんの事、他職種の方々とのコミュニケーションの取り方、観察や評価からどのように問題点を抽出して、訓練を組み立てるか、症例レポートのまとめ方等、ここでは書ききれないほど多くを先生から学ぶ事ができました。   実習中に一番記憶に残っている出来事などはありますか? 実習指導者の先生を始め、在籍の言語聴覚士の先生方は皆さん10年以上の経験を持つベテランSTばかりだったので、実際の訓練を見学させていただけたこと、訓練記録のレポート提出後のフィードバックでは、観察方法や記録を取る際の注意すべき視点や考察の捉え方・書き方等、とても丁寧にご指導くださり、大変勉強になりました。 また、嚥下評価でVFを見学できた事が良い経験になりました。 実習前の準備は大変でしたか?   事前にSLTAの手続きをしっかり復習するよう課題がでていたので、SLTAの手順とヒントの出し方、段階の付け方を一目で確認ができるようにノートにまとめていました。 正直、実習前はどこまで勉強したらいいのか分からなかったので、その他はそこまで力を入れて勉強していませんでした。 しかし前期実習を終えた今言えることですが・・・(笑)失語症・構音・嚥下障害は用語や神経、解剖、音声表記など基礎知識はもっと事前にしっかりと頭に入れておくべきだったと反省しています。(日々の訓練の観察やレポートで考察を記載する際に必ず必要となるからです!)   後期実習にむけて意気込みを教えてください。   後期実習は場所は異なりますが、同じく回復期病院での実習になるので、前期実習で学んだ事を総復習し、後期実習につなげていきたいです。   あとは一番大事なことですが、日々元気に実習に臨めるよう体調管理をしっかり行いたいと思います!   ******************************** 青山さん、お忙しいところインタビューありがとうございました! 言語聴覚士の実習についてわかりやすいお話ありがとうございました。 後期実習もさらに多くの学びを身につけてパワーアップした姿でお会いできるのを楽しみにしています! (インタビュー:入試広報課)

2022/08/28

コラム

水木一郎さん、肺がんステージ4で言語聴覚士によるリハビリ中

人気アニメ「マジンガーZ」などの主題歌で知られる歌手の水木一郎さん(74)が、リンパ節や脳への転移を伴う肺がんステージ4を公表されました。 昨年4月に声が出にくくなったために検査して、その結果、ステージ4の肺がんと認定されたとのことです。 現在は、手術をして経過も良好とのことですが、歌手として以前と同じように歌えるように言語聴覚士によるリハビリを始めているそうです。 今回は病気の予後だけでなく、言語聴覚士によるさまざまな音声治療や声の症状について説明します。   【声の症状と音声治療について】   1 痙攣性発声障害 <おもな症状> ・声がつまって出ない、言葉が途切れてしまう。 ・声がふるえる ・喉に力が入ってしまい、話すと疲れる。 ・声が出る時もあれば出ない時もあって安定しない。 <おもな原因> ・脳内からの指令がうまく声帯に伝達されていないとされるため 診断基準に合わせて評価を行う。なんらかの音声疾患が隠れている場合あり。 <治療法> ・言語聴覚士による発生練習(音声リハビリテーション)やアドバイス ・ボツリヌストキンの声帯注入療法 ・外科治療(手術) など 2 慢性声帯炎、声帯結節 <おもな症状> ・声がかすれる、通らない ・高い声や裏声が出しにくい、歌いづらい。 ・仕事で声を多用するが休めない ・喉に力を入れないと声が出にくい、疲れる <おもな原因> ・声の使用量が多い。 ・声帯が閉じにくかったり、発生時に非対称に振動するなど声帯疾患がある。 ・胃酸の逆流、咳、咳払い ・アレルギーによる炎症 ・免疫力の低下や糖尿病などの基礎疾患がある など <治療法> ・言語聴覚士による発生量の調整、のどに負担のかかる発声様式の改善などの音声 リハビリ ・声帯を休める ・声帯注射 など 3 構音障害(小児/大人) <おもな症状(小児)> ・子どもの発音が不明瞭、活舌が悪い。 ・特定の言葉がうまく発音できない。(「さかな」→「たたな・ちゃかな」など) ・発音が悪く、よく聞き返される。 ・幼稚園や保育園で話し方を指摘された。 <おもな症状(大人)> ・特定の言葉がうまく発音できない。(「さしすせそ」は言いにくいなど) ・よく聞き返されたり、発音を指摘されたりすることがある。 ・昔から気になっていたが、仕事などで困ることがある。 <構音障害(発音の問題)の種類> ・機能性:構音器官の形式や動きに明らかな問題がなく、原因が特定できない。 構音障害の中では最も多い。 ・器質性:口蓋裂術後や先天異常など構音器官の形態異常が原因。 ・運動障害性:言葉を発声するために必要な神経・筋系の病変による。 <治療法> ・聞こえ(聴力)や口の形、言語発達について検査をする。 ・検査結果に基づいて、訓練が必要な場合には言語聴覚士が1対1で定期的な訓練を する。 ・小児の場合には、保護者がリハビリを行えるレベルまで言語聴覚士が指導して、家 庭での協力もあわせて行なう。 4 流暢性発声障害 <おもな症状> ・言葉の出だしが声がつまってしまう。 ・ことばの一部が繰り返される。 ・喉に力が入ってしまい、話すと疲れる。 ・喉に力を入れないとうまく話せない。 ・コミュニケーションや人間関係で悩んでしまう。 <おもな原因> ・大人の場合は、幼少期に発症したものが続いている発達性と、 診断基準に合わせて評価を行う。なんらかの音声疾患が隠れている場合あり。 <治療法> ・言語聴覚士による発生練習(音声リハビリテーション)やアドバイス ・ボツリヌストキンの声帯注入療法 ・外科治療(手術) など ********************************* 水木一郎さんのように病気によって声が出づらい患者様への音声治療や構音訓練(発生の訓練)などコミュニケーションでお困りの様々な方へのリハビリをおこなうのが言語聴覚士です。 そのほかにも「食べる」や「聴く」など生活には欠かせない機能のリハビリを担っています。 コロナ禍でがんと闘っていらっしゃる水木一郎さん。 公式サイトでは『以前のようなパフォーマンスを取り戻すことは決して簡単ではありませんが、これからもこの病と向き合いながら生涯現役を目標に活動を続けたい』を説明されています。 パワフルな歌声で世代を超えて日本を元気づけてくれたアニソンの帝王水木さんの歌声を聞くことができる日を楽しみにしたいと思います。

2021/09/21

コラム

あなたのキャリアチェンジストーリーを教えてください~1年生・川村さん~

こんにちは。日本福祉教育専門学校入試広報課です。 好評につき第二弾です。 現在、言語聴覚療法学科1年生の川村さんに言語聴覚士を目指したキャリアチェンジストーリーをインタビューさせていただきました。   Q1.前職はどんな仕事(分野等)をしてましたか 企業勤めではありますが、0歳から中学生を対象に英会話講師として教育業界に携わっていました。   Q2.なぜSTを目指したいと思ったきっかけを教えてください   英会話講師として働く中で、発達障害や難聴、吃音がある生徒との出会いがありました。保護者の方から子育てへの悩みやお子さんへの思いを聞く機会が多く、何かできることはないかと思ったのがきっかけでした。そんな時、保護者の方からことばの相談室に通ってる話を聞く機会があり言語聴覚士に興味を持ちました。   Q3.STへのキャリアチェンジについて一番考えたことや相談した方はいますか。   一番悩んだのは言語聴覚士の学校に通うか、転職をするかという点です。 やりたいことの方向性が決まったものの、仕事を辞めて収入がないなかで学校に通うということへの不安がとても大きかったからです。進学ではなく、転職して障害があるお子さんへ関わることもできるのではないかと悩みました。 この決断をするにあたり、医療従事者の友人や仕事を辞めて大学院に通っている友人、STの知り合いなどに相談をして、心配なことや不安をなるべくクリアにしてき、やっぱり「言語聴覚士になりたい!」という気持ちが強くなり進学を決意しました。 Q4.入学して5ヶ月が経過した今、おもっていること(期待や不安など)はありますか   様々な経験やキャリアを持つ先生方や同級生からたくさん刺激をもらえ、新しいことを学ぶことが楽しいです。(もちろん勉強は大変です…!) 前期は講義授業が多く、なれない単語に苦労はしましたが、これからは演習の授業が増えていくので楽しみでもあり、少し不安でもあります。 日福がクラスメートが多いので周りのみんなと協力して頑張っていきたいと思います。   Q5.最後にSTへのキャリアチェンジを目指しているかたへメッセージをお願いします!   進学を決めるまでは、勉強についていけるか、経済的不安、新生活への不安、自分はSTに向いているかなどいろいろ悩みました。 しかし実際学校に通ってみてすでに5ヶ月。それらの不安はなんとかなる!というのが今の気持ちです。 大人になってからやってみたいと思えることってなかなかないと思うので、ぜひその気持ちをSTに興味を持っていただいた皆さんにも大事にして欲しいなと思います。 笑顔が素敵な川村さん、インタビューありがとうございました! ぜひ素敵な言語聴覚士になられることを楽しみににしています!

2021/09/08

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あなたのキャリアチェンジストーリーを教えてください~1年生・山田さん~

こんにちは。日本福祉教育専門学校入試広報課です。 現在言語聴覚療法学科1年生の山田さんに言語聴覚士を目指したキャリアチェンジストーリーをインタビューさせていただきました。 異業種からの医療職へ転職を決断する不安、そのときの相談相手など、人生の大きな決断のときの思いなどお伺いしました。ぜひ言語聴覚士(ST)へご興味のあるかたへのご参考になれば幸いです。   Q1.前職はどのような仕事(分野等)をされていましたか。 一般企業で総合職として経理部に所属し、国内外の協力会社への支払や貿易実務などを行っていました。なので、STは全くの畑違いでした(笑)。   Q2.STを目指そうと志したキッカケを教えてください。 前職を3年ほど経験した頃、誰のために働いているんだろう?定年退職するとき、自分は何をしたと言えるか?など漠然と悩んでいました。 そんな時、母が受けていたSTのリハビリを見たときに、自分もやってみたいと思ったからです。 配置転換も考えましたが、どの職種にも興味が湧かず、一般企業には向かないのかなと…笑 リハビリ職も様々で、学費や通う期間も比較検討しました。STは、見た目では分かりづらく人に理解されにくい障害を持つ方と接するのではないかと考え、そうした方の生活環境を変えたいと思い、STに決めました。   Q3.キャリアチェンジについて一番考えたことや相談者はいますか。 キャリアチェンジにあたり、特に悩んだのは、大学卒業後就職したのに、そのレールから外れることでした。周りは昇進したり結婚したりする中で、その道から逸れて自分だけ時が止まるような感じがしました。 この悩みを相談したのは、友人と同僚です。再進学を考えていることを伝えると「自分のやりたいことをやれば?やらない後悔よりやる後悔だよ」と言われ、吹っ切れました。   Q4.今年4月から入学して今感じていること(期待や不安など)を教えてください。 4月から授業が始まりましたが、母が受けていたリハビリの裏には、さまざまな分野の理論が複雑に絡み合っているんだなと感じました。授業を通じ知識を得て、2年後にはSTとして実際に働くんだなという期待もありますが、実際にそれを臨床で活かせるのかという不安もあります。 Q5.最後にこれから言語聴覚士へのキャリアチェンジを検討しているたへメッセージをお願いします! キャリアチェンジをご検討の方、いろいろ悩まれると思います。 私も学校探しから入学決定まで半年以上悩みました。友人や同僚に相談したりSTについて本やネットで調べたりしましたが、結局決めるのは自分です。職場のことお金のこと周りからの視線・評価など気にしてたらキリが無いです。自分がやりたいこと、なりたい姿を想像して、再進学したいかどうか自分に問うことが決断の助けになると思います。   山田さん。インタビューへのご回答ありがとうございました! >>言語聴覚療法学科の雰囲気を動画で紹介しています<<

2021/07/15

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緩和ケアにおける言語聴覚士の役割~食べる喜び~

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。 大腸がんのため6月30日に亡くなった元中日、日本ハムで選手、監督として活躍した野球評論家の大島康徳さんの公式ブログ『この道』が注目されています。 4年半の闘病生活をつづったブログには、末期がんを患いながらも明るく前向きで素敵な言葉がたくさん書かれています。 最期は在宅医療から緩和ケア病棟に移行して亡くなったとブログで公表されています。 亡くなる2日前に更新された「生きる」のなかで印象的な言葉ありますので、一部をご紹させていただきます。 「生きる」 生きるとは 歩くこ 人として 生きるとは 自分の口から 食べたり飲んだり すること 自分の足で 歩いてトイレに行くこと  ブログを書くことがきつくなってきました。… がん患者さんにとって「食べる」ということは生きる喜びとも言えるのではないでしょうか。 今回はがん患者さんとそのご家族の「食べる喜び」を支える言語聴覚士の仕事について考えてみたと思います。 1、がん患者さんにとって「食べる」ということ がん患者さんにとって「食べる」ということは、ときに喜びを感じ、ときに苦しみやプレッシャーに感じることがあるのかもしれません。 病期の進行で食事の摂取量が20%以下に低下したり、体調が30%以下するとQOLが低下てしまいます。 緩和ケアの食事では、免疫能の低下予防、栄養状態の維持・改善のため必要とされる電解質や栄養を積極的に摂取できるように、口から食べる経口摂取のほかに、経腸・静脈栄養などを栄養士が中心となって食事対応をしていきます。 でも、がんという病気は悪液質、栄養障害と進んでしまう場合が多くあります。困難な栄養障害となるときもあります。 そんなときには、「食べる喜び」が大きな栄養治療のひとつとなるかもしれません。 大島康則さんのことばにもあったように、がん患者さんにとって「生きる」ということは食べること」だと思います。 食べるということは、一歩先へつなぐことなのかもしれません。 病気の進行で食欲不振、悪心、嘔吐など食に関連した悩みは多くあると思いますが、そのなかでも食べたいものを思い浮かべて、「食べる喜び」を感じることも生きる力になるのではないでしょうか。 また、食欲がない中でも笑顔で食べている様子はご家族の幸せな時間でもあります。 2、緩和ケアにおける言語聴覚士の役割とは 前述の通り、がん患者さんの「食べる喜び」をサポ―トするのは、栄養士とともに言語聴覚士もその中心を担います。 言語聴覚士は「食べることのプロフェッショナル」です。 がんの進行や治療の過程では様々な機能障害が生じることがあります。 特に嚥下障害を生じた末期がん患者さんの嚥下訓練は、栄養管理やQOL低下予防のためとても重要です。 言語聴覚士が緩和ケアに介入して、「口から食べる」という患者さんの希望を叶えるために、嚥下機能評価の可能な限り、安全な摂取方法を検討して、さらには誤嚥のリスクや代償手段を患者さんやご家族、また他職種に情報提供をすることで患者さんのQOLの向上に寄与します。 終末期になっても「自分の口から食べたい」と希望する患者さんに、言語聴覚士は口から食べることに伴うリスクを十分に説明した上で、より安全な摂取方法を他職種と共有し協力を得ながら、がん患者さんやご家族に寄り添い満たすことが嚥下障害のある患者さんの緩和ケアにおける言語聴覚士の重要な役割だと考えます。 がん医療に伴う喜びの低下や消失には、「食べられない」「食べたくない」「おいしくない」という思いもあるのではないでしょうか。 「食べられた」「食べたい」「おいしい」を思えることが、がん患者さんの回復にもつながり、治療を維持する体力や生きる力になると思います。 「おいしい」を味わっていただける仕事。言語聴覚士はそんな職業なのかもしれません。

2021/07/13

コラム

言語聴覚士の仕事内容、年収、合格率を徹底調査!

こんにちは。日本福祉教育専門学校です。 今回はコミュニケーションや食べる機能を支えるリハビリのスペシャリスト「言語聴覚士」について、その詳しい仕事内容や、知っておきたい収入面、国家試験の難易度などについて徹底調査!言語聴覚士を目指したいと思っている方、興味のある方はぜひご一読ください。 1、言語聴覚士(ST)とは   「耳がよく聞こえなくて言葉がわからない」「聞こえても発声や発音ができない」「言葉が理解できない」といった障害は先天的なものだけでなく、脳卒中や脳梗塞、耳の病気など後天的な病気が原因となって発病することも多いです。 このような言葉によるコミュニケーションが困難となってしまった人たちの状況を改善・軽減するためのリハビリ専門職が言語聴覚士です。また、言語以外の認知機能のリハビリや、飲み込みなどのリハビリも言語聴覚士が行います。 言語聴覚士は英語で「Speech Therapist」と呼ばれることから、日本でも「ST」と略されて呼ばれています。   2、言語聴覚士の仕事内容   言語聴覚士は患者様一人ひとりに合った訓練や指導が求められます。 サポートすべき様々な障害の種類と、その仕事内容について説明します。   聴覚障害 周囲の音や声が聞こえない、聞き取りづらい状態で、『難聴』とも呼ばれています。 生れつきの聴覚障害を持つ先天性のものと、事故・疾病・高齢化などによる後天性のものが存在します。 言語聴覚士の仕事● 言語聴覚士は聴覚検査を実施して、障害の度合いや種類を調べます。 そして、言語の訓練とともに、必要に応じて補聴器のフッティングや人工内耳の調整をおこないます。   言語・コミュニケーションの障害 代表的なものとして、『失語症』『構音障害』『音声障害』などがあります。 これらの障害は、「話す・聞く・理解する・読む・書く」という、言語コミュニケーションに関する機能を妨げる障害です。 言語聴覚士の仕事● 障害の具合を観察すると同時に、原因や経過を加味しながら、言葉の理解や発話、読み書きの訓練をおこない、家庭や社会生活への復帰をサポートします。   認知機能の障害 認知機能とは、知覚・記憶・思考・感情・学習・判断などの社会生活に適応するために必要な機能の総称です。この障害の代表的なものとして『高次脳機能障害』があります。 また、超高齢社会の日本では、認知症の患者様も増えています。 言語聴覚士の仕事● 認知障害の評価、機能訓練、リハビリなどおこないます。   子どもの言語発達とコミュニケーションの障害 子どもは3~4歳くらいまでの間に自然と語彙や文法を学習して身に着けていきますが、なかには発達障害・知的障害・聴覚障害などの原因で、同年齢の子どもと比べて言語の発達が遅れてしまう子どもがいます。 言語聴覚士の仕事● 言語発達に遅れがある子どもたちに対して、周囲の人たちのコミュニケーションに関心を持つように指導したり、語彙や文法の習得に向けた訓練をおこなったりします。またご家族が教育機関などと連携して、子どもの周辺の環境を整える役割もあります。   摂食・嚥下障害 食べて飲み込むことを摂食嚥下と言い、この行為が阻害されてしまう状態のことです。 とくに高齢者に多く、歯が抜けてなくなったり、加齢による舌や顎の筋肉が衰え、脳卒中の後遺症による麻痺などさまざまな原因があります。 摂食嚥下障害は放置すると、食べられないことよって本人の栄養状態が悪くなってしまったり、食べたときでも食べ物や飲み物が誤って気管に入ってしまい、誤嚥性肺炎で命を落としてしまうことにもつながる障害です。 言語聴覚士の仕事● 胃ろうやチューブでの栄養摂取を選択せず、自分で口から食べられるように維持回復の支援に努め、同時に摂食嚥下が可能な評価や助言をおこないます。   3、言語聴覚士の働く場所 言語聴覚士の活躍の場がさまざまありますが、なかでも多い職場は以下の3つです。 第1位:医療機関 言語聴覚士の7割以上が医療機関で働いています。 医療機関のなかでも、病院のリハビリテーション科・リハビリテーションセンター・回復病棟・口腔外科・耳鼻咽喉科などが挙げられます。 医療機関で働く言語聴覚士は、患者様一人ひとりに合わせた機能回復訓練やリハビリテーションを実施して、社会復帰に向けた相談や支援をおこなっています。   第2位:介護・福祉機関 近年増えてきているのがこちらの分野です。 具体的には、特別養護老人ホーム・老人保健施設・デイサービスセンター・訪問リハビリテーション事業所などです。 高齢者を対象とした機関では、介護職員や栄養士など連携して摂食嚥下障害の訓練や指導をおこないます。 また、高齢者ではなく、肢体不自由児施設や重症心身障害児施設など児童を対象とする施設では、聴覚障害や摂食嚥下障害などの訓練・指導、言語コミュニケーションの訓練を実施したり、そのご家族への助言・指導をおこないます。 小児療育に関わることができる仕事と言えるでしょう。   第3位:教育機関 言語聴覚士として働く場所は臨床現場だけではありません。 病院や施設などの臨床現場で言語聴覚士として働いた経験を活かして、教育機関で働く言語聴覚士も実は多いのです。 具体的には学校です。言語聴覚士を養成する大学や専門学校として講師として働くことができます。臨床現場で働きながら非常勤講師として勤務をしたり、学校に勤務して専任講師として教員という道もあります。 また、上記以外でも小学校や中学校の特別支援学校で障害を抱える子どもの指導をおこなうという教員としての働くという仕事もあります。この働き方をするときには教員免除が必要となります。   4、言語聴覚士の合格率や難易度   言語聴覚士は国家資格のため、国家試験に合格しなれればなりません。 また、この国家試験を受験するには高校を卒業した後に言語聴覚士養成課程の大学や短期大学や3~4年の専門学校に進学するか、大学を卒業した後に言語聴覚士養成校(2年間)に進学する2つのルートがあります。 この2つのルートで国家試験の受験資格を取得して、はじめて国家試験を受けることができます。   最短ルートでは、高卒から3年制の専門学校に通学することですが、通信教育のみで取得することはできません。 また、一般の大学を卒業した社会人が2年制の専門学校に入学した学び直しをして、キャリアアップを目指す社会人が多く、毎年この層が高い合格率を誇っています。 その場合には、言語聴覚士国家資格化と同時に設置された歴史のある学校などが人気のようです。社会人から言語聴覚士を目指す場合には、選択肢の一つとして調べてみましょう。   そして、いよいよ国家試験についてです。 言語聴覚士の国家試験は毎年1回しか実施されません。実施時期は、例年2月です。 2021年2月に実施された「第23回言語聴覚士国家試験」の合格率は以下の通りです。 ・合格発表:2010年3月26日 ・受験者数:2,546人 ・合格者数:1,766人 ・合格率:69.4%   国家試験合格は受験者倍率ではなく、合格ラインに到達したかどうかの獲得点数によるものですので、自身の成績で合否が決まるわけです。   また、難易度についても説明します。 言語聴覚士と同じくリハビリ職である理学療法士(PT)や作業療法士(OT)を比較してみると、その国家試験の合格率の差から、言語聴覚士はリハビリ職の中でも難易度が高い資格と言えるでしょう。 (参考:2021年度 理学療法士79.0% 作業療法士:81.3%)   5、言語聴覚士の給料・年収   言語聴覚士の平均給料は、次の通りです。目安として参考にしてください。  ・正職員:月給23.7万円~月給30.2万円  ・契約職員:月給23.2万円~月給28万円  ・パート:時給1,563円~時給1,906円   例えば、30歳月収29.5万円で、賞与が4カ月の場合は、年収にすると約450万円くらいです。 言語聴覚士の年収の一例をしてご参考にしてください。   6、さいごに 言語聴覚士の仕事は、「話す」「食べる」「聞く」という、人が生きていくうえでも必要な機能の回復を支援するという仕事です。 『少しづつしゃべれるようになった!うれしい!』・『ごはんを自分で食べて飲み込めた!おいしかった!』という患者様の喜びを一緒に感動することができ、人の役に立つという社会貢献を強く実感できる素晴らしい職業です。     内閣府の発表によると、聴覚・言語障害者の数は幼児から高齢者まで含めると約36万人を超えています。認知症の方などを含めると、さらに支援の必要な人は多いと言われています。 これに対して、言語聴覚士の数は2019年で約3.3万人です。しかもこの人数は言語聴覚士の資格を持っている人(有資格者)の人数なので、実際に言語聴覚士として働いている人の数は実際にももっと少なくなります。 このように言語聴覚士はまだまだ多くの需要があり、今後ますます目指し人は必要な仕事です。幼児、小児、成人、高齢者と幅広い年代の人たちを自分らしく幸せな日常が遅れるように支援することができる職業です。 こちらのコラムをお読みいただいたあなたにことを、患者様は待っています。 ぜひ言語聴覚士を目指すきっかけとなれば幸いです。