ADHDの子は、ご飯を食べたら歯磨きね!という日常ルーティンの日課がなかなかできないこともあります。
毎日のことだから、親はどうしてもできないことに目が向きがちですが、
できたときには、「頑張ったね!」「ちゃんとできたね!」と褒めてあげることが大切です。
ADHDの子に叱責や体罰は逆効果と言われています。できるだけ良い面に目を向けて、
親子の心地よい関係を気付くようにしていきましょう。
1、ADHDの子にはどう接したらいいの?
これだけは守ろう!“育児の4カ条”
(1)体罰をしない
叩かれて育った子は、叩く子になってしまいます。
また親を憎むようになることもあります。
大人への信頼感や親子の絆、のびのびとした心を壊さないためにも、体罰はやめましょう。
(2)注意する回数を減らす
良い面に目を向けて、まず叱る回数を減らしましょう。
何かに夢中になっていると聞こえないことも多いので、
まずは子どもの注意をこちらに向けてから、叱ることがポイントです。
(3)言葉の暴力や怒鳴るのをやめる
「いい加減にして」「もううんざり」などの暴言は、子どもの心を深く傷つけ、
望ましくない方向へと行動をエスカレートさせてしまうこともあります。
ネガティブな言葉はできるだけ控えてください。
(4)「わざとなの?」と思わない
すぐにバレるような嘘をつくのは、叱られることを避けるためであり、
親を困らせようとしているわけではありません。
どのような行動も言動も「こんな不器用なふうにしかできないんだわ」と考えてあげると、
保護者の気持ちもラクになり、対処法も見つけやすくなります。
2、子どもの成長に合わせた、上手な接し方を知りたい!
☆幼少期
外に連れて行き運動で発散。自由に遊ぶ時間をつくる
外に連れ出して、体を使ってしっかり遊ばせることが大切です。
運動をして発散しないと、家の中で走り回る傾向に拍車がかかってしまいます。
そして、子どもがどんなことに興味を持っているか、好きなのかを把握して、
自由に遊ばせる時間を作りましょう。お稽古事の数はほどほどにしましょう。
☆小学生
良好な親子関係をキープするために、ポジティブな言葉がけをする
宿題がなかなかできない、学校で配られるプリントをなかなか持って帰ってこないなどの様子から、
「もしかして、うちの子はADHDなの?」と、勉強が始まる小学生になってから気付く保護者も多いかもしれません。
先生や祖父母からは、「自分が本当に困る経験をすれば、忘れ物はしなくなるよ」と言われることもあるかもしれませんが、ADHDの子は成長を待っているだけではできるようになりません。
宿題に集中できる環境を作ったり、忘れ物をしないように前日に一緒に準備をしたりと、
伴走しながら苦手をサポートすることが大切です。
☆中学生
急に子ども任せにせず、命令口調はやめてアドバイスをしてあげる
中学生に思春期になると、保護者の言うことを聞かなくなり、母親からも離れようとします。
その反面、定期テストに向けて勉強したり、期限内に提出物を出したり、教科ごとに先生が変わったりとADHDの子の苦手なことが増えてきます。
子どもが反抗的な態度をとっても急に手を放さず、命令口調はやめてアドバイスするような話し方に変えていきましょう。
3、どんなときに、受診したらいいの?
いろいろ努力してみたけど、子どもも保護者もつらいときには受診を
本を読んだり、ネットで調べてみたり、自分なりにいろいろ努力や工夫をしてみたけど子どもも保護者もつらいと感じるときには、受診を考えてみても良いかもしれません。
医療機関だけでなく、学校や園の先生、スクールカウンセラーなどに相談してみるのもおすすめです。ADHDを診てもらえる医療機関を探すときには、かかりつけの小児科の先生に聞いてみるものいいと思います。
子どもの状況を確認しながら、家庭での環境を整えていく
受診した場合、臨床心理士による聞き取りや知能検査などあり、それが済むと医師による診察となる場合があります。
子どもが一緒の場合は、状態を診ながら、保護者から普段の様子を聞いたりします。
その後、医師からの家庭での接し方、改善点などを聞いて、
必要があればペアレントトレーニングなどの講習会を受けたりします。
それでもなかなか改善しない場合は、薬での治療をおこなうこともあります。
ADHDの治療は、“家庭での工夫があってこそ”です。
子どもに対してどのように接していくかを保護者自身も一緒に学んでいくことになります。