「精神障害者手帳」の取得と就職活動について

2020/11/24

精神障害と診断され、「精神障害者手帳(精神障害者保健福祉)」を申請して交付されるとさまざまな支援が受けられることはご存知でしょうか?

 

精神障害者の自立と社会参加の促進のために、精神保健障害者をお持ちの方への支援が広がりつつあります。

精神障害と診断されても仕事をしている方もたくさんいらっしゃいますし、それらを支援する精神保健福祉士という専門職の方もいます。

 

今回は「精神障害者手帳」について説明するとともに、精神障害者の方の就職についても触れていきたいと思います。

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1、「精神障者手帳」の対象となる精神疾患とは

 

「精神障害者手帳は」は、何らかの精神疾患によって、長期に渡り日常生活や社会生活に制約がある方を対象としています。

厚生労働省の推計では、日本国内で何らかの精神障害を抱えた方は約393万人とされ、そのうち精神障害者手帳を取得されている方は約42万人とされています。

対象となるのはすべての精神疾患です。

 

①統合失調症

②うつ病、双極性障害などの気分障害

③てんかん

④薬物やアルコールによる依存症や急性中毒症

⑤高次脳機能障害

⑥発達障害(自閉症・学習障害・注意欠陥多動性障害など)

⑦その他の精神疾患(ストレス関連障害など)

 

ただし、知的障害をお持ちで、なおかつ精神障害のない方については、「療育手帳制度」があるので、精神障害者手帳の対象とはなりません。

知的障害と精神疾患を両方有している場合は、両方の手帳を受けることができます。

また、精神障害者手帳を受けるためには、精神疾患で初診から6ヶ月以上経過していることが必要になります。

精神障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)の等級は、1級から3級まであります。

 

 

2、「精神障害者手帳」を取得した場合のメリット(暮らしにおけるサービス)

 

「精神障害者手帳」を交付されると様々なサービスを受けられます。

全国一律で受けられるサービスや、地域や事業者により行われるサービスがあります。

 ・公共料金等の割引

 ・税金の控除や免除

 ・生活福祉資金の貸付

 ・電車、バス、タクシー等の運賃割引

 ・携帯電話料金の割引

 ・上下水道料金の割引

 ・公共施設の入場料等の割引

 ・公営住所の優先入居

 

3、「精神障害者手帳」を取得した場合のメリット(仕事におけるサービス)

 

暮らしのサービスのほかにも精神障害者手帳を持っていると、就職や就労などの仕事に関するサービスはどのようなことがあるでしょうか?

 

 ①障害者職場適応訓練が受けられる

実際に職場を体験することができる実習制度です。原則は2週間以内で手当も支給されます。

 

 ②障害者雇用枠で就労できる

精神障害者手帳を所持している方は、求人において「一般枠」だけでなく、「障害者雇用枠」のどちらにも応募することができます。

 

  「障害者枠」では、障害であることをオープンにすることで職場の理解が得られ、周囲のサポートを受けやすくなるなど、働きやすさにも繋がります。

 

もちろん「一般枠」の求人も活用できますので、理想の働き方によって自分自身で選ぶことができます。

 

精神障害のある方は個々の障害の程度や症状は異なっており、環境の変化や新しいことへの順応が不得意であったり、少しの変化で心身のバランスを崩しやすくなったります。

主治医と相談しながら、お薬の量をしたり、障害と上手につき合っていく努力をしています。

でも時には不調のため仕事を休むこともあります。

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実際に精神障害をお持ちで就労している方を対象としたアンケートでも、『周囲のサポートを受けながら仕事を続けることができている』という声は多く聞かれます。

 

傷害からくる体調の悪さなど、本人だけではどうしようもないことも、周囲のサポートや理解など整った環境が良い影響をもたらすことがあります。

 

このように、精神障害をお持ちの方が仕事をしたり、仕事を続けるためには、精神障害者手帳を申請して、サービスを受けることができます。

 

そして、就労支援には精神保健福祉士という国家資格を持つ専門職が関わります。

精神保健福祉士は精神障害分野のプロフェッショナルですので、精神障害者の方はもちろん、そのご家族の相談援助もおこないます。

 

精神障害者には社会的な支援体制の拡充とともに、精神障害のある方が積み上げてきた実績もあります。

精神障害手帳を取得されている方は、心身の調子が整わないときやつらい思いをするときもあるでしょう。そんなときには精神保健福祉士から就労に対する多くの情報や判断材料を得て、自分に向いている職場選びを掴むことができるのではないでしょうか。

 

自分の症状を良く知り、就労する企業を伝え、正しく理解されることも大切です。

 

時間がかかったとしても、自分にあった進め方で就職を目指していき、焦らず、頑張り過ぎずじっくりと進んでいくことがよいでしょう。

※こちらの記事は入学検討者向けに掲載しているため、簡易的な説明となっております。
転載・流用はご遠慮ください。

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