精神保健福祉士の国家資格を取得した後も、学びを続けてより質の高い精神保健福祉士を目指すことが大切です。その指標のひとつとして、『認定精神保健福祉士』『研修認定精神保健福祉士』というステップがあることをご存知でしょうか。精神保健福祉士としてスキルアップを目指す方にぜひ活用していただきたい仕組みです。
認定精神保健福祉士は、日本精神保健福祉士協会が作った精神保健福祉士の上位資格です。資格を取るために学習を進め、自身のスキルアップのきっかけとなることが最も大きいメリットではないでしょうか。目標や目的がなければ日々の業務に追われて勉強を進めていけないという方はこういった認定資格の取得がおすすめです。
対外的にも精神保健福祉士として資格取得後も学びを続けているという証明になり、メリットがあります。転職の際に履歴書に書くことでアピールすることもできますし、今いる職場でも途中で認定資格を得たために昇進や待遇改善に繋がる可能性があります。
また、日本精神保健福祉士協会では、より認定資格のメリットを強くするために各機関への働きかけを行っています。所属機関や施設の第三者評価の基準に認定精神保健福祉士がいることがポイントアップになるような働きかけです。まだこれは方針の段階ですが、実現されれば各職場でより求められる資格となり、待遇や給料の改善が見込めます。
認定精神保健福祉士になるには、まず日本精神保健福祉士協会に入会する必要があります。そして『生涯研修制度』という研修を積んでいきます。そして『研修認定精神保健福祉士』として認められ、最終的には『認定精神保健福祉士』として名乗ることができます。
生涯研修制度の中には条件として『入会から3年度経過』というものもありますので、一気に取得することができるわけではなく数年単位で少しずつ研修を積んでいく形になります。
生涯研修制度は3体系で構成されており、『基幹研修』『養成研修』『課題別研修』があります。このうち認定精神保健福祉士になるために必要な研修は『基幹研修』です。
基幹研修は経過年数に応じた積み上げ式の研修です。
・基礎研修:ハンドブックを活用した自主学習
・基幹研修Ⅰ:原則入会3年度未満に受講
・基幹研修Ⅱ:入会から3年度経過し基幹研修Ⅰを修了していること。基幹研修Ⅰ修了後概ね3年度以内の受講を奨励。
・基幹研修Ⅲ:基幹研修Ⅱを修了していること。原則として3年度以内の受講を奨励。
基幹研修Ⅲまで受講すると、『研修認定精神保健福祉士』となります。そして5年度毎の更新制である更新研修を受けることによって『認定精神保健福祉士』となります。
研修認定精神保健福祉士もしくは認定精神保健福祉士となった場合には、『養成研修』を受けることができるようになります。これは特定のテーマに基づくエキスパートを養成する研修です。
『課題別研修』については基幹研修修了の有無は問わず、時宜に適った社会的要請の高いテーマで実施しているものです。
『日本精神保健福祉士養成校協会』『日本社会福祉士養成校協会』『日本社会福祉教育学校連盟』を吸収合併して誕生した組織です。全国のソーシャルワーク教育学校で組織されています。
連盟は、教育内容や教育方法の充実に向けた検討を行うとともに、関係団体・組織と連携して教育体制の強化に向けた検討及び研修を行っています。
また、若年層や資格取得を目指す学生に向けてSNSや動画での広報活動を行っているため、目にする機会が多いかもしれません。これから精神保健福祉士を目指す方にとっては、国家試験受験支援事業も行っているので事業内容をチェックしてみましょう。全国統一模擬試験や受験対策web講座などの国家試験合格に向けた支援を行っています。
公式サイト:http://jaswe.jp/