精神保健福祉士は、利用者の人生に関わるやりがいのある仕事です。利用者の個性を尊重しながら問題を解決していきます。その上で、大変なことや苦労することはどのような内容なのか、ご紹介します。
精神保健福祉士は精神障害を抱えた方を対象としているので、当然その方の精神面に寄り添う必要があります。ですが、例えば精神疾患の原因や理由が、単純に1つとは限りません。人間の心は非常に複雑なので、生活環境や過去のトラウマなど、様々な事象が絡み合って原因となっているケースがあります。利用者本人も自覚していない深層心理を理解しようとすることが大切です。
また、心の複雑さについては、利用者との対話でも現れます。躁鬱のように、調子のいい日があればそうでない日があったりもします。回復したと思うこともあれば逆戻りしてしまうこともあるでしょう。そのような複雑な心と根気強く付き合っていく必要があります。
精神疾患を抱えている利用者と、トラブルがあったり人間関係に疲れてしまうこともあります。利用者が妄想や幻覚に捉われていたり、極度の不安状態になってしまい、こちらが寄り添っていても暴言を吐いたり時には暴力へと発展することもあります。それは精神保健福祉士になる上で覚悟していることであり、病気に対して理解があれば冷静に対応することができるでしょう。しかし、それが立て続けに起こったりあまりに辛い内容であった場合には、自身の精神的な疲れとなって蓄積されてしまいます。
そんな利用者をサポートすることで、精神保健福祉士としてのやりがいや自信に繋がる仕事でもあります。ストレスが蓄積されてもその瞬間に心が軽くなるようです。やりがいと責任感をしっかりと持って働くことがストレス軽減に繋がるでしょう。
精神保健福祉士の仕事は、コミュニケーションが非常に大切です。しかし、利用者が自分の意志を示せなかったり、こちらの話を理解するのが難しかったりすることでうまくコミュニケーションが図れないケースも多くあります。
また、利用者と精神保健福祉士だけでなく、利用者とその家族、家族と精神保健福祉士もそれぞれにコミュニケーションを密に行う必要があります。家族との連携が取れていないと、自分の意志を示せない利用者であった場合に全く話が進まないこともあります。
また、精神保健福祉士とその他専門職とのコミュニケーションも非常に重要です。このように、利用者に関わる全ての人と人間関係を築き上げ対話を行っていく必要があるため、そこが精神保健福祉士の大変な部分と言えるでしょう。