加齢とともに、体の動きや働きはゆっくりになっていきます。
それは体を動かすための筋力が衰え、協調する運動もできなくなってくるからです。
食べること、飲み込むことも同じです。
加齢とともに歯の数も少なくなるだけでなく、
食べるため、飲み込むために関わる口や喉の筋肉も弱くなり、
そして動きがうまく協調できなくなるのです。
高齢者の摂食・嚥下障害機能の特徴
①歯が少なくなる
②飲み込みの反射が遅くなる
③むせの反射が出にくくなる
④むせの勢いが弱くなる
⑤のど仏の位置が下がり、飲み込む時にのど仏の上がる量が減る
⑥唾液が少なくなる
⑦食べることに集中できなくなる など
これらの特徴にともなって、加齢による摂食・嚥下障害が出現することがあります。
高齢者では肺炎の最大の発症原因は『誤嚥』で、
70歳以上が誤嚥に関与する肺炎が60%に達するといわれています。
病院内の口腔リハビリテーション科では、
加齢に伴う食べること、飲み込むことに対して
診断・評価をおこない、言語聴覚士によって
食べる動きを回復するための訓練や食べ方、
摂食嚥下障害の予防法について指導をおこないます。