こんにちは!日本福祉教育専門学校です。
今回のテーマは『嚥下障害』です。
食べる楽しみを失わないためのリハビリなどわかりやすくご紹介します。
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嚥下障害とは?
「食べる」ということは、5つの段階にわかれています。
- 食べ物を認識する
- 口に入れて噛み、食塊をつくる
- 食塊を口腔からのどに飲む込み
- 食塊を咽頭から食道へ送る
- 食魂を食道から胃に送る
このなかの「飲み込む」という動作に当たるのが「嚥下」で、食べ物をうまく飲み込めなくなることを『嚥下障害』といいます。
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嚥下障害の症状
食べ物がうまく飲み込めなくなる嚥下障害では、以下のような症状があります。
- 噛んで飲み込むことできなくなる。
- 食べ物が胸に使える。
- 食べ物が口に残りやすくなる。
- 水分の方が固形物より飲み込みにくくなる。
- 飲み込むときにむせる。
- 食事中に声が変わる。ガラガラ声になる。
- 食後に痰が絡む。
- 食事に時間がかかり、疲れる。
- 食事を最後まで食べきれない。
- 食べ物を口からこぼす。
これらのさまざまな症状によって、脱水・低栄養・体重の減少・肺炎・気管支炎・窒息など命にかかわる場合もあるので注意が必要です。
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嚥下障害の原因
嚥下障害を引き起こす原因は、おもに3つに分類されます。
◎「器質的原因」
口腔から胃までの気管の途中に、食べ物の通過を邪魔する構造上の問題がある場合
<原因>口内炎や扁桃腺の痛み、舌や食道や咽頭のガンなど
◎「機能的原因」
嚥下にかかわる筋肉や神経に問題のある場合
<原因>加齢、脳梗塞、認知症による脳機能の衰え、パーキンソン病による神経筋疾患など
◎「心因的原因」
心因性の疾患が引き金になる場合
<原因>うつ病、心身症、ストレス性の疾患など
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嚥下障害の治療法
嚥下障害かもと思ったら、まずは耳鼻咽喉科の受診が必要です。
さらには必要に応じて神経内科、歯科、口腔外科、消化器科、リハビリテーション科などを受診することが重要です。
そして、嚥下障害と診断されたらリハビリなどの訓練による治療がおこなわれます。
リハビリは、食べる・飲み込み・話すの専門家である言語聴覚士(医療系国家資格)によって、検査や評価、必要に応じて訓練や指導、支援をおこないます。
嚥下障害によるリハビリはとても重要です。
病院での訓練だけでなく、日常でのリハビリや訓練によって機能が大きく回復することがあります。
言語聴覚士の検査と評価、訓練や指導のもとに、「舌や口、頬のトレーニング」・「発声練習」・「呼吸筋のトレーニング」をご家庭でも、食事前などの習慣にすると効果がでやすくなります。
また、嚥下障害が重度になると、リハビリや訓練で機能を戻すことは難しくなるため、手術による治療が検討される場合もあります。
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まとめ
このように嚥下障害は加齢だけでなく、さまざまな疾患が原因となる場合があります。
誤嚥性肺炎を引き起こすなど命にかかわるケースもあります。
そして、「食べること」は生きがいや喜びであり、失ってはじめてその大切さに気づくこともあります。
嚥下障害は、その症状が悪化してしまう前に、予防やリハビリに努めましょう。
また、食べるときに食事の姿勢や食べ方の工夫をして、「おいしく食べる」ことを目指しましょう。