言語聴覚士(ST)を目指すと決めたなら、スキルアップの方法についても知っておきたいですよね。スキルアップするには言語聴覚士の資格以外にも取っておくと役立つ資格はいくつかあります。そこで、ここでは言語聴覚士のスキルアップに役立つ資格を3つ紹介していきます。
言語聴覚士の仕事には、「成人言語・認知」、「発声・発語」、「小児言語・認知」といった分野があります(言語聴覚士の仕事について詳しく知りたい方はこちらへ)。言語に関する仕事ですので、呼吸に関しても専門的な知識を得ておくことでスキルアップにつながるでしょう。そこでおすすめしたいのが、呼吸ケア指導士です。
一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会によると、呼吸ケア指導士資格の目的は、「呼吸障害をもつ人々の継続的ケアをチーム医療の中で実践するべく、呼吸ケアに関する最新の基礎的知識と臨床的技術を取得して、地域において指導的な役割を担っていける人材を認定し支援していくシステム」としています。
この呼吸指導士資格には認定試験はないものの、以下の条件を満たしていることが必要になります。
つまり、言語聴覚士として働きながら、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会に入会して勉強していくことでスキルを上げることができるというわけです。
手話通訳士とは、厚生労働大臣が認定する公的資格です。言語聴覚士は、「聴覚」に障害のある患者さんのサポートをすることも仕事の1つです。障害の中には先天性の場合もあります。そうした患者さんと接するときには手話を覚えておくことで円滑にコミュニケーションが図れるでしょう。リハビリテーションをストレスに感じる患者さんもいらっしゃいます。手話での会話を通して信頼関係を結ぶことができれば、リハビリテーションの効率も上がることも考えられます。そのため、この手話通訳士の資格を取得しておくこともスキルアップに役立つはずです。
社会福祉法人聴力障害者情報文化センターの運営する手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)において学科試験と実技試験に合格すると、資格を取得できます。20歳以上であれば誰でも受けることができますので、学生のうちから取得しておくことをおすすめします。
関連:手話通訳士
プロフェッショナル心理カウンセラーとは、一般社団法人全国心理業連合会が公認する心理カウンセラーの全国統一認定資格のことです。国家資格レベルの「上級」と心理カウンセラーの基本ラインとしての「一般」という2種類があり、「カウンセリングスキル」、「カウンセリング実習」、「プロフェッショナル適性」という3つの分野において高い専門性を持つ方に与えられます。言語聴覚士の仕事は、カウンセリング的な側面も含まれます。患者さんの気持ちを理解することはもちろん、気持ちの面で患者さんをサポートし、導くことができるでしょう。このプロフェッショナル心理カウンセラーのスキルが言語聴覚士の業務においても役立ちます。
以上、言語聴覚士のスキルアップに役立つ資格を3つ紹介してきました。どれもスキルアップに役立つ資格です。ただし、1つ注意しなくてはならないことがあります。それは、資格を取得することがゴールではないということです。資格の勉強をしていく中で得た知識を活かして、実際に患者さんと対面したときに質の高いサポートができることが大切なこと。そのことを念頭に置き、資格取得を目指していきましょう。