言語聴覚士の就職先には、医療機関や介護福祉施設など様々です。また、場所によって仕事内容も異なります。ここでは、言語聴覚士の就職先について、詳しく説明します。
言語聴覚士の就職先として最も多いのが医療機関です。主に総合病院のリハビリテーション科に所属し、患者さんのコミュニケーション障害を改善させるためのトレーニングや、摂食・嚥下訓練を行います。
リハビリテーションの専門病院や、リハビリテーションセンターなどでも活躍可能です。このほか、耳鼻咽喉科や歯科、口腔外科などでも言語聴覚士が求められています。
また、近年では高齢化が進んでいる背景もあり、在宅医療が重要視されています。そのため、患者さんの自宅を訪問してリハビリテーションを行う言語聴覚士も増えています。
近年、言語聴覚士の就職先として需要が高まっているのが、老人ホームや障害者支援施設といった福祉施設です。福祉施設では、主に食事の際の飲み込みが困難な高齢者や障害者に対して、サポートを行います。
特に高齢者の多い施設では、食べ物が気管に詰まって炎症を起こす「誤嚥(ごえん)性肺炎」を防ぐために、言語聴覚士のサポートが期待されています。食事だけでなく、円滑なコミュニケーションをはかるための発声訓練等も必要です。
言語聴覚士が対象とするのは大人だけではありません。聾(ろう)学校や養護学校、児童相談所といった児童向けの施設に就職する言語聴覚士もいます。また、一般の学校の特別支援学級で働く言語聴覚士もいます。こうした職場では、会話や聴こえに障害を抱える児童の意思疎通をサポートするのが役目です。
また、ご家族からの相談にのったり、適切なアドバイスを行ったりすることも求められます。さらに、教育機関で言語聴覚士の育成に携わったり、研究機関で言語機能の研究を行ったりする言語聴覚士もいます。
言語聴覚士は、子供から高齢者まで幅広い方を対象に訓練を行うことができます。そのため、活躍できる場所も多くあります。働いている場所、就職先は次の通りです。
※出典:日本言語聴覚士協会
①医療(71.7%)
病院のリハビリテーション科、耳鼻咽喉科、小児科、形成外科、口腔外科など
②介護(14.7%)
老人保健施設や特別養護老人ホームなど
③福祉(7.3%)
障害福祉センター、小児療育センター、通園施設など
④学校(1.8%)
通級者指導教室、特別支援学校(聴覚障害・知的障害・肢体不自由)
⑤その他(4.5%)
養成校、研究・教育機関など
言語聴覚士が働く職場は約7割が医療機関、次いで、介護や福祉の現場で働くことが多いです。厚生労働所の調査によると、2016年の時点では就業者のうち約70%を女性が占めていることがわかりました。また、年齢層としては40歳以下が約75%となっています。
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