子どもに関われる、女性が活躍しやすい環境である、専門性が高い職業である、など。
言語聴覚士の魅力ややりがいについて、ご紹介します。
言語聴覚士は、言葉によるコミュニケーションに問題がある方に専門的サービスを提供し、自分らしい生活を構築できるよう支援を行ったり、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。言葉によるコミュニケーションの問題は脳卒中後の失語症、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など多岐に渡ります。小児から高齢者まで幅広く現れるのが特徴です。言語聴覚士はこのような問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。
言語聴覚士の具体的な仕事内容とその魅力について紹介します。
言語聴覚士は子どもの言葉の遅れに対して、絵本を見せて言葉を引き出したり文字の習得ができるように指導を行ったりします。また家族や教育機関と連携し、子どもの周辺環境を整える役割も担っています。言語聴覚士の支援は、子どもの将来を左右するとても重要な役割を担っています。
「話す」や「聞く」に障害を持っている小児リハビリテーションの場合、感情表現が乏しいお子さんであると生活に大きな影響を及ぼしてしまうこともあります。周囲の人とのコミュニケーションがうまくとれなくなってしまうことも多くあるためです。訓練をしている子どものがんばっている様子や、課題をクリアしたときのイキイキとした表情を見て、子どもたちの成長をサポートできる喜びを感じることができるでしょう。
摂食・嚥下の訓練や発声・発語、聴覚の支援など患者さんの状態にあわせて、日常生活に支障がないよう、社会復帰を目指せるように、楽しみや生きがいを支援できるようなリハビリのプログラムを関係者とともに立てて、その過程を一緒に共有できることも魅力の一つです。
言語聴覚士の男女比は8:2で女性の方が多いです。女性の言語聴覚士が多い理由としては、言語聴覚士の仕事はリハビリテーション専門職の中でも最も力仕事が少ないためと考えられます。
そのため、結婚・出産してからも働けるようサポートしてくれる職場も多く、育児休暇なども積極的に取れるようです。託児所を併設している施設もあります。
上記で仕事内容とその魅力を紹介しましたが、言語聴覚士の仕事はコミュニケーションを円滑に取れるようにする発語や言語、聴覚の支援だけでなく、生きていく上で重要な摂食・嚥下の支援も行います。直接患者さんと対面して支援を行う仕事のため、訓練の成果が出た際には直接感謝の気持ちを伝えてもらえることが大きなやりがいとなるでしょう。また、社会復帰に向けての支援や生活が豊かになるよう支援を行うことで、患者さんが少しずつ回復に向かっていく様子は励みにもなります。
言語聴覚士は、理学療法士や作業療法士に比べて、複数いる職場は多くありません。そのため、働く場所によってはその施設で言語聴覚士が1人しかいないことも多々あります。そのような職場では、たった一人の頼られる存在になることでしょう。
言語聴覚士は専門性が高い職業です。資格を取得し働き始めたからといってそこがゴールではありません。働きながらも新しい情報をキャッチしたり、スキルアップを目指すことが大切です。高度な知識や熟練した技術が求められる、とてもやりがいのある仕事です。