子どもの発達段階と家庭教育~小児療育のための基礎~

2019/09/02

小児

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子どもの発達段階ステージでは、

胎児期から青年期おける発達段階を理解して、

段階に応じた家庭教育を心掛けましょう。

 

 

1、胎児期(生まれる前)

 

【発達段階】

健康な胎児環境による心身の基礎構築

 

・視覚器官、聴覚器官が形成される

・感覚器官の発達によって、周りの言葉や感情に反応する

(なでられたり優しく話されたりすることで安心を感じることができる)

(母親の怒りや哀しみを感じて不安感を生じることはある)

 

【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】

新しい命の誕生を喜び、子育ての情報を得て、イメージづくりをする。

 

★母体の健康保持に心がける

・休息、睡眠、栄養、適度な運動

・母親の情緒安定

 

★子育てのイメージを具体的にもつ

・家族での家事や育児の協力、分担について話し合い

・子育てに必要な知識の習得

 

 

2、乳児期・幼児前期(0~3歳)

 

【発達段階】

安心できる親子関係の構築

 

・無条件に自分を愛し保護する存在として親を信頼する

・周囲への好奇心が芽生える

・少しずつ母親から離れ他者とかかわる

・基本的生活習慣の基礎が身に付く

 

【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】

家族のふれあいを通じて、愛情に支えられた豊かな人間性・社会性の基盤を育む

 

★0歳~1歳くらいまで、赤ちゃんの望んだことはすべてかなえてあげる、

という気持ちで育てる

・親の温かいまなざし

・温かい言葉かけ

・十分なスキンシップ

 

★身の回りのことを子ども自身がやり遂げることができる実感を体得させる

・生活リズム、早寝早起き、食生活

・トイレトレーニング

 

★親としての自覚を持つ

・親の生き方や接し方が子どもの将来を左右することを理解する

・「ありがとう」「ごめんなさい」を親(保護者)が言える

・父親母親など周りの大人が協力して取り組む

 

 

3、幼児後期(4~6歳)

 

【発達段階】

自発性の芽生え

 

・集団遊びができるようになり、対人関係能力や秩序感覚を身に付け始める

・善悪の判断基準が形成され始めるとともに、良心が芽生える

・対人関係が保てるようになり他者への思いやりを持つことができる

・身の回りのことが自分ででき始め、基本的な生活習慣が身に付く

 

【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】

遊びや生活の中で、ほめたり認めたりしながら、社会性の獲得を手助けする

 

★社会性を身に付けさせるための基本的なしつけをする

・社会のルール、家庭のルール

・善悪の基準、あいさつ、我慢、お手伝い

 

★やる気を育てる

・親が見本を示す

・一緒にやってみる

・笑顔でほめる、認める

 

★子供の自発性をのばす

・「自分でする」習慣を身に付けさせる

・子どもの話を十分聞く

 

 

4、児童前期(7~9歳)

 

【発達段階】

自発性の芽生え

 

・集団の中で役割を決めて遊ぶことができる

・他者に共感し、我慢や分けあい、交代などができる

・善悪の判断や規範意識の基礎ができる

・身辺自立ができる

・自然や生命を慈しむことができる

 

【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】

様々は活動をとおして、知・徳・体のバランスの取れたしつけを行う

 

★積極的に運動や学習に取り組めるよう、生活リズムを整える

・早寝早起き朝ごはん

・家庭学習習慣確立のための声かけ、見届け

 

★規範意識を育てる大切な時期であることを自覚する

・様々な体験や活動に挑戦させ、認める、褒める、方針を示す

・その時々の親の感情によって子どもへの対応を変えない

・親の行動を通じてより良いお手本を示す

・あいさつ、お手伝いなど、親子で小さな実践を積み重ねる

 

★子ども同士のトラブルに冷静に反応する

・いつでも相談できる学校との関係づくりを心がける

・親の判断で子どもの人間関係をコントロールしない

 

 

5、児童後期(10~12歳)

 

【発達段階】

他者意識の芽生え

 

・他者との関係の中で自分のことを考えたり、他者への接し方を考えたりするようになる

・他者との関係の中で善悪の判断がつく

・自分の感情や欲求を抑えることができる

・トラブルを解決しようとすることができる

・失敗から学ぶことができる

・集団の中で自分の役割を意識し、責任を果たそうとする

・生き物の世話をする

 

【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】

一方的な欲求や叱責ではなく、子どもとの対話を大切にして、

子どもが他者との関係の中で自分の存在を認められるように支援する

 

★子どもと仲間の育ち合いを支える

・子どもの人間関係を把握する

・金銭や物を与え過ぎない

・地域行事や体験活動に、子どもとともに積極的に参加する

・子どもが失敗したり悩んだりしている時には、良き相談相手となる

 

★子どもの自己有用感(自分が必要とされていると感じる気持ち)を育てる

・家族の一員としての役割を持たせることで、

「自分は家族の中でなくてはならない大切な存在である」と感じさせる

・学習やお手伝いなどさまざまな経験を積ませることで

「自分は自分なりにやっていける力がある」と感じさせる

 

 

6、青年前期(13~15歳)

 

【発達段階】

自分らしさの気づき

 

・自己意識過剰で感受性が強くなり、情緒不安定になりやすい

・他者との関係の中で自他の違いを認め、自分に特性に気づく

・自分の良さを実感したり、自分の短所を自覚したりする

・仲間関係が強くなり、特定の友人との深い人間関係を築く

・異性との望ましい関係を学び始める

・自他の生命の重さが理解できる

・人間の弱さを理解し、思いやり、共感、感謝、批判、悲しみ等が言葉にできる

・社会の一員として自立した生活を営む力を身に付ける

・公共を意識して自分の行動を抑制できる

・法やきまりの意義を理解し、公徳心を持つ

・困難に対処することができる

 

【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】

大人の世界に踏み出すために悩み葛藤する子どもにとって、

家庭が精神的安らぎの場となるよう、子どもを温かく見守るとともに、適宜助言する。

 

★子どもを一人の人格として認め、接する

・思春期の心と体について理解する

・性や生命について子どもに語る

・夫婦がお互いに尊敬しあう

 

★自己肯定感(自分のことが好き、自分は生きている価値があると思う気持ち)を育てる

・「自分は大切な存在である」という実感できる機会をつくる

・他者との比較でなく、子どもの長所を褒める

 

★将来の夢や自己実現に向けて働きかける

・点数や成績だけではなく、適正と対話で進路に助言する

 

 

7、青年中期(16~18歳)

 

【発達段階】

自分の個性への誇り

 

・思春期の混乱から脱却し、大人の社会を展望しながら生きる課題を真剣に模索しはじめ

・親から心理的に離れ、自分を客観的に見つけ、自立する(親離れ)

・家族や周囲との関係の中で自分の在り方を決める

・自分らしさを見据えながら、将来を描き始める

・社会人となることや親となることをイメージしはじめる

 

【保護者が家庭教育で大切にしたいこと】

子どもを一個人として信じ見守るとともに、

人としての生き方を語り合いながら社会人としての自立を支援する。

 

★自立に向けて助言する

・子どもに願う生き方を伝える

・子どもの考えを受け止めながら語り合う

・父として、母としての生き方を語る

 

★自立した一個人として接する

・子どもを信頼する

・子どものよいところを言葉で伝えるなど、感情を伝え続ける

 

 

※こちらの記事は入学検討者向けに掲載しているため、簡易的な説明となっております。
転載・流用はご遠慮ください。

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