【コラム】アスペルガー症候群について知ろう!

2021/11/24

こんにちは!日本福祉教育専門学校です。
今回のテーマは「アスペルガー症候群」です。
言葉や知能に遅れがないため、なかなか障害に気づけずに過ごすことが多い、この生まれつきの障害について説明します。

1、アスベルガー症候群とは

 

アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム症のうちで、知能や言語の遅れがないものをいいます。
社会性やコミュニケーションの障害のため、周りからは発達障害と理解してもらえず「変わり者」と思われることが多くある発達障害です。
周りからは「変わり者」と思われていても、自分自身では自覚がないため、周りの人から敬遠される理由がわからなかったり、対人関係でもうまくいかないことが多くなりストレスを抱えて、やがてうつ状態になったり強迫性障害など精神障害に発展する可能性もあります。

2、アスペルガー症候群の歴史

 

アスペルガー症候群は、オーストリアの小児科医ハンス・アスペルガーの名前からつけられた診断名です。1944年に「小児期の自閉症精神病質」というタイトルで論文発表されました。
その後、1981年にイギリスの児童精神医ローナ・ウイングがアスベルガーの業績を紹介したことで再評価され、アスぺルガーの論文が注目されました。ローナ・ウイングは、研究を重ねるなかで、自閉症とは診断されていないが、「社会性」「コミュニケーション」「想像力」の3つに障害をもつ子どもたちがいることに気が付きました。これがアスぺルガーの報告した症例に似ていたことから、アスペルガー症候群という診断名は適切とされた歴史があります。
アスペルガー症候群には2つの定義があります。
1 ローナ・ウイングらが提唱し、ヨーロッパで主に使われているアスペルガー症候群の概念
2 ローナ・ウイングの考え方を基本にしたアメリカ精神医学会の診断基準(DSM-Ⅳ)や国際的な診断基準であるICD-10などで定義されているアスペルガー症候群の概念
参考:アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-Ⅳ)
   「精神障害の診断と統計マニュアル」の検索結果 – Yahoo!検索
   国連の世界保健機関による分類(ICD-10)
    ICD-10精神および行動の障害  新訂版 | 書籍詳細 | 書籍 | 医学書院 (igaku-shoin.co.jp)

3、アスペルガー症候群の発生頻度と原因

 

近年では、約100人に1人(つまりは1%)でアスペルガー症候群であると報告されています。
性別も相関関係があり、男性の方が女性よりも約4倍も多いと言われています。
知的障害や言語に遅れのない女性の場合は、アスペルガー症候群特有の社会的困難な現れが目立たないため、過少評価されている可能性もあります。
高機能自閉症(知的障害を伴わない自閉症)とアスペルガー症候群には強い遺伝的な要素があることがわかっています。
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【これまでの区別】
◆広汎性発達障害
・自閉性障害/アスペルガー障害/レット障害/小児期崩壊性障害/特定不能の広汎性発達障害
【現在】
◆自閉症スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害:(ASD)
アスペルガー症候群はまだはっきりとした原因は解明できていませんが、遺伝的な要素が複雑に絡み合って引き起こされるもので、生まれつきの脳の機能障害によって発現するものだと考えられています。
アスペルガー症候群のお子さんをお持ちの保護者のなかで、「自分の育て方が悪かったのだ」と悩むケースもありますが、あくまで生まれつきであり、育児や育て方、愛情不足といった心的なものについては医学的に否定されています。
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国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター
発達障害とは | 国立障害者リハビリテーションセンター (rehab.go.jp)

4、アスペルガー症候群「3つの障害」

 

アスペルガー症候群の症状の特徴について、イギリスの児童精神科医ローナ・ウイングによって「3つの障害」と定義されました。
●「社会性の障害」
●「言語コミュニケーションの障害」
●「想像力の障害」
では、具体的にどのような症状や特徴があるのでしょうか。
1 周囲の人との交流が難しい
他者とコミュニケーションを取るときに、相手の立場に立って気持ちを理解したり、場の空気を読んだりすることが苦手です。そのため周囲から敬遠されがちになってしまいます。
2 特定の物事に強いこだわりや興味を持つ
興味を限定しやすい傾向があり、一度興味を持つと時間を忘れてとことんのめり込み、逆に興味がないことに対してはなかなか実行できません。
3 日常生活がルーティン化しやすい
自分の行動や習慣に関して自分で決めたルールにこだわりやすく、毎日の行動がパターン化しやすい傾向があります。逆にいつもと違うパターンになると嫌がる傾向があり、また予期せぬことが起こった時にパニックになりやすい傾向もあります。

5、アスペルガー症候群の治療と周りの人の接し方

 

アスペルガー症候群は、遺伝的要因と環境的要因が複雑に絡み合って発現するものであると考えられていますが、はっきりと解明されているわけではないので、根本的な原因を治療することはできません。
おもな治療は、『薬物療法』と『精神療法』です。
精神療法(カウンセリング)は、認知行動療法と呼ばれることもあり、自分自身の行動や考え方の癖を理解して、人間関係や社会性を身につけていくためのものです。
アスペルガー症候群の方においては、自分のことを理解してサポートしてくれる人の存在がとても大切です。
本人は無自覚でも、他者から見た場合にまずいと思われる行動を、優しく正直に指摘したり、苦手な部分を助けてくれる人の存在は、アスペルガー症候群の方にとって大きな力になります。

※こちらの記事は入学検討者向けに掲載しているため、簡易的な説明となっております。
転載・流用はご遠慮ください。

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