脳梗塞を引き起こす恐れも?!「椎骨動脈解離」とは

2022/08/08

脳梗塞

最近、お笑い芸人『千鳥』のノブさんが右椎骨動脈解離で入院したことでも話題となったこの病気をご存知ですか?

40~50代の働き盛りを突然襲うこの病気「椎骨動脈解離」についてご紹介します。

《椎骨動脈解離とは》

動脈の壁は3層構想で、内側から内膜・中膜・外膜で成り立っています。

このうちいちばん内側にある内幕に傷がついて、そこから血管の壁の中に血液は入り込み、血管が裂けていく状態を動脈解離といいます。

動脈解離は全身の動脈のどこでも起こります。首から脳に血液を送っている動脈は2対あり、首の前側にある頸動脈と首の中にある椎骨動脈です。

脳動脈では頸椎の中に走行する椎骨動脈に起こることが60%以上と多いです。

 

《椎骨動脈解離とはどんな病気を引き起こすか》

解離は内膜に傷がついて破れる病気ですが、その場合に引きおこる脳の病気が2つあります。

  • 「脳梗塞」

内膜と中膜の間で起こった場合、血管腔の狭小化をきたして発症

  • 「くも膜下出血」

中膜と外膜の間で起こった場合、嚢状の拡張を呈して、解離性椎骨動脈瘤となり、外に破れて発症

 

椎骨動脈が解離すると突然激しい頭痛を起こします。

うなじから後頭部にかけてズキズキと拍を打つような痛みや、重くだるい痛みがありますが、この痛みを片頭痛や緊張性頭痛と区別することは難しいです。激しい頭痛や意識障害となり命に関わることもあります。

 

《原因》

先述の通り、椎骨動脈解離がすべての年代に起こりますが、40~50第の働き盛りの男性に多いと言われています。

はっきりと原因がわからない場合もありますが、いくつか引き起こす原因としては下記のことがあるようです。

  • カイロプラクティックなどで手を使って背骨や骨盤のゆがみの矯正
  • ゴルフのスイングなどスポーツで
  • 首を鳴らすなどの首をひねったり急に首を曲げたりする動作
  • 外傷や交通事故で頭部をぶつける など

いずれにしても、日常で首を急に動かす動作は控えたほうがいいようです。

 

《早期発見のポイント》

椎骨動脈解離には特徴的な症状があります。

『首の後ろや左右の後頭部に突然激しい痛みが起こり、数日間続く』

このような症状がある場合には、早めに専門病院を受診してください。

専門病院では頭部CT、頭部MRI・MRA、脳血管カテーテル検査をして、血管の壁が裂けている場所や程度を確定して、早急な治療を開始する必要があります。

 

千鳥のノブさんも、首の痛みを感じてしばらく痛みが引かないため、痛み始めてから1週間後くらいに病院を受診されているようです。

診断では、右椎骨動脈解離と診断さえてそのままに入院されました。

ちなみにノブさんは2013年にも「未破壊左椎骨動脈解離」を発症されていて、このときは早期発見だったため投薬治療で回復されたそうです。

今回も大事に至らず、無事に復帰されて本当に良かったですね。

 

みなさんも後頭部やうなじ周辺に経験したことがない強い痛みを感じて、仕事や家事を休まなければならないほどであればぜひ受診をおすすめします。

※こちらの記事は入学検討者向けに掲載しているため、簡易的な説明となっております。
転載・流用はご遠慮ください。

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