社会福祉士の資格を所持しているものの、結婚や出産・育児、両親の介護などの理由で現場を離れてしまい、長いブランクが空いている方は多くいます。資格を活かして復職を検討する人の中には、ブランクが長いので復職は難しいのでは途中で諦めてしまう方もいるようです。ブランクが空いてしまうと果たして復帰は難しいのでしょうか?
社会福祉士になるには、国家試験に合格した後、厚生労働大臣の指定機関でもある、公益財団法人社会福祉振興・試験センターに、社会福祉士として正式に登録する必要があります。社会福祉振興・試験センターへの登録に期限はなく、ブランクがあるからといって合格が無効になることもありません。結婚や出産・育児や両親の介護などの理由により登録がまだ済んでいない人も安心ですね。
しかしながら、未登録のまま社会福祉士の名称を使って、福祉の仕事に携わることはできませんので、社会福祉士として仕事に就く際は、速やかに登録を済ませましょう。また、登録後に氏名や本籍地の変更があった場合には、変更手続きが必要ですので覚えておきましょう。
社会保健福祉士として働いた経験があるものの、職場を離れてしまい、長いブランクがある方もいらっしゃいます。資格が無効になる心配はありませんが、「ブランクが長いので採用が難しいのでは…」とか、「復帰しても仕事について行けるのか…」など少々不安になる方が多いようです。そのようなとき、どのように就職活動を行えば良いのでしょうか?
●履歴書・職務経歴書の書き方
ブランクが長いため、履歴書や職務経歴書の空白期間をどのように記入すれば良いのか一瞬ためらうでしょう。しかし、嘘は書かずにありのままの事実を記入しましょう。資格欄にも福祉関係以外の資格を保有している場合は書きましょう。例えば、運転免許は高齢者の送迎で必要になりますし、最近では外国人の介護福祉士も増加しているため英語力が求められるケースも考えられます。自分が所持する資格は、漏れなく記入しましょう。
●面接の受け方
面接では退職理由や、ブランクの期間中のことについても質問されます。妊娠・出産が理由であれば正直に答えましょう。そのとき「なぜ産休や育休を取らなかったのですか?」と尋ねられるかもしれません。仮に前職が産休や育休が取れる環境でなかったとしてもマイナスの印象とならないように、例えば、「初めての出産で不安だったため、何かあっても職場に迷惑がかからないよう一度退職をし、育児に専念していました。」と答えると良いでしょう。また、一度職場を離れたことで経験できたこと、身に付いたことも織り交ぜると好アピールに繋がります。「自宅で親の介護を経験したことで、要介護者のいるご家族の気持ちが理解できたので、自分のことのように利用者を支援したい」など、ブランクの期間中のエピソードをプラスに変えて伝えると良いでしょう。
社会福祉士はブランクの期間があっても、資格が無効になったり、更新手続きをしたりする必要はありません。また、復職が難しくなることもありません。福祉職で働く女性の中で、出産・育児を経たうえで復職する方も多くいます。ただし、長いブランクによる知識や介護スキルの不足感は否めませんので、以前勤務していたときのノートを読み返して仕事内容を思い出すなど、復帰のための準備も大切です。資格や経験をもつあなたを必要とする職場はたくさんありますので、不安ばかりにとらわれず、現場復帰を目指していきましょう。