現在の日本には、社会福祉士に関連する組織がいくつかあります。社会福祉士の資格を持っているからといって強制入会制度がある組織はありません。社会福祉に関する知識を深めるため、任意で加入する社会福祉士は多くいます。これから社会福祉士を目指す方は、どんな組織があるのか知っておくとよいでしょう。
日本社会福祉士会は、英文名を略してJACSWと呼ばれます。社会福祉士に関連するニュースや本を読んでいると目にすることがあると思います。社会福祉士によって構成される職能団体で、1993年に設立しています。社会福祉士の業務の発展と研鑽に努めることを業務としています。
社会福祉士会は全国組織のほか、都道府県ごとにも組織されています。47都道府県に設置されており、その下に支部が続きます。自分の専門分野だけでなく、他会員の領域を知ることで、自己研鑽では担保できないスキルが得られます。
日本ソーシャルワーカー協会は、1958年に発足しました。社会福祉の普及と発展を目指しています。社会福祉士でなくとも、福祉に関心がある人は誰でも加入でき、セミナーや研究会に参加できます。これは福祉に関わる組織では珍しく、資格を有していない方にも社会福祉を拡める役割を担っています。
協会では「ソーシャルワーカー養成講座」として初級と中級が開設されています。ソーシャルワークの基礎的・入門的知識を得ることができる内容です。これは非会員にも開かれており誰でも受けることができるので、職員の研修などで使われることもあります。
日本医療社会福祉協会は、保健医療分野で働く医療ソーシャルワーカーや福祉サービスの普及・発展を支援する人々によって構成される団体です。1953年に結成されました。会員になるには社会福祉士資格が必要です。
協会は様々な公益事業を行っており、療養中の心理的問題・社会的問題の解決・調整援助を行うほか、退院援助・社会復帰援助・受信援助・地域活動などを行っています。
「日本社会福祉士養成校協会」と「日本精神保健福祉士養成校協会」「日本社会福祉教育学校連盟」を吸収合併して誕生しました。全国の社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉教育を行っている学校で組織されています。
連盟は、ソーシャルワーク教育の内容充実及び振興を図るとともに、ソーシャルワーク及び社会福祉に関する研究開発と知識の普及も努め、もって福祉の増進に寄与することを目的としています。
国家試験受験支援としてweb講座などを行っているため、社会福祉士を目指す方は活用することができます。その他国際活動やソーシャルアクションなど様々な事業を行っており、学生のうちから参加することができます。