社会福祉士の業務内容は男女どちらであっても行える仕事ですが、男女比では女性の方が多く、人気も高い職業です。今回は、なぜ社会福祉士は女性が活躍できる職業なのかをご説明していきます。
令和4年度の第35回社会福祉士国家試験における合格者数男女別の割合は、男性5,338人(32.7%)・女性11,000人(67.3%)となっています。この結果からもわかるように社会福祉士の割合は女性が多いです。
ちなみに令和3年度については男性30.5%・女性69.5%、という結果でしたので、直近では同じような傾向にあることがわかります。
それでは女性の社会福祉士が多いのはどのような理由があるでしょうか。実は女性の割合が多いのは社会福祉士のみではなく、福祉業界全体にいえることです。介護をはじめ福祉の職業は人のお世話をしたり人に寄り添う仕事であり、向いていると感じる人に女性が多いようです。
男女で違いが出るところは筋力や体力といった身体面ですが、社会福祉士の仕事において身体面で強くなければならない業務は基本的にありませんので、女性でも働きやすいという点もあります。
そして、社会福祉士の仕事は、主婦や子供のいる女性でも働きやすいという点も挙げられます。福利厚生が充実しており妊娠出産時でも安心できることと、常勤職員ではなく非常勤職員で働いている方が多く家事や子育てと両立して働いている女性が多いことが理由です。
また、社会福祉士は国家資格のため、結婚や出産のためにしばらく職を離れてしまった場合でも保有資格は一生なくなりません。数年経ってからでも復職しやすいことも女性人気を高めています。
前述のとおり、女性のほうが社会福祉士として働く割合は多い現状はあります。だからといって男性に向いていない職業ということではありません。男性に関しても社会福祉士として活躍している現場はありますし、女性が多い職場だからこそ重宝されるケースも珍しくなく、リーダーや施設長として活躍する方もいます。利用者が男性の場合は、同性によるサポートを望むケースもあり、必ずしも女性の方が重宝されるとは限りません。
社会福祉士の仕事は、困難を抱えている人に寄り添いサポートすることです。利用者に対応する際には、細やかな気遣いや思いやり、心配りが必要です。こういった面においては、女性ならではの温かみや優しさがプラスに働くことも多いでしょう。
また、利用者が女性であった場合にも強みを発揮します。例えば家庭内暴力被害者や性的虐待・性暴力被害者は、女性が多いです。担当する社会福祉士も女性であることで、より心を開きやすくなったり問題解決がしやすくなったりするケースが多々あります。そのため、社会福祉士の仕事では女性が活躍しやすいと言えます。